身分証明 神様 お漏らし どうしろと
最速で身分証明書を手に入れる道中はっじまっるよーというわけでやって来ましたギルド前、まず初めにアルテマさんに会います、おっすお願いします。
「おはようサイキョウ、それじゃあ早速行こうか」
最速を目指すため、ここで早歩き、をするとせっかちさんに思われるので最速を諦めまて普通に歩きますし、思考も元に戻します。暇な時楽しいんだけどねこの思考。
「具体的にどうするんですか、そのステータスカードを作るには」
「簡単さ、神様の前に立てば良い、信仰深い人は祈るように座ったりもするな」
神様?殆どの悪神は滅!!!したから地上に干渉するようなのはもういなくなったと思っていたけどまだいたんすねぇ。
「神様ってそんな簡単に会えるんですね」
「地上の出来事を間近で見たいんだそうだ」
人間だったらアリの行列ジーと見てそう(偏見)でも悪い神様って感じでは無さそうで安心した、これで悪かったら滅!!!しなきゃならないからね。
ギルドの中に入っていくと最初入った時のすっからかんではもちろんなく、ほどほどでもなく、むしろ真っ直ぐ歩くのも困難な…さすがに多すぎね?
「朝はいつもこんなものだ、依頼が貼り出されたり手続きしたり目的が丁度重なる時間でな、昼には落ち着くんだが」
なら昼でよかったのでは?サイキョウは訝しんだ。
「カード作成も朝からやってるのだけど朝から並ばなきゃ間に合わないのだ」
そ、そんなに待たないといけないとはなんかコネとかでちゃちゃちゃーとすんだりしないのかな。
「出来るぞ、結構立場偉いんだからな」
…なおさら何で朝来たんです?
「そりゃ手に入れるのが大変だぁってことをわかってもらって私が凄いこともわかってもらうためだ」
自慢するために態々朝早くの集合にしたんだな。まぁ逆だったら同じことしそうだから何も言えないが。
そしてズラァッと並んだ行列を横目にスイィと歩いて行く、この優越感たまりませんな!ガハハやったぜ。
「さすがにアルテマさんでも無名の人をってのはちょっと………無理ですね」
やれなかったぜ。
―――
目に見えて疲れ切った表情をしているサイキョウに申し訳なく感じながら、朝来たことが幸いしてなんとか一番最後になりはしたが手続き出来ることになった。こ、こまで考えてのことだから(震え)
にしても神様のことを知らないとはよっぽど辺境の地にいたんだな、誰しも一度は名を聞いたことぐらいあるレベルなんだが。
でもまぁ、常識クイズとか全問正解できるかと言われたら私は無理だしそういう人もいるだろうな。
「何の神様とかってあるんですか?司っているって言うんですかね」
本当に知らないみたいだな、戦の神だってことも知らないなんて。
「…具体的にわかったりします?」
ぐ、具体的かぁ、自分のことでも無いし信者でも無いからわからないなぁ、一応戦闘に関する神だからステータスカードを作れるとは聞いたことあるのだが。
「そうなんですね、せっかく会うなら詳しく知りたかったんですが…女神様に会うの緊張しちゃうなぁ」
神様相手に色目使おうとしてるかもしかして?変に肝据わってるなお前…あれ女神って言ったか?
―――
「次が最後ね!」
「はい、アルテマさんが連れて来たかたみたいですよ」
態態アルテマが連れてくるなんてよっぽど優秀なのかしら!でも、それらな融通しろぉって言いに来そうだし、ただ単にお節介やいているだけかも?
「今時珍しい、刀を携えてる人だそうです」
…刀には嫌な思い出があるのよね、まぁ人間だったしもう寿命で亡くなってるでしょ。
でもあれ本当に人間だったのかしら、最高神達をアリの行列を踏み潰すように蹂躙していって、あれのお陰で神の世は平和になったのだから良いけどあれがもしあたしに向かって来たらと考えたらゾッとする。
繰り上げの形で戦の神になったけどあたしに出来るのは精々人の能力を確認するぐらいだし…まぁそれを利用してこうやって地上で立場を得られたから良いんだけど…楽して生きるの最高ォォォ!!
「来たみたいですよ」
さぁ、どんな子かな………え。
なんで…そっくりさん?…いやそもそも人間だったんだから生きてるはずない…でもでもでも…似てる…似すぎてる…あの時から変わってない…じゃあ本物?…本物なら何をしに?…カードを作りに?…ならヘマしなければ大丈夫。
「お願いします」
気付いてない?…なら…大丈夫…へっぽこ神様で良かった…大丈夫…ミスをしなければ…大丈夫…いつも通り…いつも通り…ゆっくりやれば良いだけ………あ…アアアアアアアア!!!
error
エラー!!?最高神より強いんだから考えたら当たり前よ、あたしなんかに計れるわけがない!!!ミスしたミスしたミスしたミスした!!!
こ、殺される、言い訳!言い訳!!言い訳!!!なんでも良いから調子が悪かったですとか強すぎますねとか褒めて機嫌を取らないと!言って!お願いあたしの口、動いてお願い!し、死にたくないのよ!
「あ、あの、ご、ご、ごめ、ごめッ」
出ない出ない出ない!ごめんなさいと言うの!言いなさい!出て出て出て出て!!!!
ジョワー
………はは、違うのでちゃった………
―――
ステータスカードを作って貰おうとしたら大粒の涙流しながら漏らされた者(他にも見ている人がいる)が状況を打破する方法を答えよ。
①現実は非常である
②現実は非常である
③現実は非常である
むーりむりむりカタツムリ(現実逃避)どうしろってんだこの状況ォ!やっぱり見たことある子だと思ってたけど話しかけるのは違うよな仕事中だしぃ、とか思って初めまして感出しながら目の前立ったらこうなったよ。
どうしろってんだよこの状況ォ!
「こ、ころしゃないでぇ」
うーん追撃追撃、ハハ自分が社会的に先に殺されるぜ女神様、とりあえず倒れそうだから支えるか。
「触るな!!!」
怖がってる相手が触ろうとしてんだから止めるのは分かる、分かるぜぇ秘書っぽい人!だが触らないと倒れてしまうし、この状況を打開する次の一手が打てねぇんだよ、オラッ記憶読み!
あちゃー確かに女神様視点だと神様なんでも殺すヤローに見えるな、しかも本来は死んでんのに当時のままの姿で突然現れたら怖いだろうなぁ。
すっごい申し訳ないなぁ、カード作ってもらった後、実は会ったことありますよねって仲良くお話し出来るかと期待したんだけど無理そう…残念
しゃーない消すか…もちろん記憶ですよ?…あとお漏らしの後も。
―――
「どうされたんです?神様も立ち眩みとかするんですか?」
あれ…?あたし何を?
「あの〜本当に大丈夫です?」
もしかしてボーとしてた!?あたし何してんだろ、神としての自覚がたりないわよ!
「だ、大丈夫よ、ありがとう助かったわ!それでえっと…貴方の名前は?」
「サイキョウって言います!最強目指してるのでこんな名前です!」
???今一瞬すんごく悲しい顔されたような、ま、まさか前にも会ったことあるけど忘れてるパターン!?どうしよう刀持ってる青年なんて今時古臭いから覚えてそうなもんだけど、ぜ、ぜんぜん思い出せない。
「昔一回だけですので気になさらないで下さい、女神様は常に大勢と出会うお仕事をされていますし、覚えてる方がおかしいですよ!」
あはは、フォローされちゃった。ちょっと情けないからあたしの仕事っぷりでも見せて喜んで貰うとしましょうか。
さてと能力は…どれも平均的ね、強くも無いし弱くも無いって感じアルテマが連れて来たぐらいだからとんでもない才能かと思ったけどお節介が発動しただけみたいね。逆に考えればお節介したくなるほど性格がいいのかも、さっきも心配してくれたし。
「これがステータスカードですか!どうです?最強そうですか!?」
うぐ、キラキラ輝いた目でこっちみないでぇ言いづらい!
「平均的だな、どれかが突出してるわけでもないし可もなく不可もなくって感じだ」
あたしが言いにくそうなのを察してかアルテマが代わりに言ってくれた。それを聞いた彼はそんな〜としょんぼりとはしているが落ち込むほどではないのか表情を晴れやかなままだ…よ、よかった。
「一年に一度は更新に来るようお願いしますね」
「はい!わかりました!」
サイキョウが秘書からステータスカードの具体的な利用方法なんかと注意点を聞いているのを横目で見ながらどこかモヤモヤとした気持ちが胸の内をしめていた。
ポッカリと穴が空いてしまったかのようなそんな感じだった。
―――
「おじさん!おじさんは悪い神?」
「お兄さんだろぉぉ!?後人間だ」
「うっそだぁ人間はそんな強くないもん!」
「失礼な正真正銘…ではないけど人間だ、そんなことより君は何でこんな戦争のど真ん中にいたんだい?」
「戦の神は強かろうが弱かろうが幼かろうが関係無く戦えってさ、あたし戦い嫌いなのに」
「うーんダメ神多すぎる、まぁもう居ないし良いけど、家まで一人で帰れるかい?」
「なぁい、親はこの戦争で死んじゃった」
「え、気まず、もしかしたら自分が殺してるかもじゃんごめん」
「大丈夫あたしの目の前で殺されたから違うって分かるよ」
「おうふ、なかなか壮絶だねぇ」
「気にしないでどうせ貴方に殺されてたは、争いが大好きな親だったから、産まれてすぐ放置だったし、神って丈夫でしょ〜すごいでしょ〜」
「すごいなぁ、そんな神様はこれからどうして行くんだい?」
「えっとねぇ…楽して生きたい!」
「えぇ、随分と怠惰な答えだった、戦いに快楽求めるよりは良いけど」
「だってあたしが楽して生きれるってことは平和になった証拠だもん!」
「ハハハ!じゃあ君が楽して生きるために全部の厄介ごとを終わらせるのかい?」
「うん!」
「………そっか…君みたいな子が最高神の中に居てくれたらいいんだけどね」
「無理!戦い嫌いって言ったじゃん!」
「みたいだね、だから戦いに関する厄介ごとは自分が片付けよう、君はそれ以外だ!」
「やだー」
「やるの!…そう言えば名前聞いてなかったねなんて言うの?」
「無い、放置されてたって言ったじゃん」
「ほんとすごいな神様、うーんじゃあ平和って名前は」
「やだかわいいのが良い」
「なら和だな」
「うん!それなら良い!後お願いがあるの!」
「なんだい?」
「記憶を消してほしいの!見てたよ、出来るでしょ!」
「出来るけど…なんで?」
「あなたが優しい人だって知ってたら頼りそうだし、あたししか頑張れる人が居ないって思えた方がやっていけそうだしね!」
「…孤独だぞ?」
「それで平和になるなら望んでなってやるわよ」
半分だけ嘘をついた、平和のための他にももう一つ理由があった。
あたしを窮地から救ってくれた。
戦争を終わらせてくれた。
優しく話しかけてくれた。
名前をくれた。
神って身体は丈夫だけど心は人間と大差無いみたい、こんな簡単に恋に落ちちゃうんだから。
でもだからこそ人間となんて滅多に会えないだろうし、寿命だって全然違う、こんな気持ち抱えて生きてたらきっとおかしくなってしまうわ。
「なら自分も消そう、こんな気持ち残ってたら辛いからね」
「それって…」
「消してしまうけど…一緒の気持ちだと嬉しいな」
「きっと………ううん絶対一緒よ!」
「ハハハ!ならめちゃくちゃに嬉しいな!」
「名前は?」
「サイキョウだ、さようなら和!」
「さようなら、サイキョウ!」
こうして二人の恋と記憶は消えた…この時は。
そう…この時は!!!
―――
思い…だした!簡単に!
女神様、いや和に対して記憶にもやがかかっているので何の記憶を消したんだ?と思ってたいした記憶じゃないと思って消した記憶を戻したら大切な記憶じゃねぇか!!
そしてそしてぇ!この記憶戻しは一方的ではなくお互いに関わるような記憶の場合相手も戻ります。
再会出来たことは嬉しいが自分はちゃっちゃかギルドから出て行く、どうしてかって?自分は部分的に戻せるが相手は全部戻ります。
お漏らしパンツを入れ替えたのはだーれだ。
答え、自分
にぃげるんだよぉ!!完全に和の記憶が戻る前にいち早く!アルテマさん早く出ましょう!そして入り口で別れましょう!そしたら全力で逃げれるから!」
「いやぁぁぁぁぁ!」
まずいですねー
「この声は神様の声だ!サイキョウ戻るぞ!」
「いえ、足手まといになるので自分は帰ります!」
「何を言っているんだ人手は多い方が良い、ついて来い!」
無事、謝り倒すはめになった。