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国際秘密防衛会社 ナミト ミックス スパイ NMSP VS 2つの麻薬製造工場 第5巻(MISSION5)  作者: Mac Adason 横山葉月
第4章 2年ぶりの2つの麻薬製造工場
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③東崎の心残り

アメリカンギャングボーイの内部には、麻薬研究栽培室や麻薬研究開発室、麻薬製造研究室などといった研究施設だけではなく、AIIBSOの英国支部に所属するAIIBSOの構成員とは別に研究員食堂や特定の研究員のための部屋もある。またアダソン兄弟の別荘施設も存在する。アメリカンギャングボーイのとある場所にマックの麻薬研究の助手側近である東崎 南のためにマックが用意してくれた準備室があった。その部屋も壁がピンクと白のストライプ壁、出入り口のドアはハートが描かれていた。また、アンティーク調の机の上にパソコンとマックと連絡するための固定電話機、日本に遠く離れている東崎の家族や友人幼い頃の英語の恩師などの写真が置かれていた。東崎の後ろには、白衣が入れられているハートが描かれているロッカーとピンクのカーテン付きのベッドがあった。その隣にピンクのカーテンとレースがかかったロッカーがあった。


 東崎は、マックの指示により動いており今現在の所、マックから指示がないため、この部屋で待機していた。そのテーブルにあるデスク用の椅子に座りながら、日本に遠く離れている自分の家族や友人幼い頃の英語の恩師などの写真を見て『何か』を思い悩んでいた。そうしていると外から


トントン。

「はい。」

「マックだ。南君、入っていいかね?」

「マック博士。どうぞ。」

東崎がそう言うと、マックが部屋に入ってきた。


「南君、先程セキュリティー部の3人が休暇から帰ってきて戦いに参加している。」

「そうですか。お伝えありがとうございます。これで見守り役の方は全員揃いましたね。」


 マックは、次に東崎がまた『何か』を思い悩んで、心残りを感じていることに気づいて言った。

「そうだな。そういえば、南君。私が入ってきた時に南君の顔が暗いことに私は気づいた。まさかと思うが再び・・・。」


「マック博士!私がマック博士の助手に昇格した時から、マック博士の麻薬研究などの麻薬活動は素晴らしいと思っています。マック博士と結婚する約束のことは忘れてはいません。しかし、その研究と技術を悪用してマック博士と共に麻薬を世界中に広げ、世界を麻薬化社会にし、人類を麻痺させることはしたくないです。やめてください!麻薬化社会にした後、マック博士が『チャールズ国王』から王の座を奪い取って麻薬王として世界征服し、『バッキンガム宮殿』からアメリカンギャングボーイに王室移動なんてしたら・・・。」

「また私への不満話か!何がなんでも王室は移動する!そうしないと私が麻薬王になった権利を示すこともできないし世界が麻薬社会になった証拠も示すこともできないぞ!完全世界が麻薬化社会になった時にアダソン家に嫁ぐことを条件にして結婚する約束をしたはずだ!『善』のために技術力を使うなんてことをすれば、兄や南君をはじめ大切なものを全て失うことになってしまうぞ!『13年前の私たちの悲惨な出来事』のように。私は『悪』を成功させ、皆や大切なものを守るためにやっているんだ!せっかく私がこんなにも守ろうとしているのに!何が気に入らないんだ!そんなに王宮移動が嫌なら、麻薬投与の治療を受けろ!」

とマックは麻薬効果のせいか興奮気味で声を荒げて言った。


「私はマック博士同様に、麻薬やその投与治療をやりたくないと何度も話しています!マック博士は、マック博士が幼い頃読んでいました『不思議の国のアリス』の『ハートの女王』に取り憑かれています!本の見過ぎです。目を覚ましてください!」

「何だと!ふざけるな!」

マックは、この時点で、怒りでいっぱいだった。


「世界が麻薬社会になりマック博士が『麻薬王』になって世界征服するのであれば、私の大事な家族や友人、恩師だけには手を出してほしくありません!また私のスマホをマック博士にしか連絡できず、岡山の実家に帰っている間に必ず一日一度、時差関係なく電話をかけてきて監視をするのはやめてください!私のスマホの連絡先を全て元に戻してください!もう、わかって下さい!私は何度もこれも言っています。」

と東崎は自分のスマホを出しながら泣きそうになりながら震えそうな声で言った。しかしマックは、


「その心残りの話も、もうそろそろ聞きあきたぞ!いい加減わかってもらいたいのは、私のセリフだ!世界が完全麻薬化社会になるまでの間にいい加減、南君の大切な人たちのことを忘れろ!嫁いだ時に南君は南君の大切な人たちと離れることも同意していただろう?それも忘れたのか?兄とともに3人だけで暮らしていける世界での幸せな生活を選ばず、南君が大切な人たちを忘れず、その人たちの元に行き、『善』の行いをするのであれば、南君も私や兄などの大切なものを全て失うぞ!何南君は、私のことが好きだとあれほど言っていたはずだ!結局私と南君の大切な人々どっちが大切なんだ?」

とマックは、東崎の気持ちを1つも聞き入れてくれず、麻薬の効果によりさらに興奮し声を荒げた。東崎にとって今のマックは、まるで別人に変わってしまったかのように見えた。東崎の耳の鼓膜が破れそうな怒鳴り声でマックは言いたい放題に続けた。


「マック博士!私はマック博士のことが好きです!しかし私は、私の家族や友人、恩師のことなども大切で・・・。」

と東崎は泣きそうな声で言ったが、マックは次の瞬間


「南君が大切な人たちを忘れるためにも、南君の机にある大切な人々との写真は目障りだから処分だ!私の脳に取り憑いている『妄想世界の神様』もそろそろお怒りだ!何でもかんでも私に気持ちなどを言えるのは間違っているぞ!」

と怒鳴り上げながら、東崎の机上に置いてあった写真を無理矢理素早く奪い取り、乱暴に全て破いて床に撒き散らかした。そして汚すかのように、自分の足で踏みつけてしまった。


「マック博士、何てことを・・・。」

「うるさい!黙れ!」

「ごめんなさい!私はマック博士のことが好きです!私が間違っていました。だからそんなことするのはやめてください!」

と東崎は、慌てて泣きそうにながら言った。すると


「わかった、最初からそう言ってくれればいい話だ。南君にも前にも話したが、私と兄も『13年前の悲惨な出来事』が起こった後は南君と同じように心残りの気持ちがあった。だが、私は自ら被験者として麻薬を服用し始めたことによって、妄想世界の神様が救ってくれて妄想世界に閉じこもる生活を送ることができて、それを忘れることができた。」

とマックは、急に元に戻ったかのように静かな声で言った。


「マック博士、これから私は何をしたらいいですか?」

東崎もマックが再び元に戻ったことに心で驚きながら言った。


「これから南君にはこの工場内にISDCの諜報機関が紛れ込んでいないか、そのパソコンに入っている私と兄が開発したセキュリティーソフトで調べてもらいたい。さっき兄からの予測で2年前にも潜入していたISDCの諜報機関が侵入しているかもしれないという話があった。兄は、私とともにトリックマンの方に潜入している研究員やAIIBSOの構成員の様子や争いの状況を見る。絶対やるんだぞ。」

「わかりました。マック博士。」


東崎がそう言うと、マックは部屋を出ていった。残された東崎はマックがまた自分の気持ちを聞き入れてくれなかったこと、そして自分の気持ちを伝えるといつも麻薬効果にもよってマックの態度が変わってしまうことを考えていた。そしてさっきまでのマックの態度は一体何だったのかと涙を流すのだった。


果たして、ヨインター、新板、記ノ松は一体どうなるのか・・・。

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