表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/56

女子会


「わぁ・・・っ!本当に雪の妖精さんみたいなのです!」

たれ耳狼耳しっぽの姉妹・シャーラは、

初めてのメイリィさまに、目を輝かせて、

わふわふとしっぽを振っている。


「・・・シャーラさま・・・めっちゃかわいいです・・・

あぁ・・・もふちゃんを思い出します・・・っ!」


「もふちゃんって?」

ナディが首を傾げると、メイリィさまが、

その“もふちゃん”を、描いてくれた。


「こんな感じで・・・わふたんと言うよりは、

狐さんなんですが・・・」


「はうー、ソラノシア連合王国の姉妹姫のお姉さまにも、

狐さんお耳にしっぽのお姉さまがいるのです?」


「まぁ、そうなのですね!

竜国域では、狐耳しっぽと、猫耳しっぽの獣人族が特に多いんですよ」


「逆にこちらでは、猫耳しっぽの獣人族が少ないのです!

獅子や虎のお耳にしっぽの獣人族ならいるのですが!」

確かに!定番の猫耳しっぽの獣人族の方には出会ったことがなかった。

国域によって、いたり、いなかったりするわけか。

まぁ、猫系はいるのだけど。


「そうだわ、シリンズランドで最近はやっているお菓子があるのだけど」

と、ナディがかわいらしい菓子箱を開けてくれる。

それを見た瞬間、私たちの目が輝いた。


『かわいぃ~~~っっ!!!』

それもそのはず、中に入っていたのは、

大きな猫型の、お饅頭だった。

白猫、黒猫、虎猫、そして三毛猫の4種類。

私たちも4人なので、数的にもちょうどいい。


「何故か・・・猫にしちゃったんだけど・・・

かわいいからいいわよね」


「もちろん!ナディ、ありがとう!」


「いいえ、みんなも選んで」


「でも・・・かわいくて逆に食べられなさそうですね」

と、メイリィさまがおどおどしつつも、

白猫饅頭をてにとる。

私は三毛猫饅頭、シャーラが黒猫饅頭、

ナディが虎猫饅頭を選んだ。


「でも、ルティは、わかいい菓子パンは普通に食べるわよね?」


「あ・・・そうだった・・・」

私は、お饅頭をはむはむしつつも、

みんなに菓子パンを披露する。


「外交官のお友だちが、女子会をやると言ったら、焼いてくれまして。

一応誘ったのですが、姫さまばかりで恐縮だと言って、

これだけくださったのです」


「まぁ、みんな姫やら妃よね。シャーラさま以外」

と、ナディ。


「そう言えば、シャーラは誰かいいひとでも?」

と、聞いてみれば。


「ひゃうっ!?そ・・・それは・・・その、

何故かなかなか決まらなくって・・・モテないのです?」


『いいや、違う、それは絶対逆!!』

私たちは一様に叫んだ。

むしろ、人気がありすぎて、どうせニカ義父さま、

ニオくん、お姉さま方が暴走して、

なかなか決まらないのだろう・・・


「もし、嫁入り先が決まらなかったら、ウチの兄さまとかどう?」

と、ナディ。

さらっと言っているが、その“兄さま”とは、

シリンズランドの王太子・ヴィーラさまのことだ。


「ひゃうっ!?」

シャーラは驚きつつも、首を振る。


「父さまが、夫は絶対婿って言ってるのです?

ヴィーラさまは王太子なので無理なのです」

あぁ・・・こりゃ絶対、過保護組が、

ソラノシア連合王国から出さないつもりだ・・・

私は、確信した。

まぁ、私もその過保護組に入っているのだろうけど。


まぁ、気を取り直して・・・


「このうさちゃんパン、かわいいですね」

もぐもぐ。

メイリィさまはクリームの入ったうさちゃんパンが気に入ったようで・・・


「メロンパン・・・初めて食べたけど、メロンの味はしないのね」

と、ナディ。

「おさかなのパンおいしいのです」

もひもひ食べるシャーラは、今日もかわいい。


「ソラノシア連合王国からは、栗羊羹を持ってきたのです」

と、お次はシャーラが栗羊羹を出してくれる。


「わぁっ!羊羹!私、好きなんですよ!」

と、メイリィさまが飛びつく。


「他にも、いろんな羊羹があるので・・・よかったらお土産にどうなのです?」


「わぁいっ!是非いただきますね!」

メイリィさまは羊羹を自分でお作りになるほど好きなようで。


そしてメイリィさまは、竜帝国の帝都でもおいしいと評判の、

チョコレート菓子をたくさん持ってきてくださった。


「わぁ、色んな形がありますね!」

ハート、星、アーモンド形とか・・・!


「味も色々とあるんですよ」

と、メイリィさま。


「どれにするか迷うわね~」

と、いいつつ、ナディは四角いチョコレートをぱくり。


「んんっ!これ、口の中でとろける!」


「生チョコと言うのだそうです!最近、竜帝国ではやっておりまして。

冷蔵魔法がないと、あまり持ち運べないのですが、

今日は納豆と一緒に持ってきました!」

と、メイリィさま。


「あぁ・・・ルティがはまっているって言う・・・あれ?」

そうそう。

因みに、冷蔵魔法は高性能で、匂いうつりはしないようになっているため、

納豆の匂いはしない。

私は納豆の匂いも好きだけど。


「おいしいのに、ナディったら食べないの」


「だってねばねばしてるし・・・」


「でも、ヘルシーですよ?」

と、メイリィさま。


「う~ん・・・なら、今度ご馳走してもらおうかな?」


「安心して!ナディ!明日の朝ご飯は、納豆よ!」


「相変わらずねぇ、ルティったら」

納豆談義をしながらも、トリはやはりパフェ。


フーリン国流あんみつパフェを食べながら、

女子会は楽しく進んでいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ