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結婚式と披露宴


さて、シュキさまと出会って、かれこれ半年ほどたったころ、

私はシュキさまと結婚式を挙げた。


フーリン国の王族の結婚式と言うのは、

意外にも、花嫁と花婿、そしてその双方の両親のみが参加する。


フーリン国国王夫妻のシェル義父さま、シュアン義母さま、

そして、ソラノシア連合王国のニカ義父さま、リーラ義母さまが見守る中、

神官さまの前で、夫婦として、共に支え合っていくことを誓い合い、

そして、シュキさまが、私の唇にそっと口づけをしてくれた。


「ルティカ・・・一生、幸せにする」


「私だって、シュキさまを一生、幸せにします!」


「・・・嬉しい」


「私もです」

シュキさまに救われたこの命・・・

シュキさまが、私を幸せにしてくれると言うのなら、

私だって、その恩を返したい。


それに、一緒に幸せになりたいと願う。


そう、心に誓えば・・・


「あぁ・・・一緒に、幸せになろう」

えぇと・・・シュキさまって、読心術が得意なの?

それとも、顔に出ていたのだろうか・・・


「・・・はい」

シュキさまに差し出された手を取り、

私たちは各両親に見送られながら、無事、式を終えたのだった。


―――さて、結婚式と言うのは、そんなに大々的なものではない。

・・・が、この後、披露宴と言うものがあるのだ。


その披露宴には、フーリン国の属国、従国、

そして国域外からもお客さまが訪れ、

王都でも盛大に祭りが開かれる。


そんな披露宴では、私は懐かしい友人たちにたくさん会えた。

多くは、学園の同級生で、私の味方をしたことで、

ソルによって不利益を被ったものの、

ロッタ殿下・・・いや、陛下の即位によって、

能力の高い彼ら彼女らは、ロッタ陛下の腹心として、

今もより多くの活躍をしており、

外交官として、ロッタ陛下に同行しており、

久々に懐かしい話に花を咲かせることができたのだ。


また、ロディア王国から妃を娶り、その妃殿下と共に、

ロッタ陛下も私たちに挨拶に来てくれた。


「お久しぶりです、王太子殿下、そして、ルティカさま」

ロッタ陛下は、赤い髪に、みどり色の優し気な瞳を持つ美青年だ。


「あぁ、久しぶりだ」

「えぇ、こちらこそ。ロッタ陛下」


「こちらは、私の妃のユエルです」

ロッタ陛下に紹介された、シュアン義母さまによく似た、

ロディア王室から嫁いだ獣人族の王妃さまが、挨拶してくれる。

なんでも、ロディア王国王太子のフィルさまのお姉さまで、姉さん女房だと言う。


それにしても、仲睦まじそうで・・・

ロッタ陛下も、やっと幸せを手にできたのだと思うと・・・しみじみ。


そしてその後すぐに、ロディア王太子のフィルさまが来てくださって、

彼もまた、ユエル妃殿下と同じく狼耳しっぽの獣人族。

やはりシュアン義母さまともよく似ている。

彼もまた、祖国で迎えたと言う、妃殿下を伴ってきてくれた。


「フィルさま。とてもお元気そうで、なによりです」


「あぁ、君には、特に心配をかけてしまったようだ」

私に散々ソルやマキアのことを愚痴っていたフィルさま。

一時は安否が心配になったものの、

無事、ロディア王国で保護されていることが確認され、

ロッタ陛下即位の後は、彼も表に出て、

積極的にロッタ陛下と交流をされていた。

その縁もあって、ロッタ陛下はフィルさまの姉君と婚姻されたそうだ。


その後は、シリンズランドから、この前結婚式を挙げたばかりの、

王女であるナディとその夫のクロウさまが来てくれた。


「ルティ!とってもキレイね!」


「ナディこそ!」

そうして、ふたりで再会を喜び合っていれば、

シュキさまが不満顔だし・・・クロウさまも何だかそわそわしている?

全く・・・親友同士で気が合う・・・と聞いていたけれど、

そう言うところまで気が合うところに、

私とナディは互いに顔を合わせて苦笑したのだった。


そして、ソラノシア連合王国からは、両親と共に、

姉妹のシャーラと弟のニオくんが来てくれて、

互いに再会を分かち合った。

特に、ニオくんと並んで一緒にきた、

弟のフェイくんとのツーショットに、

シュキさまがふるふるするほど感動していたのは、言うまでもない・・・


更に、嬉しいことに、竜帝国からはるばるメイリィさまと、

その夫で竜帝国の皇太子殿下が来てくださって・・・

そこに魔帝陛下まで加わったので、どうなることやらと思って、

何だか・・・ドキドキの展開になってきた・・・!


だが、魔帝陛下の放ったひと言により、

スイーツ男子3人が見事に打ち解けあい、

私とメイリィさまは互いに女子会の約束をしたら、

シュキさまと皇太子殿下が同じように寂し気に見てきたため、

シュキさまたちは、スイーツ男子会をどうぞ、と無理矢理送り出したのだった。








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