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ルティカとシュキのスイーツお茶会

※『くじ引きで~』の全体的なネタバレを含みます


―――そしてまた、スイーツロードは拡大した。


「まぁ・・・竜帝国のお菓子・・・月餅もおいしいですし、よいのですが」


「どうかしたのか?ルティカ」


「いえ・・・確かちょっと前に、パフェもはやりましたよね」

ことの発端は、ツェイロン王国の王太子・シンシャさまらしい。

フーリン国に普通にパフェがあると聞いた時は、

とても驚いたものだが・・・


「あぁ・・・あれは、美味だった」

私とシュキさまは、色んなお国お菓子アソートを広げながら、

いつもの通り、お茶をしていた。


「竜帝国・フーリン国・魔帝国の3代強国域トライアングルが、

パフェトライアングルと称されたそうですね。

しかも、シュキさまの提言がきっかけだとか」


「あぁ・・・“男子がスイーツを愛して何が悪い”

・・・そう言ったことを覚えている」


「まぁ、私もそれには賛同ですけど・・・

あの、偽マキアを放った大魔神帝国が、

魔帝陛下のルダさまに“男子がスイーツなんてとんでもない”と発言して、

ルダさまが切れて、滅ぼされて共和国になったんでしたね」


「あぁ・・・領土の半数ぶんどって、

魔群帯に手を出せぬようにしたらしい」


「魔群帯も整備が進められているようでよかったのですが・・・」


「あの魔群帯発生の原因が、大魔神帝国だったからな」


「あのおかしなヒロインゲームを繰り返すための禁術を

再び復活させた挙句、まさか、そんなことまでやっていたとは」

本当に、驚きだ。


「だが、おかげでその問題も解決できて、

魔群帯も、いずれは無害なものになる。

国境を削られていたル・ガリア公国も安心だな」

魔群帯に接していた国の中には、竜帝国域の新興国である、

ル・ガリア公国も含まれている。

その公国を治める公王は、竜帝国の竜帝陛下の御子であるとか。


「それで、削られた分はどうなるのですか?」

ル・ガリア公国はかつて、旧カロン王国領、

その前は、ル・ガリア王国と言ったらしい。

その頃から比べて、今では格段に魔群帯に浸食されて、

領土が減ってしまったのだと言う。


「ル・ガリア公国は特に返還は求めていないらしい。

それよりも、魔帝陛下に深く感謝している公王夫妻の対応に、

ルダ殿もウキウキで国交を結んだらしい」


「さすがはルダさま。懐が深くてよい方ですね」

それに、ル・ガリア公国の公王夫妻も、

ルダさまとは仲良くやっているらしい。

それは竜帝国の皇太子殿下に嫁いだメイリィさまからの

お手紙にも書かれていて、ルダさまのことについても、

私から、とても良い方で、スイーツに興味を持っていらっしゃる・・・

と、書いたところ、ル・ガリア公国とツェイロン王国から、

魔帝陛下に“お歳暮”が届き、ルダさまから私宛に、

感謝の手紙が届いたのだ。


「あぁ・・・因みに、ル・ガリア公国のチョコは旨いらしい」

え・・・まさか、チョコレート菓子狙いでは?

と、思っても、決して口には出すまい。

きっと、それ以外にもちゃんと利益を出しているはずだから。

ルダさまはスイーツに目がないが、それ以外でも優秀なお方なのだ。


「もう、大魔神帝国だった頃の、ロストテクノロジーなども、

完全に壊滅に追いやったそうで・・・

今では他の強国域に脅える哀れな共和国。

それも、竜帝国や魔帝国も見放すと言う・・・

共和国になったとはいえ、ふたつの強国域が見放したのだ。

あの国の滅亡は早いだろうな・・・」


「そうですね・・・」

とは言え、同情する余地などない。

偽マキアが多くのひとたちを苦しめた件、

そして、大魔神帝国が発生させた魔群帯でも、

多くのひとびとが犠牲になってきたのだ・・・

そう遠くないうちに、他の強国域に吸収されるだろう。

できれば同じ魔族が治める魔帝国にくみしたいと考えていたそうだが、

魔族である魔帝国が見放したため、

多分、魔族に恨みを持つ、他種族の強国に攻められるだろうなぁ・・・

まぁ、先ほども言ったが、同情する余地などこれっぽちもないけど。


「そう言えば、例の・・・奴隷魔法を聖女、聖者が解除できるか・・・

と言う実験については、どうだったのですか?」

随分と前のことだが、すっかり忘れていた。

確か、エストランディス王と親しいクロウさまを通して、

その側近の聖者さまと一緒に実験を行っていたはずだ。


「あぁ・・・実際は、全く効果がなかったらしい」

なんと・・・。

まぁ、魔族であった、偽マキアが光魔法を使えた時点で、

光魔法の定義がちょっと怪しかったものね。


「その後も、魔帝国が人体実験をしていたそうだが・・・効果がなかったそうだ」


「人体実験・・・?」


「あぁ・・・ちょうどいい光魔法を操る聖女が手に入ったらしい」


「それ・・・違法な手段、踏んでませんよね?」


「あぁ・・・その提供先のシリンズランドは、

ちゃんとその聖女の母国であるエストランディス王に確認をとってな、

是非、利用してくれと大賛成してもらったらしい」

その聖女・・・何をやったらそんな目に遭うのだろう・・・

偽マキアくらいのことをやらかしたんだろうか・・・


あぁ・・・メイリィさまの大親友で、同じく竜帝国の皇太子殿下の妃である、

聖女のシンシアさまとは、えらい違いである。



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