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シュキさまへの日記


「あら・・・シュキさま・・・

例のエストランディスでの滞在、伸びるみたい・・・

滞在を終えたら、次はサクル皇国に行く用ができたって」


「そうなのか・・・」

私は、シュキさまからの手紙を開いていた。

国王である義父さま宛ての報告書と共に、送られてきた。

私はいつものように、レツィアと過ごしながら、

その手紙をレツィアと一緒に読んでいた。


義父さまへの報告には、詳しいことが書かれているだろうが、

私への手紙は、きっと今話せることのみなのだろう。


何か、私でも力になれればいいのに・・・


現状できることは、日記をつけることと、

シュキさまが部下のみなさんに命じた、

私の観察日記というもの。


あれは、いろいろと女子のプライバシーを侵害している気がしたので、

今ではシュキさまの部隊のお姉さま方が担ってくれている。


「シュキさまが置いてったこの手紙のページも足りなくなっちゃった」


「確かにな・・・書いてあることは、ほぼ同じだが」


「そうなのよね・・・じゃぁ、気にせずまた日記を書けばいいかな?」


「うん、そうだな・・・ルティカ、今日はスイートポテトが食べたい」


「うん、それじゃぁ、日記にスイートポテトを作って、

レツィアと食べたことも書かなくちゃ」


「(うん、早く仕事片付けて、帰ってこないと、

私がルティカの手作りお菓子を食べつくす・・・ふふふ)」


「え・・・?」

何だろう・・・何か陰謀めいたものを感じたのだが・・・


「ルティカ、私とシュキさまは、従兄妹で、幼馴染みでもある」


「そうよね、従兄妹だもの」


「からかうのは、結構好きだ」(キラッ)


あれ・・・レツィアって結構・・・S・・・?

まぁ、多分お父さまの宰相閣下も、アルオさんもSっ気のある、

ツンデレ気質だとは思うのだが・・・


「仏頂面なのに、反応は、面白い」

何となくわかるような。


「でも、あんまりからかうと、わんこみたいにしゅーんってなっちゃうから」


「うん、幻だと思うが、たまにわふたんお耳としっぽが見える」


「わ・・・わかる、それ、すっごくわかる」


「スイートポテト、できたらフェイに食べさせに行っていい?」


「もちろん、私も行く」


レツィアと顔を合わせて微笑み合うと、

私は早速スイートポテトづくりに向かった。


出来立てのスイートポテトを堪能したレツィアは、

早速私と一緒に、フェイくんにスイートポテトをご馳走しに行った。


「・・・っ!」

スイートポテトを見た瞬間に、ぴょこっと動くわふたんお耳が愛らしい。

しっぽもちょっと揺れてるし・・・


「フェイくんも、食べてみて」


「ルティカ義姉さま・・・ありがとうございます・・・嬉しいです」

フェイくんも相変わらず、シュキさまのような仏頂面だが、

しかしその瞳は、キラキラと輝いていて・・・


ぱくり・・・っっ


スイートポテトを口に含んだフェイくんは・・・



ぽ・・・っ



何となく、頬が赤らんだ気がして・・・


「・・・とても・・・おいしいです」

(くぅ~ん)


はっ!!また・・・くぅ~んって聞こえた・・・っ!!

めっちゃかわいいっ!

すっごくかわいいっ!!


「・・・兄さま・・・お元気でしょうか・・・

兄さまにも・・・食べさせてあげたいです・・・」

(しゅーん・・・)


は・・・っ!

そうか・・・フェイくんも・・・寂しいんだ・・・


「大丈夫!シュキさまが帰ってきたら、

また作るから・・・一緒に食べましょう!」


「・・・義姉さま・・・大好きです」

(ぽっ)


「ぎゃふっ」


「義姉さま・・・?今の効果音は・・・一体・・・」


「ケモ耳しっぽ萌え・・・」

レツィアがそう言って、私の肩に優しく掌を乗っけてくれる。


「えっと・・・その、弟ってかわいいなってこと」


「・・・そう、なのですか・・・嬉しいです」

あぁ・・・フェイくんはかわいいなぁ・・・


フェイくんがかわいいことについても、

しっかりと日記に書いておかねば・・・!


シュキさま・・・元気かなぁ・・・?



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