表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/56

マキアの最期

※後半グロシーン、処刑シーンあり

※苦手な方はご注意!

※シュキさまが“これから、グロい!”的なことを言っているので、

そこからグロシーン入ります

※本話、および次話、暫くその展開が続きます。

苦手な方は、10月18日18:00最後の更新分である第35部からお読みください

さらっと何があったかはわかるように書いた・・・はずっ(''◇'')ゞ


それからの展開は、とにかく早かった。


夜までにすべての準備を終え、そして夜のうちに駆ける。

同行すると決めた私も、

今回ばかりはあのジェットコースター移動にしっかり耐える心構えで・・・

シュキさまにお姫さま抱っこされ、

生まれ育った国・・・リヤム王国へと降り立った。


それはまさに、日の出と共に。


一気にリヤム王国城と大公家に乗り込んだフーリン国勢は、

またたく間に制圧してしまったのである。


そして、私たちの前に引きずられてきたのは、

今回の当事者と思われるひとたち。


まずは、マキア。

やはり王女のフィオナの格好をしていた。

かつらをはがされ、明らかになった、マキアの本来の髪色。

そして、寝巻だろうに、ごてごてとフリルやリボンがふんだんにあしらわれた服。


マキアは私の顔を見るなり、カッと、目を見開いた。


「貴様ぁ・・・っ!悪役令嬢のくせに!」


「誰に口を利いている」

しかしその時、私の隣にいるシュキさまが口を開く。


「シュティキエラ!私よ!マキア!ヒロインよ!

かわいそうに・・・あなたも悪女・ルティカに騙されて・・・

私は、あなたを救うために産まれたの!」

一体・・・何を言っているのか・・・

マキアは縄で縛られながらも、

おぞましいくらいに笑みを浮かべて、

お花畑のような脳内妄想を繰り広げる。


「アルオ、仕掛けはわかった」

その時、シュキさまが側近のアルオさんに告げる。

仕掛け・・・?何だろう・・・?

因みに、先ほどからぴーぴーわめくマキアはガン無視だ。

よくもまぁ・・・頑張るなぁ、マキア。


「了解した」

アルオさんは頷くと、マキアに近づき、そして・・・


「はぎゃあああぁぁぁぁぁぁっっ」


マキアの絶叫が響き渡る。


「ルティカ・・・結構グロい・・・目をらしてもいい」


「・・・その、大丈夫です。シュキさまが一緒ですから!」

そう言うと、シュキさまは少し微笑んで、頷いたくれた・・・


さて・・・マキアはと言うと・・・






















―――


「あ・・・あお‶・・・」


アルオさんがマキアの前からのけば、

何か魔法陣のようなものが描かれた舌に

何やら針のような物を刺されたマキアがいた。

痛々しくも、舌を口から突き出し、

目から涙を流しながら、何かわめいているが、

何を言っているのか、わからない。


「あの舌に描かれた魔法陣で・・・、

シリンズランドの牢から逃亡したのだろう」


「転移魔法・・・本当にあったのですね」

この世界には、確立した汎用転移魔法はない。

一部の限られたひとのみが、扱うことができるとか。

因みに、魔帝陛下は転移魔法が大得意。

一度行った場所にはどこにだって行くことができるチートの持ち主。

さすがは魔帝陛下である。

そして、マキアの方は・・・


「任意の対象から魔力をもらう代償に、

その任意の対象の元へと転移する魔法陣だな・・・

その場合、相手の体の同じ場所に、あれを刻む必要がある」

“あれ”・・・とは、舌に描かれた転移魔法陣のことだろう。


「だが・・・今は亡き、大魔神帝国のロストテクノロジーだったはず」

シュキさまがそう呟いた瞬間、ぴくり・・・と、

マキアの肩が震える。


「さて、ネタ晴らしをしてもらおうか」

そう、シュキさまが言い放ち、マキアに手を向ける。

シュキさま、一体・・・何を・・・?

そして・・・


「う‶お‶ぉ‶ぉ‶・・・っっ!!?」

いきなりうめきだしたマキアの姿が、

みるみるうちに変わっていく。


彼女の頭には、ずんぐりとした白い魔族角が生え、

そして彼女の髪は白く、眼は赤く染まっていく。

更に、頬には特徴的な、逆三角形の入れ墨・・・


あの姿は・・・一体・・・


「ぜ・・・ぜっがぐ・・・転生・・・じだのに・・・」


やはり、彼女も転生者・・・

そして、彼女は魔族に転生したと言うことか・・・

あの状態で、どうやって言葉がかろうじて、

判別できるのかわからないが・・・

彼女は続ける・・・


「ヒロイ‶ンに・・・なれだのに・・・っ」


でもそれは・・・彼女が無理矢理、

本来の罪もないマキアから奪ったもの・・・


「ざ・・・最推し・・・クロウ・・・ざまぁ・・・

私の・・・に・・・」


「そんなこと、できるわけないでしょ」

私は、つい言い返していた。

それに、シュキさまもアルオさんも少々驚いた顔をしていたが・・・


「あ‶・・・?」

彼女は、何を言っているのかわからない・・・と言う顔をしている。


「クロウさまは・・・ゲームの中の攻略対象じゃない。

生きてるの。この世界に生きて、()()()()()

それでナディ・・・シェンナディアと出会って、

ふたりで幸せになろうと誓い合った仲なの。

ゲーム感覚で、攻略対象としてしか見ていないあなたに、

そのふたりの仲を裂けるはずがないじゃない」


「あ・・・あんだが・・・あんだが悪いのぉっ!!

悪役令嬢が・・・出しゃばったから・・・!」


「私は、悪役令嬢じゃない!ルティカよ!

ルティかって言う、ひとりの人間なの!

ゲームの中の悪役令嬢じゃない!

私は私として生きて、シュキさまと幸せになるの!

あなたのゲームの中の悪役令嬢になんて、

されてたまるもんですかっ!!」


「ルティカ・・・」

そこまで言うと、シュキさまが私の肩に手を置いてくれる。


「ルティカは、私と幸せになる。絶対に、幸せにする」


「はい・・・!私、シュキさまと幸せになります!」


「お・・・おのれえええぇぇぇぇっっ!!!」

彼女は、まだ動けるらしく、こちらに向かって来ようとしたのを、

アルオさんが剣の形をした金鱗で、

炎風ファイアウィンドを起こし、そのまま彼女を吹き飛ばし、

彼女は地面に打ち付けられて、ぐったりと動かなくなった。


「その特徴を持つものには・・・心当たりがある」

そう、アルオさんが呟く。


「あぁ、間違いなく」

シュキさまもその言葉に頷く。


「ここまでわかれば、もう用はない・・・

ルティカ・・・これから処刑を行う。辛ければ・・・」


「・・・大丈夫です」

私は、シュキさまに差し出された手を握り、頷く。

するとシュキさまも頷き、軽く手を挙げれば、

マキア・・・いや、だったものが騎士たちに床に押し付けられる。


その瞬間、アルオさんが金鱗の剣を構えて、

一気にマキアの・・・首を斬り落としたのだった・・・


哀れな・・・マキア・・・だったものの最期であった・・・



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ