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深まる疑惑、でも時にはリラックス


「ルティカ・・・落ち着いて・・・

ルティかは私が守るから、大丈夫だ」


「シュキさま」

シュキさまが私をみつめながら、

腰に回した腕をぎゅっと引き寄せてくれる。


「ふん・・・シュキさまはフーリン族の中でも、先祖返りだ。

小娘にはもったいないくらいのな。だからうじうじするな!」

いや・・・宰相閣下・・・

めっちゃ尊大ないい方なんだけど・・・

でも・・・やっぱり根はやさしいところは、

アルオさんそっくりである。

きっとツンデレなのだ。この父子おやこ


「その疑惑は・・・心には留めておこう。

まだ、何ともいえない段階だが・・・

もしかしたら、深く関わってくるかもしれない」

普段は天然丸出しなのだが・・・

さすがは義父さま。

世界最強種族の王は伊達じゃない。


その頷きは、力強いものだ。


「ルティカは、他に何か、

気になっていることや、気が付いたことはあるか?」

シュキさまが私に問いかける。

優しい声色・・・優しい温もり・・・

やっぱり、安心してしまう。


ともかく・・・リラックスも・・・大事よね。


ふぅ・・・深呼吸・・・


「そう・・・ですね。しいて言うのなら・・・

フィオナ王女殿下について、です」

私よりもひとつ年下で、リヤム王国国王陛下の唯一の娘。


そう切り出せば、シュキさまが思い出したように口を開く。

「私も会ったことはあるが・・・

気軽に体を触られそうになって、不快だった」

ぐは・・・っ。

兄妹そろってダメダメじゃない・・・


「触られるなら・・・ルティカがいい」

そんな・・・こんな場でそんなこと言われても・・・

義父さまの前なのだけど・・・


「・・・ケモ耳しっぽ萌え・・・」

ぎゃぁっす―――・・・

また義父さまがシュアン義母さまレスを発症して・・・っ!!


「兄上、ほら、わふたんぬいぐるみ抱いていていいですから・・・」

と、宰相閣下がわふたんぬいぐるみを義父さまに渡すと・・・


「・・・っ!」(キリッ!!)

義父さまが見事に復活した。

え・・・父子おやこ揃ってそう言う生態なんだろうか。

そして宰相閣下・・・やっぱり優しいひとなんだな・・・

・・・ツンデレなだけで。


気を取り直して・・・

「私、フィオナ王女殿下に嫌われていたんです。

態度はあからさまなもので。

嫌がらせなんてしょっちゅうでしたし、

相手は王女だったから、私は何も言えない。

周りも見てみぬふりをするのは当然で、

逆らえば癇癪を起すし、国王陛下にチクるしで、

周りも手に負えなくて・・・

王妃さまは、将来お兄さんのお嫁さんになるであろう

私にヤキモチを焼いているだけだから・・・

将来は義理の姉妹になるのだから、かわいがってあげて・・・

そう言っていました・・・それに、私も年齢が上がれば、

落ち着いて来るだろうと思っていましたが・・・

原因は・・・そこじゃなかったんです・・・

フィオナ王女殿下は・・・ロティスに片思いをしていました。

ふたりの婚約は、王族と大公子息と言う優良物件ながら、

決して認められませんでした・・・

それを、フィオナ王女殿下は、

私があの浮気男の婚約者になったからだと思っていたようです」

さすがに・・・同じ家から、ふたりも王族に嫁げば、

国内の貴族バランスが崩壊しかねない。


だからこそ、フィオナ王女殿下は私が原因だと思ったのだろう・・・


けれど、フィオナ王女殿下とロティスの婚約が認められることはなかった。

あの、子に甘すぎる国王陛下すら、決して首をたてに振らなかった。

王妃さまの影響もあったのだろうけど・・・

私の予測が当たっていれば、あのふたりは決して結ばれることは許されないのだ。


そして、それを知っている王妃さまが、

ふたりの婚姻を認めるはずがないし、

憎んでいる対象のロティスを王太子に推すなど、ありえないのだ。


「それに・・・マキアの件もあります。

彼女は・・・恐らくロティスにも好意を向けていました。

浮気男の婚約者の地位に収まってもなお、

ロティスを傍にはべらせていましたから」


せっかく攻略した対象キャラが、

他の女性とくっつくことを、マキアが許したのか・・・?

彼女が地位や財産が目的だとすれば、

次期王太子に推されるロティスを捕まえておこうと思うのでは・・・?


それともロティスもろとも、斬り捨てようと言うことか・・・

それなら・・・彼女にはもっと上の・・・狙いがある・・・?

そう言えは・・・彼女は以前言っていなかったか・・・?


“最推し”の存在を・・・


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