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ルティカの考察、そして・・・


さて・・・状況を整理しよう・・・


【第1シリーズ攻略対象】


元リヤム王国王太子:ソル→脱落


リヤム王国大公子息:ロティス→多分マキアに攻略された


ロディア王国王太子:フィル殿下→安否確認中


リヤム王国第2王子:ロッタ殿下→安否確認中


隠しキャラ&魔帝陛下の奴隷:ヤタ→魔帝陛下の元で保護


【第2シリーズ攻略対象(多分)】


シリンズランド王太子:ヴィーラさま→無事


魔帝陛下:ルダさま→もちろん無事


シリンズランド王女の婚約者:クロウさま→無事


フーリン国王太子:シュキさま→もちろん無事


―――


こうしてみると、マキアは次々に手を出してはいるものの、

ソルとロティス以外は、確実に手にしてないのね・・・


それとも、第2シリーズの私の知らない攻略対象は、

既に攻略されてしまっているのか・・・


あれ・・・そう言えば・・・シュキさまの件だけど・・・

ソルはシュキさまを確実に倒せると聞いて、

マキアにあのホーリーソードとやらを授かったんだっけ・・・?

シュキさまのキレイな星空の金鱗きんりんを邪悪だとか言って・・・


ん・・・?

何で、攻略対象のシュキさまを倒すんだ・・・?

そう言えば・・・第1シリーズの隠しキャラのヤタくんも・・・

最初は敵・・・二重スパイとしてヒロインの前に現われる・・・

乙女ゲームのくせに、マジかよっていうほどの、

本格的な戦闘シーンだってあるのだ・・・


つまり・・・


倒す必要がある・・・倒すための手立てがある・・・

実際はパチモンだったわけだけど・・・

そんな立ち位置のシュキさまは・・・


か・・・隠しキャラ・・・なのか!?

つまりはラスボス・・・!

魔帝陛下の方がラスボス・・・

いや、魔帝陛下は第1シリーズのラスボスで、

攻略対象にならない代わりに、その奴隷であったヤタくんが仲間になる。

そして、第2シリーズの攻略対象キャラに、

魔帝陛下のルダさまが入っているということは・・・


イケメンルダさまを攻略したい!と言う世間の声があまりにも多く、

運営側が、第2シリーズにルダさまを攻略対象に加えたのではないだろうか・・・?


そして第1シリーズのラスボスが仲間になること確定のため、

新たな隠しキャラ・・・シュキさまが加わった・・・


と・・・なると・・・

第1シリーズの攻略対象は全員合わせて5人・・・

今判明している第2シリーズの攻略対象は・・・4人・・・

もし、シリーズ物なら、攻略対象が同じ数ってこともあり得る・・・

ってことは・・・あと、私の知らないもうひとりがいる・・・?

もしくは、第1シリーズの攻略対象が、

第2シリーズにもそのまま加わる可能性もある・・・


けれど、ソルは確実にないだろうし・・・


うぅん・・・やっぱりまだ、答えを出すには早すぎるし・・・

現段階では、マキアの居場所も分からない・・・


「ルティカ」

不意に、声がかかれば、寝室の扉を少し開けて、シュキさまがこちらを覗いていた。


「はい、シュキさま。そんなところでどうしました?

お入りにならないのですか?」


「えっと・・・」

どうされたんだろう・・・

何か、悩みごと・・・?

私・・・何かしたっけ・・・

お願いはしたけど・・・

結果が芳しくなかった・・・

もしくは、不味いお願いをしてしまったとか・・・?


「その・・・いいのか・・・入って・・・」


「ダメなわけないじゃないですか。むしろ、ここはシュキさまのお家でしょ?

私はしがない婚約者で、居候の身なのですよ」


「そのような・・・ルティカは、ここを自分の家だと思ってくれていい」


「それは・・・嬉しいです」


「だから・・・その、私と・・・今まで通り、一緒にいて・・・くれるだろうか」


「もちろんじゃないですか。私は、シュキさまに一生ついていきます」


「い・・・しょう・・・」


「はい」

シュキさまは、普段は仏頂面なのに、

目を見開いて私を見つめている。

そんなに変なこと・・・言ったかな・・・?


「私が、恐くないのか」


「恐い・・・とは・・・?」


「・・・金鱗きんりんを展開して、本気で戦ったから」


「そんなの、今更じゃないですか。

魔物からも助けてもらって、シリンズランドでも、

シュキさまに助けてもらいました。

それに、私・・・シュキさまの金鱗、好きですよ」


「好き・・・俺の金鱗・・・が・・・?」


「はい。何だか・・・星空みたいにキラキラしているので。

見ていると、幻想的で不思議な気持ちになります」


「そう・・・か・・・うん・・・嬉しい」


「シュキさま・・・?」

少し伏し目がちに頷くと、

シュキさまがゆっくりと扉を開けて、

こちらへ歩いてくる。

私が書き物を横によけると、

シュキさまががばっと抱き着いてきた・・・


「えっと・・・しゅ、シュキさま・・・っ!?あの・・・っ」


「恐がらせたかと・・・思って・・・あれを見せたから」


「私、恐がったこと、ありました?」


「・・・ううん・・・でも・・・恐がるものもいる・・・」


「私は、恐くありません。好きですよ」


「そう・・・好き・・・」


「はい・・・」


「嬉しい」


そして、どさっと背中を倒されたと思えば、

抱きしめられたまま、私はベッドに背中を付ける形となった。

これって・・・押し倒される・・・的なシチュでは・・・?


「あの・・・シュキさま・・・?」


「暫く・・・こうしてる・・・」


「・・・は・・・はい・・・」

ちょっと・・・顔がほてって・・・

心臓がバクバクして・・・恥ずかしいけど・・・

でも・・・何故か、

シュキさまの腕の中が安心する気がするのは・・・どうしてだろう・・・?


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