主家6氏族、姉妹姫の絆
「やだっ!本当にルティカじゃないっ!」
「いらっしゃい、ルティカ!心配したのよ!」
「国外追放になったんだって?なら、ウチに来ないか?」
と、狼家のシャーラさまに案内されて部屋に通された途端、見知ったお姉さまたちから総攻撃を受けた。は、はぅぅっ!そ、そんなにぎゅむぎゅむしないでぇ~~~っ!
―――羨ましい。その胸元のたおやかなふくらみ。
―――っじゃなかったぁ~~~っ!!!
まずは。
「久しぶりね。今日は、ルティカ用にドレスを用意したのよ?」
「え、ドレスって?」
いきなり私の前にどでーんとソラノシア連合風、―――地球で言えばふりふりレース付きの和服系ドレスを掲げたのは狐耳しっぽのリリーお姉さま。
藍色のストレートロングヘアーに狐耳の下にはアクセントの赤いリボンをつけ、吊り目がちな金色の瞳を持った美女。
6氏族の1つ、狐家の姫で本名はリゥリー・フー。愛称がリリーお姉さま。
「だって、シリンズランドでもシェンナディア姫からドレスをもらったんでしょう?」
と、なぜそこまで知っているのか、それは聞いてはいけない情報ツウなフェリお姉さま。
彼女はバッファローのような立派なベージュ色の牛角の付け根にかわいらしい牛耳を生やした美女。髪はシュガーブラウンのゆるふわロング。瞳はオレンジ色で、私の鬼灯色の瞳と近い色で何となく親近感がわく。
後ろからは牛のようなしっぽがご機嫌な様子で揺れていてかわいい。そんな彼女・フェリお姉さまも6氏族の牛家の姫でフェリシスシア・ニウ。
「私たちにも着飾らせなっ!」
そう姉御肌で言ってきたのはアンお姉さま。獅子のケモ耳に小麦色のショートヘアー。肌は褐色で瞳はブルー。後ろからは獅子のしっぽが見え隠れしている。彼女は6氏族の獅子家の姫シュアン・スーズー。
「ほら。早速脱げ、脱げ~♪」
「いや、ちょっ!?サンドラお姉さま!?」
ノリノリで私を脱がしにかかったのはサンドラお姉さま。ピンク色の髪を頭の高い位置でポニーテールに結い、赤いリボンで束ねた美人。目は緑で顔の左右からは、鳥の羽根のような耳が伸びている。羽根のような耳は上が白で下が金色の絶妙なコントラストを描く。
また屋内では翼は出さないが、本来は背中から翼を出して飛ぶことができる。彼女は6氏族の鳥家の姫アレクサンドラ・ナオ。
「お化粧もしなくちゃね~♡あ、ヘアスタイルはいつものね!かわいいリボンを用意しているのよ?」
と、アオイお姉さままで。
アオイお姉さまは銀色に黒のメッシュが入ったゆるふわミディアムヘア。瞳は漆黒で頭にはユキヒョウ耳、後ろからはユキヒョウしっぽが生えている。
彼女は虎家の姫アオイ・フォウ。
シャーラさまと合わせてこの6名の姫君たちが、ソラノシア連合王国氏族のお姫さま代表である。
そんなお姫さまたちに私は徹底的に着飾らされて、見事にソラノシア姫君風に飾り立てられた。
私はシャーラさまとおそろいのふりふりフリルがあしらわれたかわいらしい着物風な桃色のドレスを着つけてもらった。
「やだっ!やっぱかわいいっ!」
と、テンション上がり過ぎなリリーお姉さま。
「うむ、やっぱルティカも桃色似合うねぇ~」
そう言ってにやりと笑うアンお姉さま。
「ルティカさまと、お揃いっ♡」
そう言って私の腕に抱き着いてくるシャーラさま。
ぃやっぱかわええっ!!せ、世界的に保護すべきじゃないかな、この子を!!
「ほら、リボンはおそろいの、ライラック色にしてみたの!」
フェリお姉さまの言う通り、私とシャーラさまは同じハーフアップツインテールに仕上げられ、お揃いのレース付きライラック色のリボンを結んでもらった。
「さっすが私らの妹だわぁ~」
と、お姉さまは輝かしい笑みを向けてくれる。
「さて、今日の夕餉の仕度はこれで完成ねっ!」
アオイお姉さまを始めとしてお姉さまたちから拍手で歓迎される。うん、やっぱりソラノシアは大家族感があってなんだか落ち着くなぁ~~~。