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大好きなゲーム世界に転生出来たんだから、仲間とのんびり暮らしたい  作者: 廻り
第四章 王都

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165 屋敷の庭

 国王一家がいたおかげですっかり影が薄かったが、今日の巨大鏡餅イベントに俺たちが誘ったのはディデリクさん一家だ。

 昼食を一緒に取ることになっているので、転移ゲートで王都に戻ったあとは俺の屋敷へ直行した。


「うちの庭は夏だから、コートは脱いだ方が良いぞ」

「どういう意味です?季節を変えるアイテムなんて存在するんですか」


 洋介は隣にアメリーヌさんがいるのではっきりとは言わないが、そんなゲーム内アイテムはないし、課金アイテムでも存在しないのは彼も良く知っている。


「部下の手作りというか、まぁ行けばわかるさ」


 そう言いながらコート脱ぐ俺にならって、洋介も脱ぎ始めた。セーラとアメリーヌさんは振袖の上に羽織っている白いふさふさを外した。

 俺は続いて制服の上着も脱ぎ、セーラが刺繍してくれた半そでのシャツになる。


 屋敷に到着して馬車から降りると、照りつける太陽はないのにそこは南国のような暑さになっているが、これが我が家の日常だ。庭が暑いので当然、屋敷内も暖房いらずだ。


「なんですこれ……、本当に暑いですね」


 あまりの気温差に洋介は神妙な顔になっているが、久しぶりすぎて使い方を間違っていませんか洋介くん。


「本当に夏のようね。振袖では暑いわ」

「だよな、セーラたちは屋敷で着替えると良いよ」

「ありがとう、カイト。奥様も到着したら着替えに行きましょう、アメリーヌちゃん」

「はいっ。セーラ様」


 続いてディデリクさんたちが乗っている馬車が到着し、言うまでもなく驚いたような表情で降りてくる。

 ディデリクさんと、奥さん、長男。それから夜会には参加していなかったが双子の五歳児アルベールくんとリリアーヌちゃんもいる。


 これで全員のはずだが、さらに馬車が四台ほど屋敷の門をくぐってきた。


「洋介、あの馬車って……」

「王家の家紋が入っていますね……。カイト殿の予想通りかと……」

「ごめんなさい、カイト。お父様たちがついてきてしまったわ」


 馬車が停止するとずらずらと騎士が降りてきて、国王一家が降りる準備を整えた。


「リアムよ、なんだこの暑さは。それに、なぜ庭で野営をしている……」


 馬車から降りてきた国王は、困惑した表情で疑問を投げかけてくるが、困惑しているのはこちらも同じなんですが。


「俺の部下は野営好きなもので。寒くないように魔石で暖房器具を作ったようです。それより、どうしたんですか?国王自ら貴族の家を訪問するとは」

「そうよ、お父様。突然訪問するなんて、カイトのご家族が驚いてしまうわ」


 セーラは頬を膨らませて怒っている。こうして感情を出せる程度には、親子としてうまくやっているようだ。


「悪かったよ、セシリア。だが、同じ婚約者の家同士でブリルブレイユ家は招かれているのに、我が家が招かれないのは不公平であろう?」


 別に不公平でもなんでもないと思うが。普通、国王を気軽にランチには誘わないだろう。

 だが、国王は俺たちと親睦を深めたいと思ってくれているようだ。

 セーラと洋介の親なので歓迎するに決まっている。


「気が回らなくてすみません、陛下。今日はセーラが餅入りスープを作ってくれるんで、一緒に昼食をいかがですか?」

「そうか、セシリアが。ならば、遠慮なくお邪魔することにしよう」


 親バカなので、セーラの手料理を食べらるのが嬉しいようだ。その気持ちはとてもよくわかる。




 天気も良いので、昼食は外で取ることにした。

 騎士が準備をしている間に、俺は玄関のドアから様子をうかがっていたトム爺とアーリを呼び寄せて皆に紹介した。

 二人はとても恐縮していたが、俺とセーラが結婚したら王家は親戚となる。あまり関わることはないだろうが、一度くらいは挨拶しても良いだろう。


 アーリに、着替えをしたい女性陣を屋敷に案内してもらうと、洋介が俺の隣に来て囁いた。


「あのアーリという娘、カイト殿の性癖を具現化したような子ですね……」

「はあっ?なっ……なにをいっているんだい?洋介くん……、意味がわからないな」

「ケモ耳カフェでしたっけ?あの作品に出てきそうな子ではありませんか」

「ケモ耳さんカフェだ。なぜ、洋介がそれを知っているんだよ……話した記憶がないんだが……」


 同じケモ耳さんカフェ好きのプレイヤーと情報交換はしていたが、二人にはひた隠しにしていたのになぜ知っているんだ。


「姉上が、カイト殿の情報を熱心に集めていましたから」

「セーラも知っているのか。はぁ……もう死にたい」


 よりによって、セーラの耳に入っているとは恥ずかしすぎるんだが。


 しばらくして、女性陣はセーラが提供したらしい夏服に着替えて出てきた。


 正妃と第二妃は着物が気に入ったのか、浴衣姿だ。

 フィーナとアメリーヌさん親子は涼し気なワンピースで、セーラは俺がプレゼントした服を着ている。


 普段は見ない恰好に国王も満足そうだが、俺はそれよりセーラの恰好が気になって仕方ない。


 ――なぜ、たれうさ耳カチューシャをしているんですか、セーラさん。


 完全にアーリを意識したチョイスだ。


 確かにケモ耳萌えな俺だが、ケモ耳ならなんでも良いというわけではない。

 アーリのキツネ耳も可愛いが、俺はうさ耳が好きなんだ。

 これだけは、セーラに伝えなければ。


「セーラ、突然だが俺はうさ耳が好きなんだ。セーラの恰好はいつも可愛いと思っていた」

「ふふ、知っているわ。メイド服は恥ずかしくて着れなかったの。ティファちゃんになりきれなくてごめんなさい……」


 ゲーム内ではもしかして、俺のためにティファちゃんっぽい恰好をしてくれていたのか?

 それは嬉しいが、謝られると性癖を押し付けているようで尚更恥ずかしい。

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