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大好きなゲーム世界に転生出来たんだから、仲間とのんびり暮らしたい  作者: 廻り
第四章 王都

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164 国王一家

 話ついでにもう一つ気になっていたことを聞いてみようと思う。


「ところで、めでたい話に水を差すようで悪いが、サシャとはただの友達だったのか?」


 少なくともサシャのほうは、それ以上に想っているように見えたが。

 エミジャ村を出た夜の、サシャが洋介呼んでいた声が未だに心に残っている。


「彼女にはすでに事情を伝えてありますし、近いうちに婚約するかもしれないことも手紙で伝えてあります。そして彼女が僕を選ぶにあたり、越えなければならないハードルの数々も。それでも僕との結婚を望むのでしたら、全力でサポートするつもりですよ」


 サシャは平民だ。

 その彼女が王子と結婚するとなれば、大きなハードルが立ちはだかるだろう。標準語も満足に話せないサシャには辛いことばかりかもしれないな。

 彼女はどのような決断を下すのだろうか。


「サシャは俺の領民でもあるからな。真剣に考えてくれてありがとう。サシャが洋介を選んだ時には俺も微力ながら協力させてもらうよ。だが、アメリーヌさんは納得しているのか?貴族や王族は一夫多妻制が普通のようだが、アメリーヌさんは平民生まれだろう」


 平民は一夫多妻制ではないらしいので、平民の家に生まれたアメリーヌさんやサシャには受け入れられないんじゃないだろうか。

 セーラが思い悩んでいるのを見たばかりなので、尚更そう思ってしまう。


「貴族は三人まで妻を娶れますが、王族は三人娶るのが義務なんです。この国の人間なら誰でも知っていますし、彼女もそれを承知で僕を受け入れてくれました」

「そうか、俺が心配するまでもなかったんだな」

「気にかけてくれるのはありがたいですよ。これからは悩みができたときには、お先に結婚するカイト殿に相談させていただきたいと思います」

「あぁ……、いつでも相談してくれ」


 俺は結婚したあとも、自分のほうが洋介に相談を持ち掛けている未来しか見えないんだが。


 しっかり者の未来の弟よ。これからもヘタレな俺を助けてくれるとありがたい。




 その日の夜会で、洋介とアメリーヌさんの婚約が発表された。

 男爵になったばかりの家の娘が、いきなり王子の婚約者となったので貴族は大騒ぎとなった。


 ディデリクさん家族の元には、繋ぎを持ちたい貴族がわんさか押し寄せていて、とてもじゃないが今日は話しかけられそうにない。


 確かディデリクさんの長男も未婚だったはずだ。

 アメリーヌさんの兄なだけあり、彼もなかなかのイケメンだ。これからさぞ忙しくなるんだろうな。


 早くも貴族令嬢の間での俺ブームが、衰退の予感。

 そのほうが、俺としてはありがたいが。






 巨大鏡餅イベントは今日で最終日だ。

 初日に参加した冒険者が町中に触れ回ったのか、昨日からは平民の人数が一気に増え、今日はさらにすごいことになっている。


「これでは全員が攻撃をするスペースを確保できないな。どうする、リアムよ」


 ちゃっかり国宝の剣を携えた国王が、俺にそう尋ねてくる。

 国王の後ろには正妃と第二妃、第二王女フィーナまでもが、セーラから借りたらしい着物をまとい武器を手に、参加の意思を見せている。

 その周りを幼い第三王女と第四王女が、セーラがプレゼントしたらしいスライムヨーヨーを振り回して遊んでいて、完全にお祭り気分だ。


 ちなみに俺たちが誘ったわけではない。ここに到着したときにはすでに騎士団に囲まれて国王一家はくつろいでいた。


「このモンスターは各転移ゲート前に出没するんです。平民だと通行料がかかるんで、俺たちがほかのゲートに移動しましょうか」


 転移ゲートの通行料は意外と高いので、平民はよほどの緊急時でなければ使用しない。

 騎士団は職務上必要なので、無料となっている。国王にはわるいが俺たちが移動するほうが経済的だ。


 国王は割と話がわかるので、こころよくうなずいてくれた。


「そうだな、これも国民のランクを底上げするためだ。その旨を伝え、騎士団は速やかに転移ゲートで移動せよ」

「はっ!」


 そう指示された騎士団長は集まった平民に対して、騎士団がいなくても倒せると安心をさせてから騎士団を移動させた。


 国王はそれから、移動先にある街の住民にも声をかけよと指示を出し、騎士団は慌てて馬で街中に呼びかけて冒険者が何人か集まった。

 突然、国王に呼びつけられた冒険者たちは、なにがなんだかわからない様子でおろおろしている。


「今からここにモンスターが降ってくるんだ。経験値をたくさん稼げるので一緒に参加しないか?」

「もしかして、あの白いやつですか?毎年現れる……」

「俺のじっちゃんが、毎年この時期になると言うんです。昔はそれを皆で倒したって。本当だったんですね」


 どうやら昔を覚えている人が存在していたらしい。

 やはり、昔は人気のモンスターだったようだ。


 冒険者に大まかな流れを説明し終わるころには、ちょうどモンスターが現れる時刻となった。


 唯一危険であるモンスターの着地を回避するため、俺と洋介は第三王女と第四王女を一人ずつ抱き上げてジャンプした。


「きゃー!」

「おっきいわ~!」


 ほかの王族も事前に説明を受けたようなので、今回は誰も負傷者は出なかったようだ。


 セーラは妹たちを喜ばせるために、スライムの杖を取り出した。


「セシリアおおねえさま、かっこいいわ!」

「私も将来、セシリアお姉様みたいになりたいわ!」

「ふふ、楽しみにしているわね」


 スライムの杖は単なるセーラのコレクションになるのだと思っていたが、意外と出番の多い武器だ。


 途中で噴出するミカンも、幼い王女たちは大喜びで拾っている。来年はぜひともレオくんたちにも体験させてやりたい。


 三日目ともなるとすっかり手馴れた様子で、騎士団は巨大鏡餅を倒した。


「勇敢なる騎士と冒険者の諸君よ!よくぞ巨大鏡餅を打ち滅ぼしてくれた!其方らがいればこの国の未来は明るいぞ!」


 国宝の剣を天に振り上げた国王が満足そうに参加者を見回すと、騎士や冒険者は大いに盛り上がった。

 動かないモンスター相手に、まるで強敵でも倒したかのような雰囲気だ。


「リアムよ、モンスターとの闘いは思いのほか楽しいものだな。また機会があれば誘ってくれ。私も微力ながら、この国の戦力となろうではないか」

「あ……はい、喜んで」


 俺たちが誘ったわけではないが、満足してくれたようでなによりだ。


 国王は貴族生まれの騎士よりよほど、やる気があるように見える。

 エミジャ村の転移ゲートが完成したら、スライム狩りにでも誘ってみるか。




こちらも連載を再開しましたので、よろしければお読みいただけると嬉しいです!


魔力が電力的な使われ方をしている世界に召喚された女子高生は、発電機となって領主の孫に溺愛される

https://ncode.syosetu.com/n0168gm/


女性向けの恋愛ものですが、王として召喚された女子高生が、国を改革したり魔法をぶっ放すお話です。

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