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大好きなゲーム世界に転生出来たんだから、仲間とのんびり暮らしたい  作者: 廻り
第三章 エミジャ村の秋

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123 子供たちとダンジョン探検

 村へ着いた俺たちは、冒険の仲間を探しに出た。


「おっ、いたいた。おーい!レオくん、ジェシーちゃん!」


 二人は放牧地の柵の前で遊んでいた。


「あのこたちですか?」

「おんなのこもいるわ」

「あぁ。村には子供が二人しかいないんだ。一緒に遊んでやってくれないか?」

「ぱーてぃーは、おおいほうがよいです!」

「けいけんちはへるけど、あんぜんだわ!」


 冒険者登録しているディデリクさんの子供だからだろうか、妙に詳しい。


「カイトさまたちだ!」

「わたしたちに、なにかご用かしら?」

「これからこの子たちとダンジョンへ行くんだが、二人も一緒に行かないか?ララさんとカーラさんには許可を取ってあるんだ」


 来る途中の空き家で作業をしていた二人の母親には、こころよく了承してもらった。

 それを聞いた二人は、喜んで仲間に入ってくれた。


「さて、時間的にあまりのんびりもしていられないな。ダンジョンまではリヤカーで皆を運ぶとするか」


 子供の足に合わせていると日が暮れてしまいそうだ。

 ポーチからリヤカーを取り出すと、四人をそこに乗せた。


「セーラも乗れそうだな。全速力で行くからたまにヒールをかけてくれないか?」

「……わかったわ。この子たちが落ちないように見ている必要もあるわよね」


 セーラはリヤカーに乗るのが恥ずかしかったのか、自分が納得できる理由をつけながらリヤカーに乗り込んだ。


「揺れるから、皆しっかりつかまってくれよ」


 皆うなずくと、リヤカーの木枠につかまった。


「よーし!一直線にダンジョンまで向かうぞ!」


 俺がリヤカーを引きながら走り出すと、子供たちから歓声が上がった。

 広場へ向かい商店街を駆け抜け村を出ると、ダンジョンへの山道に入った。


 東屋がある辺りを抜け、ゆるい上り坂を全速力で進んで行くと、スライムが現れた。


 悪いが、相手をしている暇はない。

 勢いよく蹴り飛ばすと、子供たちのテンションが上がった。


 近寄ってくるスライムを次々と蹴り飛ばしながら、リヤカーを進ませた。

 ダンジョンに近づくにつれて、道は細くなり木の根がむき出しの場所が増えてくる。

 とてもじゃないがリヤカーでは進めないので、俺はさりげなくリヤカーを持ちあげてそのまま全速力で駆け上がった。


 ダンジョンへ到着しこっそりリヤカーを地面に下ろすと、子供たちはぴょんぴょん飛び跳ねながらリヤカーから降りた。

 初めてのダンジョンにテンションマックスの子供たちを連れてダンジョン前広場に入ると、いつもと変わらずそこはがらんと広く、なにもない。


 注意事項を述べてから武器をポーチから取り出すと、セーラも杖をシンプルな棒からスライムの杖に交換した。


「わぁ!おっきいスライムヨーヨーだわ!」

「ろてんに、かざられていたものですね!」


 双子は歓声を上げたが、レオくんとジェシーちゃんは普通にしているところを見ると、すでに二人には見せたようだ。


「ふふ、今日はこれでがんばりましょうね」


 セーラがスライムの杖を前に突きだすと、子供たちも持っていたスライムヨーヨーを突きだした。

 そして、全員が俺を見る。


 ――えっ……俺もやるんですか?


 ここでしらけムードになるのも困るので、恥ずかしいが俺もスライムヨーヨーを取り出した。


「……よし!ダンジョンクリア目指して、がんばるぞ!」

「おー!!!!!」


 振り上げられたスライムヨーヨーについているぬいぐるみが、子供たちの感情を表すようにぴょこぴょこ跳びはねた。




 ダンジョン内では主に俺がスライムを倒していく。

 どれだけランクが上がろうとも、倒す速度が変わらないのが槍使いの辛いところ。


 だが、見ているほうは臨場感があって楽しかったようだ。

 たまに残った一匹を、一緒に槍を掴ませて倒させてやるととても喜んでいた。


 楽しく進めながら、あっという間にボスの部屋だ。


「カイトおにいさま、あれなぁに?」

「あれが巨大スライムだよ」

「ぼくたちがおまつりでみたのと、ちがいます」

「あれは、寝ているんだ」


 村へ帰って来てから、移住者の準備などで忙しくしばらく来ていなかったが、これは好都合だ。

 怖くないからと、皆を巨大スライムの元へ連れて行く。


「すぐには起きないから触ってもいいぞ」


 そう言うと四人は、きゃっきゃいいながら巨大スライムを触り始めた。


 その間に、セーラは俺に耳打ちをした。

 セーラの提案に俺はうなずく。


「それじゃぁ、皆で倒そうか」

「ぼくたちもですか?」

「あぁ、とどめは俺も刺すから途中まで手伝ってくれ」

「ここから、ぼくたちの、ゆうしゃでんせつが……」

「わたしたちの、ひめたるちからが、めざめてしまうわ」


 この双子、妙にRPGっぽいな。誰の影響なんだろう。


「レオくんとジェシーちゃんも手伝ってくれるか?」

「うん!ぼく、がんばる!」

「わたしもがんばるわ!」


 村の子供は素朴で素直だ。


 四人はスライムヨーヨーを武器に、巨大スライムを攻撃し始めた。

 初めはびくともしなかった巨大スライムだったが、次第に体が揺れ始める。


「やっと、だいにけいたい。なかなかのきょうてきだ!」

「ちょうきせんは、ぼすのだいごみね!」

「えい!えい!」

「なかなか倒せないわね!」


 揺れが大きくなるにつれて、伸びていた体が徐々に元の形へ戻っていく。

 レオくんは巨大スライムを見たことがないので、その大きさに怯みはじめた。


「ぼっ……ぼく、こわい……」

「ひるむな!ここをとっぱしないと、あすはやってこないぞ!」

「うっ、うん……」


 アルベールくんに活を入れられたレオくんは、再び攻撃を再開する。

 いつの間にか、世界の運命を握る戦いになっていたようだ。


 完全な形に戻った巨大スライムは、跳びはねるために体を大きく沈ませた。


「とどめだ!行くぞ!」


 俺の合図で五人同時に攻撃すると、俺の槍が巨大スライムの皮を突き破った。

 中身がどろっと流れ出て、巨大スライムは見る見るうちに皮だけになった。


「わー!たおせたよ!」

「すごいわ!わたしたち!」

「アルベールは、レベルがあがった!」

「リリアーヌは、レベルがあがった!」


 セーラが考えた余興は、思いのほか喜んでもらえたようだ。

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