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大好きなゲーム世界に転生出来たんだから、仲間とのんびり暮らしたい  作者: 廻り
第三章 エミジャ村の秋

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115 今後の対策と乗馬

 洋介は少しの間だけ頭を抱えて苦しんだが、やがて息を整えながら俺に視線を向けた。


「まぁ……、っという訳だ」

「……雑すぎませんか、カイト殿?」

「口で説明するより、確実だろう?」

「まぁ、確かにそうですけど……。お二人はどうやって記憶を取り戻したんですか?」

「私は三十日間眠っていた間に夢として出てきたわ」

「俺は、洋介みたくセーラに呼ばれて記憶が戻ったんだ。俺は意識を失ったが洋介は大丈夫だったな」

「っということは、僕が一番苦しんだのでは?」

「体は大丈夫?ヒールは必要かしら?」

「ありがとうございます、姉上。もう落ちついたので大丈夫です」


 洋介は力を抜くように息を吐きながら、ソファーの背もたれに寄りかかった。


「それにしても、厄介なことになってしまいましたね……」

「そうなんだよ。俺たちはこれから、村で引きこもり生活になりそうだ」

「当面の難関は徴税でしょうか」

「徴税はディデリクさんが来るって言っていたよな。何か問題があるのか?」

「フェルナンドの記憶によると、徴税は領主の代理が徴税員としてきますが、それに同行する神聖魔法使いがいるようです」

「結界のかけ直しをするのね」


 セーラが言った結界とは、イーサ町でモンスターが襲撃してきた時に町を守っていた結界のことだ。

 リアムの記憶によると、人が密集して住む場所は大抵結界でモンスターから守られているらしい。

 冒険者生活が長かったリアムは知らなかったようだが、そのかけ直しを年に一度の徴税時におこなっていたようだ。


「なるほど。つまり税金を払わなければ、結界もかけ直してもらえないと」

「そのようですね。とても効率的な徴税方法です」

「そういう理由で神聖魔法使いが来るのはわかったが、それと俺たちにどう関係あるんだ?」

「結界をかけられるほどの神聖魔法使いですよ。爵位があるに決まっています」


 この国の高ランク冒険者は国に召集され、騎士団に入って爵位を与えられている。

 それと同じように所属がどこであれ、高ランクは爵位を与えられているようだ。


「貴族はまずいな。俺はともかく、セーラと洋介はすぐにバレるよな」

「リアム殿は自覚がないだけで、相当の有名人ですよ」

「そうなのか……。リアムは自分の隊以外の貴族をあまり知らないようだが」

「そうでしょうね。フェルナンドも、リアム殿にモブ扱いされていたようです」

「なんか、ごめん……」


 確かに、リアムがはっきりとフェルナンドを認識したのは、駆け落ち話の時だったようだ。


 リアムはマミーの性格を受け継ぎすぎて、残念な面があるんだよな。

 彼ら流にいうと『図太い』性格のため、興味のない事にはとことん無関心だったようだ。


「リアムがオッドアイだと知っているのはセシリアとフェルナンドだけだし、少し髪型を変えたらバレないんじゃないか?」

「カイトならどんな髪型も似合うと思うわ。あとで一緒に考えましょ」

「あぁ、頼むよセーラ」

「問題は僕と姉上ですね。どこかに隠れているのが無難ですが、ディデリクさんの娘さんとお会いする約束もしていますし……」

「いつもはどんな感じなのか、村長に聞いてみようか」


 俺たちは昼食後、村長の家へ行くことにした。




 屋敷から外に出ると、そこには二頭の馬が準備されていた。


「洋介、これは?」

「最近は村まで馬を使っていたんですよ。一度使いだすと、十分も歩くのが面倒で」

「それは確かに便利だな。鞍はどうしたんだ?ゲーム内アイテムには無かったよな」

「村に古い鞍があったので、それを参考にセバス殿に作ってもらいました」

「へぇ。全ての生産スキルがSランクなら、なんでも作れるんだな」

「カイト殿のほうは二人乗り用の鞍にしておきましたので、ご安心ください」

「ご丁寧にどうも……」


 リアムは馬の扱いには慣れていたようなので、今なら俺でも扱えそうだ。


「セーラ、俺と一緒でいいか?」

「うん!カイトと一緒がいいわ」


 なぜか、とてもきらきらした瞳でセーラはそう答えた。

 洋介の馬では、また恐怖することになるだろうし当たり前か。


 俺が先に乗ってから、セーラを引き上げた。

 彼女はスカートをはいているから、横向きに乗るしかないようだ。


「危ないから、しっかり掴まってくれ」


 俺も記憶では扱えることになっているが、多少は慣れる必要があるだろう。


 セーラは頷くと、俺に抱きついた。


「ひぃっ……!?」

「どうしたの?カイト」


 驚いて変な声を上げてしまった俺の顔を、セーラは不思議そうに上目遣いで覗き込む。

 至近距離で可愛さが爆発している。


「あ……いや、なんでもない。行こうか」


 そうだよな。掴まるのに最適なのは俺の胴に決まっている。


 馬車の時とは違い、俺の腕の中にすっぽり収まった状態で抱きついてるセーラに対して、嬉しさと恥ずかしさといろいろな感情が混ざりながら村へと向かった。

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