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第17話 たまには違う食べ物も


さて、ドラゴンを倒した夜、私はしゃぶしゃぶをしていた。意外とポン酢おろしもありだった。明日はハンバーグにしよう。


「ねえ。ドラゴンの数減ってるって言ったじゃん。どうしようか。オーク狩りに行く?美味しいらしいし。ミノタウロスもいたら食べようか」

私はまた肉の話をする。


「そうだなぁ。肉もいいけどたまには魚食いたい。本音。あと山菜とか?」

ロックさんが言った。確かにドラゴン肉食べ過ぎかもしれない。体重計に乗るのが少し怖いわ。


「そうね。山菜食べたいわ。明日山菜取りに行きましょう。でもシーズン終わってそうかも」

ミルトニアも同意する。


「秋だもんね。魚か松茸かその辺が良いわね」

私もその辺が食べたいかも。という事で、ドラゴンのハンバーグは作ってロックさんが氷魔法で凍らせて冷凍保存している。


という事で、私達は海を渡っている。凄く気持ち悪い。グラグラ揺れて頭がグルグルする。


「ごめんなさい。私昔から船苦手なの。乗ってから思い出したけど。うーん。吐きそう」

私はグルグルグラグラする景色を見ながらいった。


「しっかりしなさい。最強聖女は船に弱いってタイトルの奴出てしまいそうじゃん」

ミルトニアの口調がまたブレている。やっぱり焦らせてるんだなぁ。


「そうだな。酔い止めの精霊召喚するか」

ロックさんが事もなげに言った。


「えっ?そんな精霊いるの?」

私は驚いて言った。


「氷の精霊に命令して水を凍らせてそのうえを水平に等速直線運動させる術式を使う。で、船移動の時は常にそうする術式を組まなきゃだから成功率は決して高くないけどまあいけるでしょ。ドラゴンの肉は完璧に焼けるし」

ロックさんはそういうと術式を組みはじめた。ちなみに鎧に向けて掛けている。


「おっし。できたぞ。ユリどうだ、気分は?」

ロックさんが言った。これは凄い。流石ドラゴンのからあげ職人。


「凄い。全然グラグラしない。これなら大丈夫」

私は驚いた。まぁ、ドラゴンのからあげの火加減を常に同じにしていつも最高のクオリティのからあげを作れるロックさんなら当然かもしれない。


さて、日も沈んで来たので酒盛りが始まった。


ロックさんも楽しそうに飲んでいる。ミルトニアは刺身を美味しそうに食べている。


私も刺身を食べている。やっぱりすだち最高。醤油と刺身とすだち離せないね。ちなみにツマとパセリも美味しい。あと、シソ。これも外せない。ちなみにツマとはあの細切りの大根のやつ、ケンとワカメ達海藻類、ツマとわさび達のカラミの総称だ。


特に私はケンが好き。


「私、ケンが好き」

私が言うと一同は焦り出した。


「ケンって誰だ?」

みんな焦ってる。


「大根のやつだよ」

私が言うと安堵(あんど)したようだ。


「あぁ。そのケンか」

みんな良かったって思ったのだろう。


「もちろんエクスカリバーの剣も好きだけど、それにしてもやっぱりツマは美味しいなあ」

私がそういうと漁師さんは喜んで言った。


「おう。嬢ちゃんツマの旨さがわかるのか。いつか、妻のうまさも知るのかねぇ」

漁師さんが軽く下ネタっぽいことを言っているのかもしれないが、それほどいやらしく聞こえない。


「妻のうまさはどうなんでしょう。私奥さん側なので。でも大根のケンとワカメとかのツマとカラミの総称のツマは美味しいですね。飲めるようになったら冷酒で行きたいなぁ」

私も本心からそう言った。


「二十歳まであと何年かあるのか。まあ。飲める日が来ればみんなでまた酒盛りしようや」

漁師さんは残念そうだったが、いつかの酒盛りを楽しみにしているようだった。


「あ、そういえば、この緑のやつなんて言うんですか?」

私は気になった事は聞かずにいられないのだ。


「あぁ。それはバランだな。バランのバランスもいいねぇ」

漁師さんが言った。テヘペロとか言いそうな口ぶりで。


「親父ギャグかよ。しかもバランのバランスってなんだよ。それだったらまだバランだとバラすのは良くないなとかの方がよくない?」

ロックさんがツッコんだ。漁師さんはめっちゃ笑っている。


「それいいね。次の客にはそれ使おう」

漁師さんはそう決心したように言った。

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