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第14話 ミズタウン


水の都ミズタウン。全体的に白で統一されたこの街は今最先端の街だ。流行の白の服とか、紺のマントとかの流行を先取りしているのだ。


ちなみに私は黒光りする鎧から頭、脚装備、さらに剣に、メガネに至るまで呪われた装備だ。ちなみに、その上に白い聖女の服を羽織っている。なかなかに変かもしれない。


「あら、見て、真っ黒な装備の人が来たわ。騎士様、魔物が最近発生し始めたんです。この街を救ってください」

割と良い格好をしたおばさんがすがりつく様に言った。多分騎士って私でしょ?良いよ、もう。


街に行くたびに黒騎士様だったり、神のブラックナイトだったり、ホーリーブラックサイレンスとか呼ばれたりするの飽きたのでスルーした。聖なる黒の静寂ってなんだよ。神の黒き騎士はまだ良いけども。


「あ、はい。わかりました。被害が出ない様に街の外でやりますね。私のスキルは威力がえげつないので」


私が言った。すると、みんな一気に避難した。


で、魔物の数がどれくらいなのだろうと考えながら街の外に出ると、ゆうに500はいそうな数だった。


何か有用なスキルないかしら。物理で吹っ飛ばしても良いんだけど。すると見慣れないものがあった。


コンプリートカースドアーマーズ


能力 全ての呪いの装備を集めた者に付与されるスキル。任意で一時的に呪いを解除できる。


私は口走っていた。


「コンプリートカースドアーマーズ」

すると目の前にスクリーンみたいなものが現れ、消したいものを選べる様になった。


もちろん魔法の威力軽減系を全て解除した。そして、大得意の魔法ライトニングを使った。


もちろんこれで200は減った。でもやっぱり物理だわ。解除したもののチェックを外し、元のまま物理で吹っ飛ばす事にした。


いろいろ混ざっていたが、今はほとんどゴブリンだけだ。全て、一撃で葬られていく。本当は魔物にも生活があるだろうと思うけど、人間が困っているならゴメンナサイって思いながら吹っ飛ばしている。


結果、敵は全滅したが、だいぶ奥にあった森林に倒木がたくさんになってしまった。今度からやめよう。ちなみにロックさんも戦っていた。更に姫も。姫はライトニングが得意なようだ。


「やっぱり、ライトニングいいわよね。久々に使ってみていいと思ったわ。今度から時々魔法使うかも」

私が言った。やっぱりライトニング神だわ。


「えっ?呪われた装備で使えないんじゃないの?」

姫が驚いている。ちなみにロックさんはドラゴンの肉を揚げている。唐揚げだ。


「任意で解除できる様になってしまった。コンプリート報酬みたいな感じかな?」

私が事も無げにいうと姫は諦めたようだ。


「それはユリクオリティ。もう、うん。知ってた。やっぱりそうなりますよね」

姫は達観したように言った。


「で、私回復職なのにひたすら騎士と言われる件」

文句も出てしまうよね。ずっと騎士って言われるもの。


「あー。まあ、仕方ないんじゃない?鎧とか着て重々しい格好した聖女なんて歴史書で見ないでしょ?」

姫が当たり前のことを言う。そりゃそうだよなぁ。


「まぁ。そうなんだよね。あー。普通の聖女っていいな。でも、やっぱり聖女たるもの物理で殴らないと。主に面白さ的に」

私は面白さを求めているのだ。


「あなた回復できるの?」

姫がいきなり言ってきた。


「やってみせましょう」

そうして、姫を回復させ、ついでにロックさんにもかけておいた。


「うわぁぁぁぁ。体力5倍になってるーーーー‼︎」

姫が驚きすぎて変な口調になっている。少なくとも、普段の口調から想像はできない。


「うおぉぉぉ。体力5倍ーーーー‼︎」

ロックも驚いている。本当に?って思ったので、私もやってみた。


「うわぁぁぁぁ。エエェェェ‼︎体力5倍ーーーー‼︎うおぉぉぉ‼︎」

私も変になった。いや、想像できないでしょ。つまり防御力が五万なわけで。ほとんど食らわないっと。


回復でオーバーに回復するのは起こり得るとして、体力が5倍に増えるのは聞いてない。脚装備に回復量5倍はあったけど、これは知らない。 


もういいや。


「イェーーーーイ。唐揚げ」

お腹が空いたのでテンションが謎だ。


「はいよ。ほれ。食べな」

ロックが言った。


「いただきまーす」

私はドラゴン肉にかぶりついていた。


さっきの戦いが前哨戦に過ぎないことをまだ私は知らない。

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