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黒竜は異世界に帰る  作者: 夢見シン
第二章
45/62

調査団の初仕事

 遅めの暑中お見舞い申し上げます。


 夢見も暑い中、色々と必死です。


 そしてアキト達も必死なのです。

 朝陽が世界を照らし始め、一日の目覚めが天よりもたらされつつも世に生きる者の半分は未だ夢の中な、そんな時間帯。


 ダイダラ霊山調査団の朝は、【スフィア】に於ける世間一般と比べて早いといった所だ。


 ベースキャンプ内の食堂はハンター達に振る舞う朝食の仕込みに忙しく、武具屋は朝一で前日から整備に出した装備を受け取りに来店したハンターでごった返している。


 これだけなら大半の街で見られる光景だろうが、ただの街では確実に惰眠を貪る輩――ハンター含む――も居る筈なのに、ここにはそういう者は皆無である。


 故に”早い”という訳で、では店の者や店の厄介になる者以外が早起きして何をしているかと言えば、


「はぁっ!」

「セイヤァっ!」

「ふんっ!」

「ゼアァっ!」


 殆どが早朝の修練に励んでいるからだ。ここまで勤勉なハンター達がここ以外に居ない訳ではないが、世間一般では少数である事は否めない。


 そういった者達は大概がその地域で名を馳せるハンターであり、それはこの場に集ったハンター達が如何に優秀であるかを物語っていた。


 隊舎前に整備された修練場ではいたる所で多くのハンター達が様々な修練に勤しんでおり、その中には当然と言うか必然と言うか華蓮の姿もあった。


「せぇええいっ‼」

「よっと……うん、悪くねぇぞ藤林。ドンドン来い」


 日課の基礎修練は既に終えており、只今締めの模擬戦の真っ最中。その相手をしているのはアキトだ。怒涛の勢いで繰り出される華蓮の攻撃を、口調から分かる通り難無く捌く彼の顔には汗一つ浮いていなかった。対照的に華蓮はとっくに滝のような汗を流している。


 ついでに共に修練に励む者が一人……守だった。こちらもアキトと対照的に、今にも崩れ落ちそうな程に疲労困憊だった。寝不足に疲労でいっぱいいっぱいなのが誰の目からも明らかだ。


「なん……で、俺っちまで……こんな事に……付き合わにゃ、ならんのよ? ……も……う、無理――」


 そして沈んだ。前のめりに倒れ、うつ伏せの状態で荒い息が腹部を上下させる以外で微動だにできていない……ほぼ屍だった。華蓮が無駄と悟りつつ叱責を飛ばす。


「こら守っ! 連携の訓練でもあるんだから寝るな‼」

「いやいや無茶言ってやるなよ藤林。ただでさえ朝早いのに、今のお前の全力に最後までついて来れる奴なんてそうそう居ねぇよ」

「そう言うあんたは何で逆に余裕なのよ!? 私がこんなに必死なのに!?」

「ん? そりゃ言うまでも無くお前の攻めがぬるいからだが」

「絶対シバく‼ せめて一発叩き込む‼ ”瞬影”っ‼」


 そんな華蓮を窘めるアキトに剣姫様は即座に八つ当たる。同時に元黒竜が挑発した所為で攻撃がより苛烈になったのは御愛嬌だ。華蓮が得意の強化魔法”瞬影”をよりにもよって詠唱破棄で発動し、反射速度と瞬発力を高めた事で最早常人では視認するのも困難になった剣閃がアキトに迫る。


 因みに二人共使用しているのは真剣だったりする。アキトはギャレリア帝国から支給されたミスリル短剣を、華蓮は美矢によって新たに製作された身の丈もある片刃大剣を振り回していた。


 華蓮はそれを『叩き込む』と豪語しているが、これで叩き込まれたら普通に致命傷である。なのに容赦無く攻める華蓮と、それを真っ向から受けるアキトはとっくに周囲から注目の的となっていた。


 片や大剣を暴風のように振り回しつつも力任せでなく洗練された剣技を魅せる少女。一方はそんな絶技を短剣片手にあしらう少年。しかも両者刃引きしていない真剣でのやり取り。


 実力者から見ても修練の域を超えた応酬に、周囲のハンター達は自身の修練を止めて魅入っていた。そんな中で端から見て決闘と言われても差し支えない打ち合いにも終わりが訪れる。


 疾風荒れ狂う剣閃の中、その言葉は華蓮の脳内へ自然と響き渡った。


「そうやって感情的になると斬撃が単調になる。そうなると……ほら」


 弟子の悪癖を的確に指摘する師匠の如く、アキトは華蓮が放つ連撃の一手である横薙ぎを引き身で以て切っ先が軽く触れる程の紙一重で回避すると、大剣の峰に沿うように距離を詰め一瞬で華蓮の背後に回った。


 攻め手を完全に見切られた上での返し。華蓮も瞬時にアキトの軌跡を目で追う……が、振り向いた先にアキトの姿は無く、気付いた時には華蓮の首筋にアキトの短剣が突きつけられていた。それは背後を向いた華蓮の更に背面……つまりアキトは華蓮の死角に回り込み元居た場所に戻っていたのだ。


 見守っていた周囲からは「おぉぅ」と静かでいて広く空間に伝搬する感嘆の声が響く。それとは別に、熱い筈の汗が瞬時に冷え切った華蓮の耳にはっきりと聞こえる声があった。


「……一本、それまで……だな」


 アキトからの労いを含んだ締めの言葉に、華蓮は途端に止めていた息を勢い良く吐き出す。同時に強張った体から力も抜くと、清々しいような苦々しいような複雑な表情をアキトに向けると渋々一言を返した。


「……参りました」


 直後に歓声が爆発した。


 滅多にお目に掛かれないレベルの勝負を観戦できた歴戦の勇士達から、当人であるアキトと華蓮に惜しみの無い賛辞が次々と贈られる。


 修練場を訪れていたハンターは多く、そんな大勢に揉みくちゃにされた二人がその場を足早に立ち去ったのは言うまでも無い。そして……、


「……だ、誰か……たしゅけて…………。み……みじゅ…………」


 その所為で忘れられた守が、暫くしてからようやく思い出したアキトらに救助されるまでに、疲労困憊の脱水症状寸前に追い込まれていたのはお約束であった。


 ====================


「死角に回った敵を素直に目で追うんじゃない。そんな事してもその場所に敵は既に居ない。そういう時は相手の動きを先読みするんだ」

「言ってる事は理解できるけど、それって凄く難しいわよ」


 所変わって場所は食堂。


 早朝の修練を終えて汗を流し、身支度を整えたアキト、華蓮に守は残りのメンバーと合流して遅めの朝食を取っていた。


 そこでは食事しながら今朝の模擬戦の反省会を実施しており、アキトの助言に華蓮は納得しつつもその難易度に反論せずには居られない。しかし指導そのものは真面目に聞いている所が華蓮らしい。


 今朝の修練には”別の目的”もあったが、こういった修練自体はパーティでは日常的に行われていた。アキトと華蓮の修練は特に。


 最初の方は真剣など使わずに木剣を用いていたのだが、それでは二人の筋力に耐え切れなかった為に早い段階で真剣を使うようになった。その際に華蓮は流石に危険だと訴えたが、


『心配するな。俺は絶対に藤林に怪我させないし、藤林がどんだけ本気になっても俺には掠り傷一つ負わせられねぇよ』


 安心させたい気持ち三割、ただの挑発七割なアキトの一言で華蓮は即座に心配な純情な感情を空回す事無くドブに捨てた。しかし実際の所、模擬戦で華蓮はアキトに全戦全敗に加えて、最初の宣言通り掠り傷はおろか攻撃が掠りもしていないので何とも言えない。


 そんな二人以外は黙々と食事に没頭していた。なぜなら、その模擬戦が原因で食堂に居合わせたハンター達から質問攻めに遭い、食事時間が遅れてしまっていたからだ。


 だと言うのに、当の二人は未だに話題となった修練についてあーだこーだと意見を交わしており、正直他の面子は呆れ気味であった。


 ただ注目を集めている事自体はアキト達にとっては望ましい状況である。それが所謂”別の目的”で、ハンターの業界は良くも悪くも実力主義であり、どこかで実力を見せつけて周囲に侮られないよう立ち振る舞わなければならなかったのだ。


 侮られて迷惑を被るという愚は二度と犯すまい……と、以前の出来事を反省した故の指針なのでそれ自体に文句はないが、その結果違った迷惑を被った事について少々やり過ぎたのではないかと愚痴りたくなるのは別の話だった。


「まぐまぐ……放置されるって、むぐもぐ……酷くない? 流石に温厚な俺っちでも……ズルズル、これはキレて良いっしょ」

「悪かった悪かったって、いやさ……俺達も周りの予想以上の剣幕にテンパっちゃってさ」

「そうそう。それに、気付くのが遅れたのもわざとじゃないし、いつまでも寝てたあんたも悪いって事でね」

「まぐぐぐぐもぐ……好きで寝てた訳じゃねぇよ! ガツアグ……大体、お前らの化け物じみた体力に今の……ガフガフごくん、俺っちがついて行ける訳ねぇじゃん!」


 特にその所為で一時置き去りにされた守の憤りが激しい。流石にバツが悪いのか、アキトと華蓮が反省会を中断して素直に反省の意を示すも、守の腹の虫は治まらない。


 加えて空腹の虫も自己主張が激しいらしく、守は抗議しながら怒涛の勢いで料理を掻き込み体力の回復を図っていた。余談だが怒鳴りつつ食材の一欠片すら口外に溢していない様子は地味に達人級である。


 ただし、実質は兎も角やはり見た目の行儀が悪いので愛奈が守を窘めた。


「立石君、気持ちは分かるけど幾ら何でも行儀が悪いよ。食べるか話すかどっちかにしようよ」

「もぐもぐガツガフむがむぐもが……ごくん。まぐぐぐもぐガツガツガツ」

「食べる方を選ぶか……それでこそ守だね」

「いやケンちゃん感心するとことちゃうやろ。……ちゅーか、ぶっ倒れるまでバテた後でよう食えるな。吐くんちゃうの?」


 躊躇無く食事を選んだ守に愛奈が意地汚さを呆れるべきか、そこまで消耗していた事実に同情すべきかで複雑な面持ちになれば、賢司が思った通りの親友の行動に感心し、それに対して美矢がツッコミを入れた。アキトと華蓮は守の意識が食事に向いたお陰で再び修練講義に復帰できたので胸を撫で下ろす。


 十人十色……ではなく、六人六色ないつもの光景だった。


 閑話休題それはおいておいて


 実は守が先程アキトと華蓮に漏らした”化け物じみた体力”は決して憤った末の誇張ではなくマジである。それはアキトは勿論、華蓮についてもその通りなのだ。


 現在の華蓮のステータスがどうなっているかと言うと、以下のような数値が【パーソナルダイト】に表示されていた。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 藤林 華蓮  17歳  女


 体力  :4400

 精神力 :3600

 魔力  :1600

 変換効率:40.0%

 魔法適正:地E 水C 火B 風B 光A 闇D

 魔法技能:魔刀剣術、強化魔法

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 体力、精神力共に当初の二倍となっていた。理由は言わずもがなレイアの分霊を宿した影響。愛奈と比べて増幅倍率が低い理由、及び精神力に偏りがあった愛奈と違い体力、精神力が同等の倍率となっている理由は不明であった。


 それは当人達の素養の差なのか、それともレイアが想定していた通り愛奈と比べて一ヶ月という短期間で影響が出た所為なのか、考えられる要素は幾つかあるも検証しようがないので賢司すら保留としている。


 兎も角、言える事は華蓮もアキト程人外ではないが立派な超人格に変貌したという事だった。生来変わる事の無い魔力の変換効率はやや低いままだが、ずば抜けた体力と精神力により生成できる魔力量も相当で、その量はパーティ内で随一の変換効率を誇る賢司すら上回っている。


 更に追記するなら、早朝の模擬戦でもそうだったように魔法の詠唱を破棄できるようになっていた。ネタバレするならこれもレイアの分霊の影響であって、以前から愛奈が治癒魔法を詠唱も魔法陣も使わずに発動できていたのも実はレイアの分霊を宿していた事が理由だった。


 言われてみれば、人と隔絶した魔法技能を誇る堕天使レイアの分霊とは言え魂魄を宿しているのだから、それぐらいできても納得である。それでも万能という訳でなく、二人共レイアや天使と違ってあらゆる魔法を使えるのでなく、あくまで得意とする魔法のみその恩恵を得ている辺りがやや残念とした所。


 それを踏まえても華蓮の実力は既に【スフィア】に於いて規格外である事は事実で、その華蓮がアキトに全力で食らいつこうとすれば守が追従できずに音を上げるのは必然なのだった。


 フォローするなら守は決して弱くはない。寧ろ個人で結界魔法を行使できる人間要塞みたいな存在であり、身体能力も【スフィア】の戦闘職種を圧倒しているので十分チートで優秀な前衛盾役なのだ。


 しかし同じく前衛を務める華蓮との能力差が激しい為に連携のバランスが崩れており、旅立った当初は幼馴染補正でそれなりに上手くいっていた連携も華蓮の能力が伸び過ぎた所為で、練度自体は上がっているのに連携そのものは悪化するという事態を招いていた。


 先の盗賊戦でもそれは表れており、こうなったら守には中衛より後方の防御に専念してもらい、今まで遊撃だったアキトが華蓮と一緒に前衛として働くべきかとアキトと華蓮のディスカッションに賢司も加わったタイミングで、日本人少年少女達に話し掛ける者が現れた。


「む、ここに居たか。随分と遅い朝食じゃないか」

「……ん? ルネスさん?」

「あぁ手前だ。……アキトと言ったか、昨日ぶりだな」


 獅子レディなルネスさんだ。その表情は相変わらず厳しそうな空気を纏ってはいるが出会い当初と比べて幾ばくか柔らかくなっている気がした。前日のヨハン達との諍いで助けられた事が影響しているのは間違い無い。


 予想外な客人の登場に皆が目を白黒させる中、真っ先に対応したのは愛奈だ。


「おはようございますルネスさん。ごめんなさい、折角来て貰ったのにこんな状態で」

「いや、気にしないでくれ。手前の話し掛け方も良くなかったな。隊舎で食事に出掛けた旨は聞いていたのだが、まだ食べているとは思わなくてな」


 別に約束を取り付けていた訳でもない上、本来食事中に訪れたルネスの間が悪いのに頭を下げる愛奈。日本人らしい謙虚さにルネスが思わず頭を下げ返す。


 妹分の翔兎族を助けられた事からルネスは特に愛奈に対して態度が誠実だ。どこか懐かしい日本的なやり取りにアキトらがちょっとほっこりするのをちょっと不思議に感じながら、ルネスは訪問の理由を告げる。


「何故にそんな優し気な眼差しになっているのか問うてみたいが、それは置いておいてお前達にはこれから本部に赴いて欲しいのだ。本来なら昨日の時点で知らせておくべきだったが、このような急な話ですまない」

「気になさらず。どちらにしろ朝の内に一度本部に行く予定でしたから。……昨日の顛末も気になってましたから」

「うむ、勿論それについても話したい。それと……加えてお前達に頼みたい仕事もあるのでな」


 ルネスの謝罪の言葉に賢司が丁寧に切り返しつつ気になる事案についても確認を怠らない。ルネスからは欲する返事を頂き、更に聞き逃せないフレーズも頂戴したアキト達はせわしく食事を片付ける事に。


 ルネスからは急がずとも良いと言われるも、これが自分達の今後の行く末に関わる事と知る若者達は逸る気持ちを押さえない。


 仕事を頼まれるとはダイダラ霊山に入れるという事。それ即ち【地球】帰還に必要な”レイアの分霊”を捜索できるという事なのだから。


 ようやっとという想いを胸に、アキト達は本部に赴く為にルネスと共に食堂を後にしようとして……できなかった。約一名が盛大に出遅れていたからだ。


「マモルンいつまで食っとるん? エエ加減食い終わらんと置いて行く――」


 そう、守が未だに席に着いたままだったのだ。てっきり暴飲暴食を継続中と思った美矢が窘めようとするが、どうやら様子が違うらしく言葉に詰まる。


 守はテーブルに突っ伏して静止していたのだ。そう言えば途中から咀嚼音が聞こえないなと思い至った美矢が近寄り様子を伺って……悲鳴を上げた。


「きゃーマモルン!? アキやんはよ来て! マモルンが――」

「何だいきなり……って守!? どうした一体!?」


 呼ばれたアキトも守を見て驚きの声を上げる。突っ伏した顔を横に向けた守の顔色が真っ青だったからだ。よく見れば小刻みに震えながら口から何かを噴き出しそうになっていた。


 その症状は言うまでも無く……、


「マモルンのアホ! せやから食い過ぎるな言うたのにっ! どうしようどっかに洗面器無い? バケツでもエエ!」


 そう、疲労困憊の状態で馬鹿食いした所為でリバース寸前の守君。余りに予想通りの展開に美矢が呆れつつ惨状を避ける為に奔走する。取り敢えず事を終えたら守をどつく事を誓って、何とか桶を確保して守に差し出した。


 だが守はそれを拒否した。この期に及んで「なんでやねん!?」と怒鳴りそうになる美矢に、アキトがもしかしてと嫌な予感を口にする。


「おいおいまさか……下から噴き出しそうになってんじゃねぇだろうな?」


 その発言に皆が「うわぁ」となった。確かに便意ならこの場で桶で処理する訳にもいくまい。状況を察したルネスも「それはちょっと」と引いていた。


 しかしそれに対しても守は首を横に振る。じゃあ一体何なんだと全員が詰め寄ると、守は弱々しくも人差し指で上を指し、続いて下を指し、最後に前を指した。


 何のジェスチャーだと訝しむ中で、それに最初に気付いたのは誰だったか。取り敢えず明らかになった真相に軽く現実逃避しそうになった。


 要は守さん、口と尻と男性器からの三点同時発射の危機に見舞われていたのだ‼


 全員から血の気が引いた。


「ヤバ過ぎんだろう‼」

「便所どこ!? ルネスさん! 一番近い便所どこ!?」

「出てすぐ左だ! 急げ……いや、急いで大丈夫か!?」


 守の人としての尊厳が危機を迎えている事態にアキトが吼えて、賢司がルネスに縋る。ルネスもこんな事態は本気で御免被りたいのか必死だ。


「兎に角担げ! このままだと不味い! ……っえ~と、誰が担ぐよ? 賢司、お前行け! 親友だろ!?」

「嫌だよ途中で暴発したら大惨事じゃん‼ 華蓮が逝ってよ力あり余ってるんだし!」

「私も嫌よ‼ 最初に気付いたの美矢だし、美矢が逝ってくれれば」

「嫌に決まっとるやろ‼ 大体ケンちゃんもレンレンも字がおかしいで! ご臨終確定か!?」

「あぁもう元を辿ればアキと華蓮ちゃんの所為なんだから二人で担いで行きなさい‼」


 誰かがやらねばならない窮地に皆が最悪を想定して拒否る展開に守が人知れず泣きそうになる。最終的に愛奈が言った通り、間接的に事態を招いたアキトと華蓮が二人がかりで守を担いでトイレに放り込んで事態は収拾したのだった。


 ある意味で怒涛の任務初日が幕を上げた。

 読んでくださっている方、心よりありがとうございます。


 できるだけ早く次話を投稿します。


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