#07恋心は廃材に
おいおいおかしいだろ……。 この子17歳?! 有り得ねぇだろ…。
「ん?どうしたの?ススムくん?」
と、僕のことを窺いながらキャーキャーと騒ぎたてる雫。
「いやー、大先生!! よくおいでなさいましたッ!! わたくし、廃材愛好家の下樽雫と申します!!」
……。どう反応して良いのかわかんねぇよ……。ツッコミ入れらんねぇー。
雫が「ほらっ、ススムくんも御挨拶して頂戴。大先生がいらっしゃったのよ、それなりの態度でね?」と耳元で囁いている。
無茶振りしないでくれェェェ!! 今の貴方のようなテンションで行けるのは何処かの池崎だけだぞ?
「あ、えと、下樽進です…。雫お嬢様の使用人です。」
「あれれぇ?ススムくん、「雫」で良いはずよ?」
そんな、この状況、この心情じゃ無理に決まってんだろォォォ!
自分の顔が急に赤くなってきた気がする。
「ムフフ、ムフフフフ……。」雫が急に笑い始めた。
「やりましたわねッ!!大先生!」
「ナーイッス!!雫ちゃん!!」
え、ナニコレ。 何が有ったの?
「実はね、ススムくん。貴方にドッキリを仕掛けてみたのよ。」
「へ?」
「ジャジャーン! ご主人様に、「タメ口聞いて」と言われたら人前でもタメ口聞くのかドッキリ~!!」
??? 混乱状態すぎる。 何がどうなってるんだ?
「だからね、ススムくん。これからはちゃんと敬語を使うのよ?」
コイツ、俺の気持ちを弄んでいたのか!?
「わかった? ススムくん。」
「は、はい。 お嬢様…。」
キャハハハハと気味悪い、(こちらからすると)笑い声をあげて爆笑する女子二人。
このやろう……。
「いやーホントに引っ掛かったね。 雫ちゃん!」
「そうですわね! 大先生!!」
息を荒くして、成功を喜ぶ二人。
なにこれ、拷問か?