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#02廃材は逃げない
何とも清々しい朝だ。この屋敷で目覚めるのももう2回目。
ん?お嬢様が近づいてきたけど、まさか…
「ススムくん、ちょっといいかしら?」
「何でしょう、お嬢様。」
「一緒に行きましょっ!廃材集めに!」
「かしこまりま…」
「って、行けるかボケェェェェ!!!」
ほらやっぱり。 昨日此所に来て直ぐ言われた。
この人は廃材にしか目がないのか?
「ねえねえ、ススムくん。良いじゃない別に。早く行きましょっ!」
「お嬢様、そんなに焦らなくても廃材は逃げませんよ。」
「って、のせられたぁぁっ!?」
「さっきから何よ、ススムくん。大声ばっか出して。貴方は発狂するのが趣味なの?」
「ちげーよ!そして俺をお前みたいな悪趣味野郎扱いすんな!!」
「何よ、ススムくん。お嬢様に向かってタメ口とはいい度胸ね。」
すっかり忘れて従兄弟気分でいたけど、この人とは主従関係なんだった。
「コホンッ、すみませんお嬢様」
「分かれば良いのよ。」
「じゃあ行くわよ!」
廃材集めへ!!