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僕たち私たちが考えた“悪ゾン”と“ななるゾン” 第三課Ver

課長の発言は、『』にしてみました

『さて、今まで出てきた意見や検討してきた内容を参考にして、課としての案をまとめる訳ですが、何か検討すべき事とか配慮した方が良い事ってありますか?』


 山田さんが手を挙げて発言を求めているので、促す。


「はっはい。死んでいるのに動くというのは、すごく無理が有って、自分で書いていても納得し辛かったです。ゾンビの定義をスーパーコンピュータに詳しく提示して貰う事は出来ないでしょうか?」


『とても素晴らしい提案なのですが、出来ません。スーパーコンピュータの利用については、CPUの割り当てが既に決まっており、私たちのための時間は一切有りません』

 新薬の研究や効果のシミュレーション、その他諸々で使われる事が既に決まっている。それにそちらの方がよっぽど役立つだろう。次は日笠君か。


「あの、ゾンビって本当に死んでないと駄目なんでしょうか? WIKI情報ではゾンビは架空の話であり、現実的には、共同体からの権利や保護をはく奪され社会的な死者を意味する言葉ではないか、とありました」


『私もWIKIを読みましたが、今回はスーパコンピューターが病気としてゾンビを算出しているので、その内容では合致しませんね』


「あっあの、すみません! 病気としてゾンビが出ているのですから、死んでないって事は無いでしょうか?」


『……。それは気が付きませんでした。確かに映画やゲームなどのイメージで死んだ人間が動き回ると思い込んでいました』

 びっくりした。珍しく山田さんが手を挙げずに会話に入ってきた。


「確かに病気だとしたら死んでないかも。でもだとしたらどんな状態がゾンビなのでしょうか? 課長はどう思いますか?」


『うーん。やっぱり死んで腐ってて徘徊するのがゾンビっぽいですね。病気って説は良いとは思いますが、しっくりくるのは映画などで描かれているゾンビ像なんですよね。

 自分の中では心臓が止まっている中でどうやって体を動かすことが出来るか、何を活力に出来るのか、で考え出したのがやっぱり食べることで栄養を補給出来ているから、あるいは体に蓄えられていたエネルギーで活動する、の二通りだったんですよね』


「そうですよね。私も心臓が止まっているとしたら、代わりに何が必要かと考えた結果、ナノマシンによる活動だったり、途中までは生きていて、死んだら体内のエネルギーを活用としました」

 私と日笠君が山田さんを見たので、


「わっわたしも、そこは悩みました。私たちが理解出来ない事象なので、吸血鬼を出すことにしました。それと、エネルギーがないと動けないと思いましたので、やっぱり食べることで動けるという事にしました」


『そうなると体に蓄えられたエネルギー案が2つで、食べることでエネルギーになるのが数件あったけど、あとはどうやって食べたものをエネルギーに変えられるかですよね』


「課長、病気の部分も含んだ内容にしないと」

 日笠君、確かにそうなんだけどさ。


『ゾンビは病気、病気……、感染して時間経過で死に至る病気、最終的な症状としてゾンビ、これなら病気については矛盾がなさそうな気がしませんか?』

 二人とも賛成してくれたが、まだどうして動くのかは決着がついてない。


「ゾンビは、超燃費が良いというのはどうでしょうか? 例えば一粒で300m歩けるみたいな感じで、肉一切れで3年間活動できるとか」

 すごい燃費だな、それ。山田さんが手を挙げてる。


「わっわたしは、お化け、霊的な存在であり、私たちが理解出来る法則ではなく、人知を超えた何かよって動かされる案を推します」

 私たちの理解できない何かだとは思うけど、この案は出来れば他の案が出尽くして駄目だったときに採用したいかなー。


「例えば、ゾンビになると新たな器官が出来るとかどうでしょうか。口でエネルギーを吸収できて、大半は脳に伝わる。それ以外は皮膚というか肉というか、体の細胞がバケツリレーのようにエネルギーを全身に回すのであれば、血液が循環しなくてもエネルギーを伝達出来るのではないでしょうか。

 全身を動かすときは神経に電気信号を流すことで動かせる。エネルギーが体の隅々までは行き渡らないので、腐ってしまう部分と、指示命令を出すためにしっかりと残す部分があり、パッと見では腐っているのに動いているとか!」

 日笠君ノッテきたな。


『そうですね。新たな器官が別の場所に出来れば、エネルギーを吸収して活動することが出来るかもしれませんね。

 器官が新たに出来るという案を聞いて思い出したのですが、他にも疑問というか納得してない内容があります。

 なんで感染して十数秒とかでゾンビになって襲ってくるケースがあるのかなって。いや十数秒で死ぬなら理解出来ます。でも十数秒でゾンビになって襲ってくるって早くないですか? 体の組織が改変される設定があったとしたら、幾らなんでも短すぎます』

 お、山田さんがまた手を挙げている。


「ハッハイブリット案を提案します。先ほどの病気の説明や、日笠さんの案や私の案でも出ていましたが、途中までは生きている状態で活動する、ダメージが蓄積されて死んだり、症状が悪化して死ぬけど、死んだあとは体内のエネルギーを利用してしばらくは活動出来る。でどうでしょうか」


『確かに活動できる時間が増えるし、ゾンビという設定は崩してないね。ハイブリット方式なら生きたまま人を襲う化け物、簡単には死なないというか死んでもしばらくは襲ってくる。これなら私はしっくり来ますね。

 とりあえず、器官が新たに出来る、しばらくは体内に残っているエネルギーを利用して動く、ハイブリット方式最初は生きてて後でゾンビになる、の3つを案として置いておきましょう。他の議論を進めていくなかで最適と思われる回答を集めて案を作ろうと思います』

 二人とも賛成したので、


『他に確認しておくべきことを検討しているうちに、エネルギーの話になってしまったので、話を元に戻します。検討すべき事って何かありますか?』

 山田さんが手をあげている。遠慮せずに発言すればいいのにな。


「あっあの、病気、5年以内、を常に意識しつつ、考えたほうが良いと思います」


「あと、あんまり系統だてて議論しなくても、今回のように話している内に、いい案が出るかもしれないので、とりあえず議論していけば良いと思います」


『山田さん、日笠さん、そうですね。そんな感じでいきますか。では次に感染原因と感染手段について議論したいと思います。意見がある方お願いします』


「感染原因が決まらないと感染手段も決まらないと思います。ですが、私はウイルスによる感染がしっくりくると思っています。まず目に見えないことで対策が遅れそう、飛沫感染などでも広がるシナリオが作れる、拡散しやすそうなイメージがあります」

 山田さんも頷いているし、私も同意見です。


『では、ウイルスによる感染として、そのウイルスが出来た原因、切っ掛けはどうしましょう』


「生物兵器と不老不死の薬という意見があったと思いますが、どちらでも良いのでは無いでしょうか。感染予防薬や治療薬もセットで作っていれば、問題発生時の被害を低く設定出来ると思います」


『そうですね。予防薬や治療薬とセットであれば、被害をコントロール出来そうですし、とりあえずそんな感じにしましょう』



色々と議論を重ねた結果、“悪ゾン”は以下のようにまとまった。


・感染原因

 不老不死の研究


・感染手段

 不老不死のウイルス、ウイルスが体内に入ったら、感染者に噛まれたりすると


・感染先

 人、哺乳類


・五感

 五感全て有り


・襲う相手

 人、動物


・エネルギー

 人や動物の肉、普通の食料品も食べれる。初期症状では人の器官を利用して食事をエネルギーとして活用が可能。

 体が欠損し内臓が正常に機能しなくなると、体の組織が変態し、新たな器官が体に作成される。そこから全身にエネルギーが送られるようになる


・ステータス

 初期症状ではリミッターが外れるので、元の生物よりも全般的に強くなる。知能は低下する。傷ついても回復が早い。完全ゾンビになると、腐ったり、体が欠損したりするので弱くなる


・寿命

 初期症状では人間と同じくらいの寿命、何も食べないと1か月で餓死する。体が傷ついてゾンビ化した場合は、数年で朽ちる。餓死でゾンビ化した場合、寝たきりゾンビになり1週間程度で活動停止


・体の弱点

 初期症状の場合は元の生物と同じ。回復力はあるが、複数個所刺されたり、切られたりしたら死ぬ。感染後数週間を経過してから死んだ場合は、ゾンビとして活動する。

 ゾンビ化後は、体は欠損するものの死なない。新たに出来た器官を壊しても脳が無事な場合は器官が再生する可能性有り。脳を破壊すると攻撃が出来ないゾンビとなり、栄養が取れなくなるのでしばらくすれば死ぬ


・ウイルスの弱点

 ウイルスが体外にある場合、アルコール消毒液


・襲う理由

 感染すると人や動物の生肉や血を欲する。本能のようなもの。それと食事




 “ななるゾン”は“悪ゾン”の設定を緩くした感じに落ち着いた。違いの場所は◎の箇所になります。


・感染原因

 不老不死の研究


・感染手段

 不老不死のウイルス、ウイルスが体内に入ったら、感染者に噛まれたりすると


◎感染先

 人


・五感

 五感全て有り


・襲う相手

 人、動物


◎エネルギー

 人や動物の肉、普通の食料品も食べれる。初期症状では人の器官を利用して食事をエネルギーとして活用が可能。ゾンビ化した後は体に残っている脂肪や筋肉をエネルギーとして活用する


◎ステータス

 初期症状ではリミッターが外れるので、元の生物よりも全般的に強くなる。知能は低下する。傷ついても回復が早い。完全ゾンビになると、腐ったり、体が欠損したりするので弱くなる


◎寿命

 初期症状では人間と同じくらいの寿命、何も食べないと1か月で餓死する。体が傷ついてゾンビ化した場合は、普通に活動できるのが1週間、ノロノロで活動出来るのが2週間、寝ていて手を伸ばすのが精いっぱいが2週間、そして活動停止。餓死でゾンビ化した場合、寝たきりゾンビになり1週間程度で活動停止


◎体の弱点

 初期症状の場合は元の生物と同じ。回復力はあるが、複数個所刺されたり、切られたりしたら死ぬ。感染後数週間を経過してから死んだ場合は、ゾンビとして活動する。

 ゾンビ化後は、体は欠損するものの死なないが、朽ちるのが早まる。脳を破壊すると攻撃が出来ないゾンビとなるし朽ちるのが早まる


◎弱点ウイルス

 ウイルスが体外にある場合アルコール消毒液、体内にある場合抗ウイルス剤


・襲う理由

 感染すると人や動物の生肉や血を欲する。本能のようなもの。それと食事



 次は具体的な対策を検討ですね。


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