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僕の考えた“悪ゾン”と“ななるゾン” 日笠Ver

2017/5/27 誤字と、課長のセリフを『』に変更、程度の修正

「次は私ですね。私の考えた“悪ゾン”は、こちらになります」


・感染原因  宇宙人の地球侵略


・感染手段  ナノマシンが体内に入り込むことによって


・感染先   人限定


・五感    視覚、聴覚、嗅覚、触覚有り。味覚は無し


・襲う相手  人限定


・エネルギー 基本食べ物なら何でも


・ステータス 人と同じ。知能は極端に低下する、会話は無理。ダメージを受けるとナノマシンが治療を行う


・寿命    人の寿命と変わらず。ナノマシンは一年程度で壊れるが、増殖を繰り返しているので問題にはならない


・弱点    火、電気、体を維持する以上のダメージを与え続ける


・襲う理由  人を襲い文明社会を崩壊させるため。人としての思考は無くなり、人を襲うことがインプットされた化け物になる



「シナリオは、宇宙人による地球侵略の手段です。体内にナノマシンを送り込み、体の中でナノマシンが増殖する。発病するタイミングは宇宙船からの指示によります。


 各国の首脳や政治家、警察組織や軍隊の指揮官などを狙って、優先的に感染していきます。ある程度まで浸透したら発病させて体を乗っ取ります。その時点で人ではなくなり、人を襲うゾンビになります。知能はほとんどありません。


 ゾンビになって相手に噛みつき、そこからナノマシンを相手に送り込みます。死んだゾンビの中にもナノマシンが残っているので、死体を片付けるとそこから体に付着して毛穴などから体内に入り込みます。


 指導者系を多くゾンビ化させるので、混乱して状況を収めることが出来ず、被害が拡大します。またテロリスト集団や、北朝鮮、中国、ロシア、アメリカなどの国は、混乱度を低くすることで、他の国への支配力を高めたり、救援という名目の侵攻を行うことを期待します。


 宇宙人はインターネットのフェイクニュースを活用して、世論を誘導し、ゾンビが原因で死んでもテロリストによる攻撃だなどと煽り、世界各国で戦争が勃発し、人同士が戦い、疲弊させて行きます。

 弱まったところで、まともな人間に対しても感染を拡大していく。大半の人間が感染したところで、宇宙人による攻撃を開始、あとは軍事力で人間を支配していきます。

 質問はありますか?」


 日笠君の発想は柔軟だな、ゾンビものに宇宙人が絡むとか凄いな。お、山田さんが手を挙げている。


「っそっそれゾンビなのですか? 洗脳とは違うのですか?」

 それは私も思った。


「えーと人の思考を誘導することは出来ません。発病した時点で人間としての生命活動は終わって心臓も止まっています。ナノマシンが体を管理し、人を襲う化け物になっています。

 でもサイボーグの方が近いといえば近いかも知れませんね。マシンが体の構造を変えたのですから」


『仮に地球上のナノマシンを全て壊せたとしても、その後も宇宙人からの攻撃を受け続けたり、新たなナのマシンを送り込まれるということかな? だとすると、もうどうにもならないですね』

 確かにどうにもならないけど、ゾンビで攻撃する意味があるのかな。もっと楽な方法ありそうだけど。というか指導者を使えなくして組織的な反攻が出来ないようにするのが目的なのかもしれないな。否定したらキリがないしね。



「続いては“ななるゾン”です」


・感染原因  寄生虫


・感染手段  寄生虫が体内に入り込む事によって


・感染先   昆虫、人、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚介類に寄生。植物に寄生しない


・五感    完全にゾンビになると視覚と聴覚のみ


・襲う相手  襲わない


・エネルギー 完全にゾンビになると食べない。体内の脂肪などから栄養を補給


・ステータス 元の生物と同じ。完全にゾンビになると繁殖のために活動する


・寿命    完全にゾンビになると1週間程度。人に寄生した場合、3か月~1年くらいで感染者が死亡


・弱点    元の生物と同じ。寄生虫は過熱調理すると死亡


・襲う理由  寄生虫の繁殖のために新たな宿主を探す。他の生物に近づいて体内に寄生虫を送りこもうとしたり、野菜を見つけると寄生虫を吐き出して野菜に付着させ、最終的には他の生物の体内に入り込もうとする



「シナリオは、北極の氷が溶けて、流氷となって流れた。哺乳類が氷漬けになっているのが発見されて、漁師がそれを確保。その際に哺乳類の体内にいた寄生虫が漁師の体内に入り込む。


 寄生虫は内臓を食い破って、体内で増殖。数日後に寄港した際に、調子が悪いということで病院に行くも原因がわからず自宅療養。それでも久しぶり家に帰ったので、奥さんと口づけした際に、寄生虫が奥さんの体の中に侵入。

 ペットの犬がじゃれてくるので、顔をぺろぺろなめられたときに、ペットの体にも侵入。それぞれの体の中で寄生虫がどんどん増える。ペットの排せつ物の中にあった食物の残骸を食べる昆虫。その昆虫にも寄生虫が侵入。

 その昆虫を食べた狸などの野生動物や野鳥などにも、寄生虫が侵入。寄生虫はあちこちで増え続ける。ホストが死ぬと別の生物の近くまで移動し、体内に残っている寄生虫を侵入させようと試みる。例えば抱きついて口づけしてくるとか。

 寄生されたホストは、体内で寄生虫が増えすぎて栄養が取れないし、臓器も正常に機能しなくなり、人であれば3か月~1年で死亡することになる。

 以上です。質問があればどうぞ」



『ゾンビなのに人を食べに来ないのですか? 襲わないの? 襲っているといえば襲ってるかも知れないけど、襲う種類がちょっと違いますね。

 死んでいるのに動いているけど、そのなんだろゾンビなのでしょうか?』

 

「はい食べたり攻撃するためには襲いません。死んだ後も増殖するために動き回るので、ゾンビという扱いです」

 確かにゾンビだけど斬新だな。山田さんが手をあげてる。


「あっあの、家畜に寄生されたりすると、そこから拡大しやすいかもしれません」

 

 コメントが難しい奇抜な案だったので、あんまり質問が出なかった。次は山田さんだな。

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