パンデミック対策室第三課廃止??
「あの課長、ちょっと良いですか? いくらなんでも話を盛り込み過ぎというか、関係ないエッセンスが多すぎでは、もうザンビ関係ないですよね?」
『関係ありますよ。殺し合いは絶対にあります。安全な場所なんて無いんです』
「でも噴火や地震は関係ないんじゃないですか?」
『ありますよ、政府が崩壊したからといって自然災害が無くなる訳ではありません。そんな中でも生きるためには、さらなる努力が必要なんです』
「あっあの、ところで水はどうやって確保するのですか? というか水がある場所ってどこですか?」
『それは考えがあります。これです』
「のっ飲める湧き水、もしもの時の災害時協力井戸・湧水マップ、ですか」
『それは一例ですが、地域によって飲める湧き水を公開したり、災害時に備えて協力してくれるお宅を紹介しています。ちなみに湧き水の中には煮沸が必須な水もありますので、そのまま飲まないように気を付けてください』
「震災などの災害時にも役立ちそうなので、飲める湧き水は知名度を高めた方が良いですね。対策に入れておきます」
「ソッソーラーパネルがあると、災害時でも電気が確保出来るんですか? でも昼間だけですよね?」
『それは製品によります。それと災害時には自立運転モードに切り替えて、自立運転コンセントあるいは停電用コンセントと呼ばれるところに製品のコンセントを挿すなどの、一定の手順が必要になります。詳細は製品ごとの説明書を読んでください。
最近は蓄電用の設備も価格が下がってきているので、塩ちゃん家のは蓄電機能が付いているもののようです』
「課長、そもそも停電しないようには出来ないのですか? 自衛隊とかが発電所を維持するとか」
『当然、重要施設なので守備に人を割きます。なので良く4週間も維持出来たなと思っています。でも燃料が確保出来なくて発電が止まったんじゃないでしょうか』
「それなら原子力発電所なら長く維持出来るんじゃないですか? 仮に人が居なくっても発電は続けられるんじゃないですか?」
『私もそこは悩みましたが、原子力は直ぐに停止させました。万が一、例えば天災で施設に問題が発生したら電気が提供できないなんて問題じゃなくて、その周辺、周辺というより、もっと広い地域で生活が出来なくなるかも知れません。
放射能は目に見えないので、寝ている間にそのまま死んでいるとか、そういうのも有り得ますね』
「じゃあ、ソーラーパネルなら燃料の問題も無いし、メガソーラー発電所の増設と、一家に一台ソーラーパネルを普及したら良いってことですかね? じゃあ対策に入れておきますね」
『いや、それは待って下さい。ソーラー発電を増やせば良いって問題ではありません。もう数年すると太陽光発電のソーラーパネルの廃棄量が格段に増えます。2033年度のソーラーパネル廃棄量は約2万トンですが、2040年には年間80万トンになると言われています。
太陽光パネルの表面のガラスを分離する技術もある程度発展してきていますが、まだまだコストがかかっており、不法投棄や、埋めたて地不足の問題が深刻化してきています。これは10年以上前から問題になる事は分かっていたのですが、先送りで、放置されたままに現在に至っています。
またメガソーラー発電所の中には、台風や大雨などの影響で利用出来なくなり、大量のゴミを生み出す結果になってしまったところもあります。なので安易に増やせば良いという話ではありません』
「じゃあ、どうすれば良いのでしょうか?」
『私にも答えはありません。自然エネルギーの活用は悪い事ではありません。いま商用化のテストをしている宇宙太陽光発電は、一つの案かも知れませんが地上からの制御が無いと厳しいですね』
「あっあの、飯田さん達はこの後どうなるのですか? あと車で移動するのですか?」
『まだ考えていません。それと車でも移動できるくらいの道幅を確保しています。以前のシナリオで駐車場が満杯の表現があったと思いますが、道路を開けるために周辺の空き地や駐車場に、動かせる車をどんどん移動させています。
ちなみに行先ですが、山梨と静岡方面には行けないと考えています。危険ですからね。わざわざ日本海側まで出て南下というか西日本に行くのも違うかなと思っています。なのでシンプルに、まずは群馬かなと』
「課長は群馬推しですよね? 何か群馬に思入れがあるのですか?」
『群馬には何にもありませんよ』
「何にも無いのかよ! それってディスってますよね?」
『すみません言い方が悪かったです。思い入れは無いです。栃木や茨城、福島、でも別に良いです』
「やっぱり、だいぶディスってますよそれ。栃木や茨城、福島の人にも失礼ですよ。謝罪してください。さあ」
日笠君、分かっているじゃないか、この謝ろうかどうしようか悩んでいる時間も何とも言えない。
「ちょっちょっと待って下さい。日笠さん言い過ぎですよ」
おお、山田さんなんて優しいんだ、ありがとう。でも邪魔しないで下さい。
「そっそれ、課長にとってはただのご褒美でしかないですよ。課長はマゾなんですから、もっと工夫しないとダメージなんて受けないですよ。ねえ課長」
グハッ。だいぶダイレクトに来たなこれ。山田さん意外とやるじゃないか、成長が嬉しいです。ママさんを殺したことを根に持っているのかも知れない。
『何をおっしゃっているのか理解出来ませんが、まあ、続きを書きますかと』
「いや、これ以上は結構です。多分余計な話が増えそうなんで、今まで出た対策の検討をしましょう」
グハッ。私の立場が……。まあこれはこれで良いか、えへへ。
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2036年2月4日(月)
パンデミック対策が進み、新型インフルエンザの亜種が大流行しても致死率が一割未満に収まるであろうという予測が立ち、政府として安全宣言を発する事になった。
また、ここ五年以内に発生するだろう、壊滅的な被害を及ぼす病気の中から、ゾンビも出なくなり、パンデミック対策室第三課の存在意義も無くなった。一課二課も大幅な減員となるが、基本は元の部署に戻ることになる。
ただし、元の部署が不要と判断した場合は、新しい職場を探す必要がある。そして私達三人は元の職場から不要という判断をされたため、新しい職場を探す必要がある。室長には一定の評価をいただいているが、全く関係の無い部署からみたら、ただの元部署から断れたら不要な人にしか見えない。
自分はともかく、部下の二人には何とか仕事を探してあげないとな。
2036年3月10日(月)
「はあー、新しい職場が決まらないねえ」
「そっそうですね。でも課長が一生懸命探してくれているじゃないですか。きっと見つかりますよ」
「そうなんだけどさ、あと三週間で4月だし、不安になっちゃうよね」
「あ、課長が戻ってきたみたいですね」
『二人とも、新しい仕事先の候補が見つかりましたよ。ただ、この課と同じようにあんまり人の役に立つ話では無いです。それに例の機密保持契約を延期する必要があります。
説明を聞いたら、この仕事を断ることが出来ません。さあどうしますか?』
「自宅待機するよりも、何でもいいから仕事がしたいので、聞かせてください」
「わっわたしも聞きたいです」
『それでは説明しますね。今年の4月に隕石が接近するのはニュースで話題になっていますが、勿論地球には落下しません。ただ、5年以内に発生しうる壊滅的なダメージを及ぼす事象についてスーパーコンピュータに計算させたところ、宇宙人の襲来0.1%という内容が出ました。
そこでパンデミック対策室第三課は4月以降も業務を継続して、宇宙人の襲来について備えることになりました。メンバーはこの三人です。室長も何か有効な案があれば、どんどん提案してくれとの事でした』
「やりますよ、課長」
「わっ私も頑張ります。まずは、悪宙とナナル宙の検討ですかね?」
『そうですね。でもネーミングは、悪ウ人とナナルウ人かなー』
また三人での業務を始める。この三人なら楽しく仕事が出来るだろうきっと。
「ああ、でも仮想シナリオは不要ですよ」
グハッ。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
終わったのにあれなんですけど、良かったらブックマークしてください。
ブックマークでもポイント入るんです。
ポイントといってもお金になるようなやつじゃなくて、評価ポイントが若干入るんです。
それと良かったら他の作品も見てもらえると嬉しいです。
いちおうコメディのつもりだったんですけど、
役所を舞台にしているせいで真面目な話題が入るんだろうか。
もっと分かりやすい、ボケとかを入れるとしたら、それは別作品で考えます。
次は何を書こうか、なろうでホラーのイベントをやっているんで、
とりあえずそれに取り掛かろうかなって思ったりしてます。
でも、少し書き始めた作品もあるし、どっちを優先しようかな。




