カルマの衝撃
結局、俺達はカルマの一件でショックを受けながらも、マジック・ジャンクに戻ってきた。
俺としてもまさかこんなことになるとは思っていなかったし、事実、その時はことの重大さがわかっていなかった。
ただ1つ。アニマが相当悲しそうな顔をしているので、なんだか不味いことが起きているということだけはわかった。
「……えっと、悪いのだけれど、今日はこれで終わりね」
アニマは辛辣そうな声で俺とフォルリ、ヴィオにそう言った。
「アニマ……これから、どうするの?」
フォルリが不安そうに訊ねる。しかし、アニマは俯いたままで何も答えない。
「……私、カルマの身体、確認すべきだと思う」
と、フォルリの突然の言葉に俺たちは驚いた。
「フォルリ、アナタ……何を言っているかわかっているの?」
アニマは悲しそうな顔でフォルリを見る。しかし、フォルリは真剣だった。
「カルマの身体、このままだとメンテが回収する。その前に破壊……もしくは、場所を移すべき」
「それは……でも、危険だわ。カルマの身体は触れるだけでもその者に害となる可能性が……」
「じゃあ、このままでいいの?」
フォルリはいつになく鬼気迫った感じでアニマに訊ねる。しかし、アニマは何も返事をすることができなかった。
「……わかった。アニマ、やらないなら、私、やる」
「ふぉ、フォルリ……」
すると、フォルリは俺の方をジッと見る。その海のように青い瞳は俺のことをジッと見つめていた。
「……私の所有者、タイラー。このままだとタイラーの危険な目に逢う。だから……私、タイラー、
守る」
そういってフォルリはマジック・ジャンクを出て行ってしまった。
「あ……お、おい! フォルリ!」
俺が呼び止めようとしても、フォルリはそのまま歩いて行ってしまう。
「お、おい。アニマ」
俺がそう言っても、アニマは悲しそうにそのまま座り込んでしまった。どうやら、相当アニマにとってはキツイ出来事のようである。
「ったく……とりあえず、フォルリは俺が見てくるから。お前も変なことするなよ」
「あ! 御主人様!?」
ヴィオの声が背中から聞こえてくる。
正直、このままの状態のアニマを放っておくのはどうかと思ったが、俺は仕方なく、出て行ってしまったフォルリを追ったのだった。




