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中古魔宝具販売店「マジック・ジャンク」  作者: 松戸京
魔法使いへの道 土の魔女編
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土魔女と岩竜 5

「……掃除? この屋敷を?」


 俺は思わず聞き返してしまった。それに対してレーナは大きな欠伸で返す。


「うん。簡単でしょ?」


 なんのことはないという感じでそういうレーナ。


 この屋敷というのは……この屋敷全体ということを言っているのだろうか?


 この言うならばゴミ屋敷を……俺に掃除しろと?


「え、えっと……掃除しないと、認定はもらえないのか?」


「う~ん……そうだねぇ」


 だらしない笑顔のままそういうレーナ。どうやらこれはマジのようである。


「お、おいアニマ……」


 俺は縋るようにアニマを見る。アニマも少し困った顔だった。


「……そうねぇ。でも、掃除しないといつまでもレーナの家は汚いままだし……」


 と、なぜかアニマはあまり関係のないことをさらりと言う。


「え……いやいや。そういう問題じゃないだろ? 俺1人でこんな広い屋敷を掃除しろなんて絶対に無理に決まってんだろ?」


「別に君1人でやらなければいけないなんて言ってないよ。さすがにアニマに掃除しろって言うと全部燃やされちゃいそうな気がするから……そこにいる2人となら一緒にやってもいいよ?」


 そういってレーナは俺の背後にいるフォルリとヴィオを指さす。


「え……わ、私?」


 フォルリは少し戸惑っているようだった。そりゃあ、こんな巨大な屋敷の掃除に巻き込まれるのはさすがのフォルリといえども嫌だろう。


「……ヴィオはやります! 先程からこのお屋敷を見ていると掃除したくてウズウズしていたんです!」


 と、なぜかヴィオは妙に張り切っていた。それはそれで少し不安だったが。


「頼むぜ? 私もレーナも掃除は苦手でなぁ。このままじゃ屋敷がいらないゴミで溢れかえっちまうからよぉ」


 軽い調子で、レーナの使い魔であるネルトゥスはそう言う。


「で、やってくれるんだよね?」


 相変らずゆるい調子ではあるが、NOと言わせない威圧感を伴って、レーナは俺にそう訊いてきた。


「……わかったよ。やってやるよ」


 俺も思わずそう返事してしまった。アニマは心配そうに俺を見る。


 正直、家の掃除はいつもセピアにまかせているのだが……果たしてちゃんと上手く掃除できるのか、心底不安なのであった。

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