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中古魔宝具販売店「マジック・ジャンク」  作者: 松戸京
魔法使いへの道 雷の魔女編
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雷魔女と風竜 7

「トリンデ! 話が違うわ!」


 と、アニマがすごい剣幕でトリンデに迫った。


 しかし、トリンデは至って冷静にアニマを見ている。


「何が違うんだい? 私は確認したはずだよ。異存はないか、と」


「それは……あんな魔宝具を使うなんて聞いてないわ」


 フォルリもアニマの隣で頷いている。ヴィオは心配そうに俺のことを見ていた。


「そうか。なら、別にいいんだ。タイラーが真実玉を離してくれればそれで話は終了する。もっとも、認定を与えることはできないけどね」


 トリンデはニコニコしながらそう言っているが、どうやら俺が試練をクリアしなければ認定を与える気はないようである。


「……トリンデ。この前話した時はこんな風にするなんて、言ってなかったじゃない……」


 アニマが困り果てた様子でそう言う。


「ああ、そうだね。でも、気が変わったんだ。嵐というのは気まぐれなものでね……そんなことより、タイラーはどうなんだい? この試練をクリアしたいのか?」


 トリンではそういって挑むように俺を見てくる。


 確かに、いますぐ真実玉を話せば、こんな面倒なことは終わる。魔法使いにだって俺自身そんなになりたいわけでもない。


 だが、先日のルサールカとの約束、そして、突如として俺を魔法使いにしたいと言い出してきたアニマ……それを考えれば、ここで試練を投げ出してしまうのはどうかと思う。


「いや、やるぜ」


 俺がそう言うとアニマとフォルリは目を丸くして俺を見た。


「え……ご、御主人様。大丈夫なんですか?」


 ヴィオが不安そうな顔で俺にそう訊いてくる。


「フッ……さぁな。でも、これは博打みたいなもんだ。俺は博打が大好きでね。トリンデ、さっそく始めようじゃないか」


 俺の返答が意外だったのか、トリンデはキョトンとしていたが、すぐに嬉しそうに俺を見た。


「そうか。君がそういうなら仕方ない。だが、博打ではないよ。単純に、君の真実を話してくれればいいんだ」


 ニコニコしながらそういうトリンデ。しかし、その笑顔にはどこか狂気を感じさせるものがあった。

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