重いペンダント 2
「え……ど、どうしたんだよ、フォルリ」
なんだかフォルリの雰囲気が変わった……俺は直感的にそう感じた。
しかも、その変化は悪い方に変化した……そう思ったのである。
「タイラー……私、タイラーからこんな贈り物貰うなんて幸せ……すごく、嬉しい……」
「え……贈り物って……いや、これたまたまここにあったから……」
しかし、そう言ってもフォルリは聞いていないらしく、さらに俺に顔を近づけてきた。
「な、なんだよ……フォルリ」
「タイラー……これは、フォルリとタイラーの……愛の証」
そういってフォルリは嬉しそうに青い宝石が嵌ったペンダントを指でなぞる。
「愛の証って……どうしたんだよ、フォルリ……なんか、可笑しいぞ」
「おかしくない。フォルリ、いつもタイラーに証もらいたい、そう思っている」
「あ、証……? なんだよ、それ……」
俺がそう言うとフォルリは少し恥ずかしそうに目を背けてから、俺の方へ再度目をむけて口を開く。
「その……フォルリのこと、好きって……証」
その言葉を聞いて、俺はさすがにあまりにも可笑しいと思った。
これはやはり魔宝具のせいか……聞こうと思ったセピアは、既に近くにはいなかった。
「せ、セピ……んぐぐっ……」
俺がセピアのことを呼ぼうとすると、フォルリは俺の口を塞いできた。
「な……何するんだ、フォルリ……」
俺が反論しようとすると、フォルリは真剣な目で俺のことを見てきた。
「タイラー。今、フォルリとタイラーだけ、話、している。他の人、必要ない」
その目つきはまさに本気といった感じで、今一度俺がセピアを呼んだら、フォルリは本気で怒る……俺は本能的にそう感じた。
「あ……わ、わかったよ」
俺がそう言うと、フォルリは満足そうに頷いた。
「良かった。じゃあ、今日はフォルリ。タイラーと一緒に寝る」
「……はぁ? ば、馬鹿言うなよ。一緒になんて寝れるわけないだろう!」
いきなりのフォルリの発言に、動揺しまくった俺がそう言うと、悲しそうにな顔でフォルリは俺のことを見る。
「……ダメ?」
「あ、当たり前だ……いきなりすぎだろ、いくらなんでも……」
「……じゃあ、これだったら?」
そう言うと、フォルリの身体がいきなり光った。
そして、次の瞬間には、本モードになって机の上に置かれていた。
「……え?」
「タイラー、これで一緒に寝れる……でしょ?」
どうやら、一緒に寝ることを了承しない限り問答が続きそうだ……俺は思わず大きくため息を付いたのだった。




