表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/251

別れの言葉 6

「あ! 御主人様!」


 玄関まで戻ると、そこにはヴィオ、セピア、フォルリの3人が心配そうに俺のことを見ていた。


「どうしたんじゃ? なんでいきなり火の手が上がっておるんじゃ?」


 セピアが俺に不思議そうに訊いてくる。


「……説明は後だ。とにかく、さっさとこの屋敷から出るぞ」


 俺達はそのまま玄関の扉を開け、外に出た。


 外に出てみると、黒い炎は完全に屋敷全体に燃え移っており、屋敷から大きな炎が燃え上がっていた。


「屋敷……燃えちゃった……」


 フォルリが心配そうに俺のことを観る。


 俺はその視線に気付いて、フォルリに向かって口の端を曲げて笑ってみる。


「……この屋敷は元から嫌いだったんだ」


 俺はそういって今一度炎上する自分の我が家を見る。


 実際、自分でも不思議なほどに悲しくなかった。


 それは、別に母さんがアニマにあんなことをしたから、とかいうわけでもない。


 なんというか……長い呪縛から解き放たれた……そんな感じだったのである。


「……これで、御主人様の問題は解決ですか?」


 ヴィオが遠慮がちにそう言った。


「まぁ……解決っていうか、全部燃えてなくなっちゃった感じだけどな」


「あ……そ、そうですね……」


「……まぁ、いいや。とにかく、さっさと帰るぞ」


 俺はそういってアニマを背負ったままで、燃え盛る屋敷を背にして歩き出した。


 後の3人も同様に俺に付いてくる。


 最後はこんな感じになってしまったが……とにかく、俺を縛っていた過去の記憶は、昔暮らした屋敷と共に消滅したようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ