突然の来客
その日も結局俺はマジック・ジャンクに向かうことにした。
フォルリを連れて行こうとしたが、物置部屋には鍵が閉まっていて入ることができなかった。
仕方がないので、俺1人でマジック・ジャンクに行くことにしたのである。
「アニマ? いるか?」
店の奥に向かって呼びかける。
「いるわよ」
アニマの声が聞こえて来た。俺はそのまま店の中に入る。
「おお、いたか」
「ええ。相変らず暇なのね」
「ああ、暇だ。で……なにか面白い魔宝具とかないのか?」
俺が訊ねると、アニマは困ったように唸っていた。
「そうねぇ……実は、あんまりないのよね」
「え? そ、そうなのか……」
期待してやってきたのに、何もないとは少し残念である。
「悪いわね……お茶でも飲んでいく?」
「え? あ、ああ。そうだな……」
仕方がないのでアニマの言われるとおり、お茶だけでも飲んで、その後は近くの街に行って賭けでもしよう、そう思っていたときだった。
「すいませーん!」
と、店の外の方から声が聞こえて来た。
「え……客か?」
俺とアニマは思わず顔を見合わせる。
「はーい? どちら様?」
アニアが返事をする。
「ここ、魔宝具、買い取ってくれるんですよね?」
店の外の方からの声はそう言っていた。アニマは俺の事を見る。
「……珍しいわ。タイラーみたいな冷やかしじゃない……普通のお客様よ」
「……冷やかしで悪かったな。早く対応してこいよ」
俺にそう言われてアニマは店の外へ向かっていった。




