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とあるシリーズ

とある女の子の話<バレンタイン当日>

作者: 桜月空

今日は関東でも稀に見るホワイトバレンタインになった。

寒いし、みぞれ降るし、道が凍っていて最悪である。


「葵、おっはよー!今日は天気最悪だねぇ、来る時転ばなかった?大丈夫??」

「・・・夕凪、おはよう。朝から転ぶほどドジじゃないから。それに!転んじゃったらせっかく作ったお菓子がぐちゃぐちゃになっちゃうじゃん!」

「確かに。余りにも酷かったら作り直して欲しいからね」

「ぐぅっ・・・。そ、それは一昨年の話でしょう!もう忘れてよ。」



香津 夕凪とは家の最寄り駅で待ち合わせをして一緒に登校している。

私の親兄弟からお願いされているからだ『葵を頼みます』と・・・。

幼馴染兼親友の夕凪には申し訳ないがとても助かっている。



私的にはそこまでドジじゃないのに、みんなから言われるたびにバカにされているようでちょっっっとだけムカってきちゃう‼︎

昔はみんなに反論していたけど、口で勝てたことがないから今もう流しちゃってるけどね、大体は‼︎

だって道端で転んだり、側溝にハマったり、気付いたら終点駅まで行っちゃったり、道に迷っていたり(これは本当に焦った)とかみんな経験あるでしょ‼︎

ここに宣言する‼︎これをやっているのは私だけじゃない‼︎←いやいや、必ず年に一回やっているのは葵だけだから by兄弟


と、いうわけで。

いつもお世話になっている夕凪にバレンタインの友チョコを毎年あげているのです。

もちろん、親兄弟の分は昨日出来たてを渡しておいた。

今日のオヤツとして食べるんだと思う。


自分で言うのもあれなんだが、料理には自信がある。

その中でも焼き菓子が1番得意だ。

シフォンケーキからシュークリーム、アップルパイにガトーショコラ。

大抵のものは一通り作った。

月一で必ず何か作ることにしているからだ。


「でさ‼︎今年はなに作ったの?荷物多いみたいだけど・・・」

「ん〜、藤田君にもあげるんだけどさぁ。今年は斎藤君の分もお願いされたから、別々に持ってくるとかさばって邪魔だからアップルパイをホールで持ってきちゃった!チョコは関係ないから、お菓子業界には乗せられていないんだぁ〜」

「いやいや、手作りしてる時点で乗せられてるから・・・。でも藤田に斎藤かぁ、もちろん、ホールは切ってきたんでしょ?」

「もっちろん!同じ過ちはしないよ‼︎今回はプラのフォークと紙皿も持ってきたし‼︎‼︎」

「だったら、特別教室でお昼食べよ。周りに群がって来られても困るし。」

「そだねー、先生の賄賂用お菓子も準備済みだから鍵借りれるし!」

「おっけ〜、じゃぁ藤田に声かけとくから忘れずに鍵借りといてね。大事なことだからもう一度言うよ、鍵借りるの忘れないでね。」

「もぉー、わかってるよ〜。ちゃんと借りるもん。」


そんなこんなで気付いたら教室まで付いたので、早速朝一で先生に賄賂を渡し鍵の件を了承してもらった。

昼にまた借りにくる旨伝えて教室に戻るとタイミングよく担任の先生が教室に入ってきた。

1限目が終わった後夕凪が藤田君に伝えていた。

こっちは予習しとかないと、次に当てられそうだから集中しないと。



「ねぇ藤田。今日の昼なんだけど、今年もアレがあるから別棟の特別教室で昼食べるんだけど・・・。」

「おう、わかった。藤原さんにサンキューって言っといて、後で自分でも言うけど。」

「あと、斎藤にも声かけといてね。今年はアップルパイのホールだから昼に食べないとタイミングないかもよ」

「了解、あのバカにも伝えとくよ。」

「よろしく〜。」




「あ〜おい、伝えたよ。藤田がサンキューだってさ。」

「ん〜、伝えてくれてありがと。ねぇ、これって合ってる?」

「えーと、どれどれ・・・」


10分休みなんてあっという間・・・。

夕凪に教えてもらったら先生がきてしまった。。。ガックリ


2限目・3限目も終わったので昼休みとなった。

(2限目では夕凪に教えてもらったところが当たったので助かった。両手を合わせてナムナム)



「香津、俺たち購買行ってから行くから先行ってて。」

「了解〜。葵、鍵借りに行こう」

「うん、じゃぁ藤田君、斎藤君後でね」



先生に鍵を借り、先に教室に着いたのでお弁当を食べていると二人は来た。



「いやー、藤原さん毎年悪いねぇ。ありがとう。今年はこいつの分も我が儘言ってごめんねぇ、どうしても食べたいって言ってきかないから」

「お、おい・・・‼︎」

「気にしなくていいよぉ。今年もお世話になったし、斎藤君も隣の席になって色々話したしねぇ」

「いいから、早くご飯食べてアップルパイ食べよぉ。何気に待ってたんだから!」

「今年はアップルパイなんだ、楽しみ〜。」


和気あいあいと話しながら、ご飯を食べ終わったのでデザートの時間だ。


「あんまり、人様に出せるようなものじゃないけど・・・。色々お世話になったので食べてください!もうワンホールは味見して大丈夫だったから問題ないと思うけど。」

「大丈夫大丈夫、葵のお菓子は美味しいから!では、早速。いただきまーす‼︎」

「「いただきまーす」」


その後、みんなでアップルパイを完食し、今年のバレンタインは終了した。

特に本命がいるわけでは無いから気合とかは入れていなかったが斎藤君に凄く褒めてもらって嬉しかった。

今度何か作った時に斎藤君に渡そうかなぁ・・・、悩み中。












******************************************

<おまけ> 慎吾と稔の会話





「稔ーーーーー、なんで前もって言ってくれなかったんだよぉ‼︎気持ちの準備が出来ていなくて味がわかんなかったじゃねーかよ‼︎」

「いや、お前は俺に感謝はすべきだが責めることは出来ないと思うがな。手作りにありつけただけ良かったじゃないか。」

「そうだけど、そうだけれども!なんか悔しいーーーーー‼︎‼︎‼︎」

「あんだけ褒めときゃ、またなんか貰えるんじゃないか。藤原さんも嬉しそうだったし」

「あ!やっぱり〜、また貰えるといいなぁ〜、俺だけに」ニヤニヤ

「・・・、キモ。そういえばお前、さっさとそのゴミ捨ててこいよ。授業始まるぞ」

「そうだった。・・・・・・、なぁ稔。」

「なんか嫌な予感すんだけど、やめとけよ、絶対」

「やっぱり、藤原さんのフォーク待って帰っちゃだめか・・・。いや、ばれなきゃいんじゃねぇ・・・」

「・・・、そんなことやったら本当に縁切るからな。」

「い、いや、冗談だよ。冗談。」冷や汗ダラダラ

「結構、目がヤバかった気がしたんだが・・・。わかった、ここで捨てるの見ててやるから捨てろ。」

「・・・・・・・・・・・・・、はい」泣


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