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第2話 再会?

「もう…無理なんだ…」

「もう…限界なんだ……」


 首を中心とした血まみれの体で森の中で倒れ込む。


「もう解放してくれ………」


 出血多量で目がうつろになり、意識が途切れそうになったとき。


「……様!……大丈…………」


 何者かが勇者に近づいてくる。


 そして、勇者は完全に意識が途切れた。


………


 次に目覚めるとベットに横たわっていた。


「勇者様!目覚めましたか!」


 記憶にない人物が話しかけてくる。


「今村長を呼びに行きます」


 そう言いその場を去った。


「大丈夫ですか、勇者様」


 村長らしき人が部屋に入るなりそう言ってきた。


「勇者様に助けてもらった恩がありますので気にせず休んでてください」


 顔を見て思い出す、つい2日前に救った魔王城に最も近い村【マトラ】の村長だと。


「付かぬことをお聞きしますが、魔王を倒されたのですか?帰ってきたように見えましたが」


 その言葉が勇者の平常心を乱す。


「あぁ…魔王を討伐した」


 咄嗟に出た言葉、平然と嘘をつく。


「おぉ!やっとこの村に平和が訪れます!!」

「やはり勇者様はお強いですね!」

「今夜は宴ですよ!」


 各々の村人が虚偽の報告に喜びを分かち合う。


「それで他の仲間の皆さんは?」


 一人の村人が訪ねる。


「仲間……仲間か……」


 周りの空気がどよめく。


「さ、さぁ!宴の準備を……」


 村長が話を流そうとしたとき。


「皆各々の故郷に帰った、安心していい」


 また部屋は村人の歓喜に包まれる。


「それではまた宴の準備が整い次第お迎えにあがります!」


 そう言い村長が部屋を出ると流れるように村人が去っていった。


 一人残された勇者は安堵と後悔に苛まれていた。


「俺はここまで来たのか…」


 ふと首を触る、傷だらけだった体は見違えるように完治していた。


「勇者様は強いか…」


 すると突然外から悲鳴が聞こえてくる。


 勇者はすぐに窓から悲鳴の方へと目線を向ける。


「っ………」


 決して会いたくなかった彼らがボロボロになって村に辿り着いていた。


「皆様は!?勇者様の仲間ですよね!」

「あぁそうだ……早く治療を頼む……」


 すぐに村の僧侶が駆けつけてくる。


「故郷に帰ったはずでは?」


 治療されて唯一話せるタリオスに村長は問いただす。


「帰る?どの面下げて故郷に帰るんだ!」

「落ち着いてください!」


 村長がなだめようとする。


「俺達は何もかも失敗したんだよ!」


 村中の人々が不思議そうにタリオスを見る。


「相棒は死なせた!魔王も倒せなかった!それに!」


 タリオスの手には赤色のリボンが握られていた。


「シリアが魔王城に残されたままだ!」


 周囲を見渡してもシリアの姿は見られない。


「シリア……また俺のせいで…」


 勇者は周りに見つからないように盗み聞きをしている。


「シリア様が魔王城に……?」


 村中がどよめき騒がしくなる。


「まったく状況がわかりません…」

「相棒というのは勇者様のことですか?」


 村長が代表して話しかける。


「そうだ…」


「勇者様ならこちらにいらっしゃいますよ」


 そう言い勇者が治療を受けている家を指差す。


「本当に…相棒が居るのか?」

「ええ!今案内します!」


〜〜〜


「相棒?」


 タリオスと再会してしまった。


「てっきり魔物に殺されたと思ってたんだ」


 まだ……俺を信用している。


「相棒!すまねぇ!」

「俺達は魔王に負けた…シリアが身を挺して転移魔法を使い、俺達3人を逃がした…」

「シリアには自分を転移させる魔力が残ってなかった…」


 その言葉を勇者は黙って聞いていた。


「でも待ってください!勇者様はさっき魔王を倒したと言ってましたよね!?」


 その言葉にタリオスが怒りをぶつける。


「あんた…面白く無い冗談を言うな……」


「本当ですよ!皆さんもそう聞きましたよね?」


 村長は後をつけてきた村人達に聞くと全員がうなずいて村長を肯定した。


「相棒?これは……どういうことだ?」


 困惑しているタリオスは事実を確認するため勇者に問いただす。


 その目からは否定の言葉を求めている。


「俺は……」


 すると突然外から荒々しい物音が蔓延る。


「魔物だ!!」


 ある村人がそう叫ぶと村全体が混乱する。


「何で魔物がいるんだ!!」

「早く逃げろ!!」


 村人が次々と襲われる。


「まずい!相棒!!」


 タリオスが慌てて勇者の手を引っ張る。


「おい!何してんだ!!」


 その場を動かない勇者に苛立ちを覚える。


「勇者様お願いします!村を助けてください!」


 村長が懇願するが……。


「…………すまない」


 勇者はタリオスの手を振りほどき魔物とは反対の方向へと走り出す。


「待てよ!どうしちまったんだ!」


 勇者を追いかけようとするタリオスを村長が止める。


「村を助けてください!!」


 タリオスの体に抱きついて懇願する。


「くそぉぉ!!」


 タリオスは魔物の方向へと走り出す。


 勇者は、この場から逃げ去った。

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