束の手紙と謎の贈り物
お読み頂き有難う御座います。
「……凄いわ」
「ぶ、分厚いですね……」
「贈り物も此方に」
普通、手紙は銀盆に載せて持ってきて貰うんだけれど……載らないから、適当な箱に山盛りに入っていたわ。
そして、贈り物は謎の袋。
特に綺麗でもなんでもない、ツヤっとした袋……。何故かえらく膨らんでいるわね。
何これ。
「はわ……これ、何でしょうか。プヨンプヨンしてますね……」
「……いや、俺何処かで見たことありますよ……。武器屋で」
「武器屋!?
ジェイル、何故何で騎士でも無い癖に武器屋に行くのよ」
「男子は用事なくても、剣とか見たいんですよ」
理由が分からない趣味ね……。買った所で置き場所に困るでしょうに。
「と、と言うことは……ぶ、物騒な、モノですか!?」
「物騒!? あ、暗殺……!? 私、殿下に其処まで嫌われてえええ」
「い、いや多分これ、着火草ですね……」
「着火……草!?」
「えーと、最近発見された新種の草です。直ぐ着火するから水に浸けて運ぶんですよ。かまどとか暖炉の焚きつけに滅茶苦茶便利なんです」
「はわ……。何故そのような便利グッズを、婚約者に……」
そ、そうよね……。
大体、今夏だから焚きつけグッズとか必要ないんだけど……。
はっ、まさか……まさかよ。
このお手紙は、私を諌める為のお手紙×18通!?
お手紙は嬉しいけど、滅茶苦茶読みづらい!!
「まさか、まさかこの焚き付けで私のふざけた嫉妬心を燃やせってこと!?
あああ違うんです! コレは、醜く見えますが嫉妬は偽物なんですわああ!」
「しゃ、シャルロット様! お気を確かに!」
「いやああ……がはっ! 何!?」
「お嬢様、少しお休みになられては?」
ふ、袋? を被せられたわ……。
で、でもちょっと暗がりになって落ち着く……かもしれないわ。
「兎に角、頭に血が上られたお嬢様は聞く耳をもたれませんので、今日は解散に致しましょう。メロ様」
「はわ……そ、そうですか……」
「呼びつけておいて申し訳御座いません。ですが、あのホヤホヤ男爵令息との付き合いも後僅かでしょうし、お気を落とさず」
「うう……」
そうなのよ、メロ嬢への対応も私ったら中途半端で……気分が落ち込んできたわ……。
「あの、それはいいんですが……シャルロット様が心配です」
「そのうち冷静になられたら、お手紙を開封されると思いますので。気になって仕方ないのですよ」
ぐぅっ……。何から何までナキアに見抜かれているわ……。悔しい……でも頼りになるのよ!
「取り敢えず、俺はメロ嬢をお送りしてきますね」
「頼みましたよ、ジェイル」
「シャルロット様、お大事になさってくださいー」
うう、メロ嬢の声が遠ざかっていく……。あんな良い方に気を使わせて……。
お友達に労られるなんて初めてだわ。そもそも、同年代に労られたことがあまり無いわね……。
はあ……。気落ちするわあ……。
「……は!? さ、先触れは!?」
「はわー!?」
え、何かしら。玄関の方でメロ嬢とジェイルの大声がするわね。
さてはメロ嬢が何かに吃驚したのかしら。でも、そんなもの、置いてあったかしら? 借り物だから、家具とかは置いてあるままの適当だし……。
着火草は綺麗な水を好み、淀んだ水だと出しても燃えません。こまめな水換えをしないといけないので、中々持ち歩きは流行らないそうです。




