表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

特に忍べてはいなかった

お読み頂き有難う御座います。

「えーと、仕切り直しますけど……フォーセット殿下がお嬢様の婚約者なんですけど、15歳にして浮気未遂? をしてしまいました」

「説明が雑よ!」


 何なのよその適当な説明!

 ジェイルは、本当に殿下に関してはやる気なさすぎよ! あんな素敵殿下に何の恨みが有るって言うのよ!


「う、浮気未遂!? こんなにキレイなシャルロット様を差し置いて、殿下は別のご婦人に愛を囁いたのですか!?」

「ほら、メロ嬢は寄り添ってくれてるわ! ジェイルには優しさが足りないのよ!」

「いや、シチュエーションからしてどっちもどっちじゃないですか……」

「傷付いたシャルロット様に酷いですよ、ジェイルさん!

お労しいシャルロット様! どんな酷いことをされたんですか!?」

「ほっらぁ!」

「お嬢様が調子に乗りますので、あまり煽らないでください、メロ様」

「ええっ!? あ、煽ってますか……?」

「直ぐにヒートアップなさるところが、お嬢様の良くも悪くもあるところで御座います」


 ぐぅっ……。確かに、少し情熱的では有るけれど……。でも、高位貴族として舐められてはいけないっていうか!


「ですけど、激しやすいお嬢様が何で殿下に関しては、『浮気しただろ誠意見せろ』って乗り込まなかったんですかね」

「ふぇっ、それではチンピラではないですか!?」

「別の方には別件で乗り込みをされています」

「はわ……」

「ウチの妹のドレスをわざと踏んで転がせた挙げ句、笑い者にした輩が居たのよ!」

「そ、それは怒りますよ!」

「ですけど、結局相手は滅茶苦茶没落されましたし……相手方って伯爵から騎士爵になったんでしたっけ?」

「躾のなってない輩を放し飼いにしているからよ!」

「はわ……」


 ひ、引かないで……。


「そ、それで……あの。殿下は何の浮気をなさったんですか」

「えーと、密室でお嬢様以外のご令嬢と隣り合っておられた件が15件でしたっけ」

「……それは……」


 絶句するわよねえ……。普通に貴族が生活してて、密室に家族婚約者親戚以外と、ふたりきりご一緒しないわよねえ……。


「……ふふ、私なんて殿下と寄り添ったのなんて……5ヶ月も前だと言うのにね」

「め、目が……光を失ってます! しっかりなさってください、シャルロット様!」

「ねえ、メロ嬢……。貴族たる者……いえ、妙齢の婚約者持ちは、他の異性と密室に籠もるべきでは無いわよね……。でも、殿下は勉学の為に学友と……ぐぅっ……」

「ご、護衛は付いておられないのですか?」

「その護衛が積極的にその女を推してると言う話よ……。縛り首にしたいわあ……」

「そんな……」


 今、王都ではその件のお話し合いしてる筈じゃないかしら。


「殿下からお手紙は無いんですか?」

「ふふっ、私対外的に行方をくらましてるもの……。届く訳が無いわ……」

「いえ、お嬢様。お嬢様が気楽に名乗られておられますから、かなり漏れております。その証拠に、さっきお手紙が届きました」

「え?」


 何でよ。

 殿下は、何故私にそんなご対応をしてくださるの……?

 どっちかと言うと、温度差有った気がするわあ……。


「先程から合わせて18通届きましたが、如何なさいますか」

「ええ!?」

「お……多っ……!」


 い、一体殿下に何が有ったって言うの……。

 あの、冷静沈着かつ、ちょっと繊細なところもお有りになる殿下が……。


因みに交易都市トリアイは、王都から1週間程度掛かります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ