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醜い嫉妬は偽物です  作者: 宇和マチカ


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14/15

また会いましょう、私のお友達!

お読み頂き有難う御座います。

他の作品への誤字報告、誠に有難う御座います!

「うっ、う……」

「ふええええ……」


 とうとうこの日が来てしまったわ。

 交易都市トリアイを離れる日が……。

 毎日、フォーセット様とデートしたり、メロ嬢とお茶会をしたり……。

 本当に、物語か夢のように楽しかったのよ。


 このまま、ずっとこのままで……時が止まって風化するかして、人生を終えたいくらいに。


「お嬢様も殿下も、滅茶苦茶荷物増えましたね……。何でこんなに買うんですか……。関所が滅茶苦茶困ってましたよ」

「お兄ったら、無粋……」


 ……まあ、馬車5つはちょっと買いすぎだったかもしれないけど……。喜びでタガが外れちゃって。


「来た時は旅行鞄1つだったのだから、構わんだろう。

 それに、シャルロットに似合うものが多過ぎるのがいかんな」

「現地調達にも限度が有るだろ、フォーセット……」


 後ろでフォーセット様とジェイルが揉めてるわ……。だって、フォーセット様ったら、あれもこれもお似合いになるんだもの……。つい買いすぎてしまったわよ……。交易都市、欲しいもの多すぎ!


「ぐすっ、あの、シャルロット様。お荷物になるといけないので……酔い止めの薬草茶です。ナキアさんにお渡ししますね」

「有難う御座います、メロ様」

「ぐぐすう……うう……。かさば……ううう」

「シャルロットさまあ……! お泣きにならないでくださいいいい」


 なんて行き届いたお友達なの……。形に残るものばかりで良かったのに……。


「メロ様、此方をお持ちください。お嬢様からです」

「はわっ!? こここ、こんな高価なものを……いた……」

「頂いてえええ!」

「はあひっ! 頂きます! うえええん!」


 私が泣きすぎて渡せないものだから、ナキアが渡してくれたわ。因みに中見はネックレスよ。近くの貴金属店でウチのダオ家の紋章を急いで彫って貰ったわ。


「ぐずぐす……。ねえ、メロ嬢。王都へ遊びに来てね。来たら必ず迎えに行くからね。

 もし行き違いでウチの門番が通さなければ、それを門番に見せつけて……」

「ええ、ええ……はいい! 勿論です」

「うう、手紙を出すからね」


 私達は、別れる寸前まで手を握り合っていたわ。

 そんな私にずっとフォーセット様は寄り添っていてくださったの。


「妬ける……」

「フォーセット……」

「殿下……女子の友情を温かく見守れないの、無粋……」


 ミーナン家の兄妹に窘められながらも……。


 ああ、色んなことが有ったわ。

 私が貴族として至らないから、嫉妬に苦しんだりして。それ自体があり得ない偽物だったり気付いて……。

 偽物でもなんでも、苦しかったわ。


 でも、メロ嬢という最高のお友達に逢えた。そして、フォーセット様と通じ合えたの。


「また会いましょうね、私のお友達、メロ嬢!」

「ええ、素敵な私のお友達、シャルロット様!」


 メロ嬢の涙に濡れた輝く笑顔を。

 馬車の窓から乗り出す私の手をギュッと握りしめてくださるフォーセット様の熱を。


 私はきっと一生忘れないわ。


シャルロットの物語はここで一区切り。

まだちょっと続きます。

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