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醜い嫉妬は偽物です  作者: 宇和マチカ


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12/15

そして

お読み頂き有難う御座います。

「うっ、う……ううう……」

「シャルロット……」


 ああ、涙が止まらないわ……。己の情けなさとか、殿下の危機なのに、呑気にキイィまさか浮気!? なんて気を揉んでただけとか……。


 恥ずかしい。裏を読んだり、調査したりとかしなくて本当に……! 貴族として滅茶苦茶ダメじゃないの! うう、学校が閉鎖空間だと考えてなかったわ。だって、無かったし詳細を知らないんだもの!


「はっ! もしかして、お父様はご存じでしたの!?」

「いや、僕が……私が抜け出せたのは、つい先週だからな……。先週からなら知っていると思う」

「うぐっ……。いえ、なんてこと……」


 ……お父様、言ってよおおおお! バカンスしてリフレッシュしてこいって言ってたけど、其処重要でしょおおお!?

 でも、殿下の一人称も飾らなくて素敵。


「あの、殿下……。どうか肩の力を抜いてくださいませ。わたくし……私達、きっとそういう所が至らなかったのかもしれませんわ」

「シャルロット……」


 ああ、殿下の夜のような黒髪がそっと近付いて……星のような瞳が……。


「心通われたのはよろしゅう御座います。ですが、婚約者として節度ある態度を」

「……うぐっ……ナキア……」


 ナキア、未だいたの……。いや、そりゃそうよね。ジェイルとメロ嬢ならこのいい感じを察して出ていってくれる筈なのに……。


「フォーセット殿下……。不敬不快を恙無くしてきたよ……」

「はうわっ!?」

「うえっ!?」

「うおわビックリした!」


 しれっと居るわね!

 それにしても、不思議な言い回しよね、相変わらず。


「メイカ、お嬢様の前に出てくる時は足音立てろよ!」

「てっへっ……。うっかーり……」

「話し方は可愛らしいのに、声が低いからメイカは損してるわよね……」

「うふっ……。ありがとございまーす……」

「はわあ……」


 ビビってるわね……。まあ、ちょっとメイカの私服は変わってるものね……。

 常に真っ黒とピンクベースだし。


「あ、メロ嬢。コイツ妹のメイカ。不審者っぽいけど不審者じゃなくてフォーセットの侍女」

「お、初お目にかかりまーす……」

「はわっ、と言うことは子爵令嬢! 

 失礼致しました。チッチャー男爵家の長女、メェロリーと申します」

「うふっ……。ご丁寧に有難く存じます。メイカ・ミーナンで御座います」


 ふふ……。メイカとメロ嬢のやりとりって何だかホンワカしているわ……。

 この光景を見ていたら、何だか……気が抜けちゃったわね。


「それで、メイカ。恙無く?」

「はーいはい……。ちょこっと踏みつけて参りました」

「? メイカ、何のこと」

「……お嬢様、港のカフェテラスで殿下とデートをされては?」

「ええっ!? でででで……ん」

「いいな。シャルロットはトリアイに詳しくなったか?」

「え、ええ。多少は……」

「じゃあ行きましょう殿下にお嬢様。護衛致します」

「行ってらっしゃいませ」

「はわ、楽しんできてくださーい」


 何だかズルズル引き出されてしまったけれど……。あ、メロ嬢を置いてきてしまったわ。


「ああ、この港町は本当に海と風が気持ちいいのだな」

「殿下……」


 私が来た時は殆ど吹かなかった風が、殿下がいらした途端吹き出したみたい。

 涙と憂いは吹き飛ばされ。また再び、殿下に寄り添える……。

 来た時はお別れのことばかり思っていたけれど。

 ああ、本当に……此処に来て良かったわ。


 そしてデート! 滅茶苦茶楽しみ!!


新キャラもちょっと濃いめですね。

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