表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

〇んぎつね。

江戸ワールドに事件が

 悪人は、暗い夜道を逃げていた。 


 なんだか、もの悲しい メロディーが流れてくる。


「お侍さん どうしたんですかい。」

「おー、お役人さん。あっちで………。」

 主水の脇差が 悪人の心臓を貫いていた。


主水が刀を抜くと、ふと目の前に一匹の猫が……。

 猫は死体の周りを一周すると、ニャーと鳴いた。するとどこからか、数匹の猫が現れ、悪人の死体の周りを囲んでいる。

「なんか変な感じだな。」

と、つぶやくと主水は、刀を鞘に納め、寒そうに去っていった。



 次の日の夕方、隣の家からさんまを焼くにおいがしている。

「よひょう。ごはん!」

「つうや、今日はうなぎの罠を仕掛けておいたから」

「よひょう、うなぎ食べたい。」

 やっと涼しくなって、よひょうとつうは北国から帰ってきた。つうの忘れ癖もかなり改善されて、幸せ一杯な様子で、二人はそろって川に行こうと外に出たそうな。

「あっ、どちらまで?」

 隣のさくらの声をかけてくる。ご近所づきあいはうまくいっているそうな。

「ちょっと川まで行ってきます。」

「よひょう、うなぎ大好き!」

「かあちゃん好きだったんだよな。」

「よひょうのおかあさん?」

「ああ、死ぬ前に食べさせてやりたかったなぁ」 

 川に着いて、仕掛けた罠を調べると網が破れて、一匹もかかっていなかった。

「よひょう、うなぎ!」

「また、ごんの奴がいたずらしたのかな。」

「ごん?」

「いたずらきつねがいるんだよ。」

「わたしのうなぎ、返せ!」

「また何か出すから、帰ろう。」

「よひょう、スイーツも」


 なんとか、つうをなだめて帰ると、又八の家が騒がしい。

「どうしました?」

 又八が家の外をうろうろしている。

「さんま、いなくなった。逃げた!」

「逃げた?」

「いや、焼いておったさんまが、消えたんじゃ。」

と、お杉母さんが、さんまを焼いていたはずの網をもって出てきた。

「こっちですね。」

 鼻のいいさくらが、においのする方へ歩いていくので、みんなで後をつけると……、


「ここですね。」

 通りをから入る狭い路地に、2匹のさんまの骨が……。

「よひょう、私まだ食べてないよ。」

「うん、食べてないよな。それにしてもこの辺、猫が多いな。」

 見ると、へいの上や、近くの低い屋根、そして路地の先に何匹もの猫がいる。

「この子たちですね。においがします。」

 近くにいた猫を又八がにらむと、目をそらされた。

「目そらしただ。おらのさんまかえせ!」

 猫は逃げて行った。




「今日のそばも豪華ね。」

「金ぴか将軍から、海鮮かき揚げと、特大えび天が届いたし。」

「でも、なんで毎日そばなんだ!」

 ど〇きつねたちは、今日もにぎやかにそばを食べていた。

「あっ、わたしの大えび取ったのムーン?」

「私じゃないわよ。あっ、私のかき揚げ。返してマーズ」

「おれじゃないぞ。自分で喰ったんじゃないか。」

「仲良く食べようよ、って私の大えびしっぽしかないよ。」

「なんか変よ。」

「再現動画を見てみましょう。」

 マーキュリーが、再生動画を確認した。

「ここで……消えた?」

「消えた?」

「幽霊こわい!」

「悪霊退散!!!」

「ちょっと待って、スローで再生。」

「なんか飛んだ!」

「猫っぽいね。」

「なんだ、猫か。」

「いや、これ1/100の速度よ。こんな高速で移動できる猫って」

「アスリート?」

「ねこのアスリートっていないよ?」

「お化け?」

「お化けこわい」

「怨霊退散!!!」

「ちょっと、これ見て」

「しっぽ?」

「ん?2本。」

「残像でしょ。」

「これ静止画像よ。確かに2本に見えるよ」 


第6章開始です。

第2、4章の続きになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ