エピローグ
…、あれから数年が過ぎた。
世の中には溢れんばかりの活気が高まって…。
ストレスを感じる者も少なくはなかったが、決して多いわけでもない。
ここ、心の診断所は輪さんの後を継いだ僕を見て、アユラとセツナさんは安心したのか、いきなり旅に出るとか行って、この街を去った。
…俺は、一人ここで過ごしている…。
「暇だな~」
23歳。
職業、心診断。
「人っ子一人来ないもんだねぇ~まったく」
ついでに…、独身。
そんな僕は、輪さんの死を克服するのにもかなり時間を費やした。
…忘れ ない。
どう ても、 な。
さ
よ
う
な
ら
できない。
墓地に泣き倒れる僕は、輪さんが父であった事を知らされた。
それは、アユラの口からであった。
…セツナさんは、それを知っていたという。
僕は、実親だと思っていた義理の親に保護をされていただけで…。
実は、母は他界して、父はそのショックで、僕を育て切れる自信もなく僕をアユラの家へと預けたのだ。
正直に言うと、あの日々が懐かしく、楽しく思えていた僕にとって、それは残酷なる知らせであった。
いつか、輪さんがこんな事を言っていた。
『人の悲しみを本当に知るためには、自分がそうなるしかねぇ…俺は今でもそう思えるよ。だけどな、自分が辛いからって、それを他人に押し付けちゃあいけない。だってよ、心審判してんだぜ?俺は。自分の心に判決決めねぇと、誰が裁判官できっかよ。』と。
あの不真面目な輪さんが、初めて真面目に語った一言は、恐らく今の僕に伝えたかった言葉なのだろう。
…だから。
だからこそ、僕は…。
「ようこそ、心の診断所へ。」
診断を始めた。
これにて、心審判は終了です!
BIOHAZARDやユメノミを今後ともよろしくです!