表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/42

第三十七話 天厨

「教えてやるよ…これが、天厨だ」


二重固有結界…。

すべてを包み込み、その範囲は無限大。

そして、固有結界リアリティ・マーブルは術者の心象風景で現実世界を塗りつぶし、内部の世界そのものを変えてしまう結界のこと。

欠点もある。それは、結界の形を思うままに決定できないこと。結界の内部の世界の法則は術者の心象世界を体現するが、術者のただ一つの内面を形にするだけであり、それを術者の意志によって手を加えて自由にはできない。ゆえに、空想具現化のように思うままに世界を変えることは出来ず、必ずワンパターンになるという。

俺は、その中でも二重固有結界という実際には存在のない固有結界。

欠点をすべて取り除いて、自分だけの絶対空間を作り出す。

これは、歪む事はないし、自己制御できる。

ただし、二重固有結界は、時間制限がある。

だから、あいつらが来る前に…やらなければならない。


今のあいつらじゃあ、こいつに勝てやしない。


「残念だが、このような物で包み込もうとも、俺は倒せやしない、わかっているのだろう…?輪」


「…、いや俺の『天厨』にハマった奴は確実に永久とわ監獄プリズンに落ちた、お前も何れにせよ、落ちるんだよ」


しかし、あいつは目の色一つ変えずに、俺に右の人差指を向ける。

真っ暗な空間に

、その人差し指は光出す。


ライト・螺旋階段オブ・スパイラル


かざす指先から、複雑に絡み合う二つの閃光が縦横無尽に駆け回る。

それは、この暗黒を徐々に切り裂き、そして…俺の胸元を貫いて、縫うようにして何度も何度も心臓部を抉り続ける。

流石に、ここまで来ると、もはや自分が何をされているのかすら、抵抗もなく感覚もないただの蝋人形と化していた。


「グボァ…クグゥ…ァアアアアァァァハァ・・・ハァアアアア!」


言葉にならない言葉をただ永遠と漏らす。

二重固有結界は、徐々に罅が入って、そのままガラスのようにバラバラと音を立てて崩れる。

俺は…もう、力を失ったんだ。


次第に、視界も暗くなってゆく―――。

天厨は…お前に預けたぞ…ソウ・・・イ…。


「最後は、お前らしく粉々になったな」


輪の姿は既にそこにはなかった。

あるのは、白く光る砂と銀色の月のペンダントであった・・・。

輪の最期。

天厨を託すとは…!?

次回、終幕…!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ