第三十四話 [level zero] of stranger
(---寡占色神社---)
「あの子たち、やっぱり行かせるべきじゃなかったんじゃない…?」
「そうかもしれない、が…仕方ないだろう」
「黒太陽も、あと残して数日で来る。」
巫女たちは、一塊りに特に人目のつかない神社の奥で話していた。
「安楽さんも、中々不幸な物よねぇ~一度ならず、二度も黒太陽を拝める日が来ちゃうんだからぁ~」
「ねぇ、その黒太陽…って何?」
「えぇ~知らないのぉ~?」
山之口が、不満げな顔をする。
どうも、納得がいかないと言ったものだ。
「実は、私も」
「私もだ」
と、次々に山之口の周りを巫女が囲む。
見渡せばそこは、白と赤の世界である。
さて、そんな少女たちは段々と重苦しくなっている中に、あのじいさんが登場する。
「山爺…」
「おい、いつワシがお前に山爺と呼んでいいといったんじゃ!」
「仕方ないわよ、彼女はここに来たばかりで慣れてないんだから」
「それよりも、黒太陽よ。」
「黒太陽じゃと…?あれが、またきておるのか」
「ええ、そうなんです。どうやら、前回よりも規模が大きいようで…」
「止められないという事じゃな」
そう、止められない。
今、この黒太陽を止められる事のできる人間など存在しない。
あれは、人工的な物なんかじゃないからだ。
「自然災害…それが、黒太陽の正体よ…昔の人が、太陽が黒く…つまり、雲に隠れて嵐が起きた事を意味しているらしいわ。…実際、黒太陽が本格的に‘見える‘と言われてきたのは、つい最近の事。それに、今は極僅かしかその存在を知らないわ」
「自然災害に、例は?」
「台風に、津波に、地震に、嵐…なんでもありよ。とにかく、自然災害と呼ばれる大規模な何かが起こる予兆のようなものね。」
巫女は、答える。
「なるほどねぇ…、んでとりあえずなんでここにあなた方御二人が居らっしゃるのですか?」
「私たちは、別に少し聞きたい事があっただけよ」
「俺もだ、とりあえず…黒太陽について、話がある」
(--- リズウェルの家 ---)
ガチャン。
キィをかけ、僕たちはまずリーさんの保護を最優先するために、作戦を考えた。
「ここを、拠点にしましょう。リズウェルの家は、安全だからね」
「なぜ?保証はどこにある」
アユラとセツナさんは、話を続ける。
薄暗い部屋。
ほこりだっていて、どうも古臭い。
例えるのならば、そこはお化け屋敷。
真っ暗でもなく、あくまで電球のあかりがある程度で、それ以外の光はない。
だから、あまりにも…恐ろしくてたまらない。
己の未熟さが、よく現れているようだった…。
電球、それが唯一の希望の光で、僕はそんなちっぽけな存在なんだ…。
---そう、小さな…小さな…まるで、原点のように…。---