第三十一話 lost the dust
「ようやく、舞台は整ったな」
赤髪の黒マントの男がそういう。
「アギトがやられた…が、その代わりに面白い奴が入ってきたな」
巨漢がそういうと、すぐに他の者が動いた。
「赤面のギルガメッシュとお呼びください」
赤い血の色のお面をかぶった身長を測れば180cmはあるぐらいの長身の男がそこにいた。
その男は、ボサボサした髪をかきながら、ペコペコと頭を下げている。
アギトがやられた今、リーダーであるセツナもいない。
故にこの部隊のリーダーと呼べるべき存在…つまり、指揮者はオーヴァンが引き継いだ。
オーヴァンは、身長175cmで巨漢。
また、髪型はサラリと肩まで伸びた白い髪に大きなゴーグルと少し突き出た鼻が印象深いだろう。
また、赤髪の黒マントの男の名は花音。
髪型は、まるでパイナップルを連想するのようなナッポーだ。
「フム、これより我々黒の組織はリー抹殺計画第二段階を開始する」
「まさか、アイツ生きてたなんてなぁまあ楽しけりゃそれでいいんだが」
「そうやって、楽しんでいる奴ほどよく死ぬだろう、この本に書いてある」
まず、オーヴァンが言うとそのあとにギルガメッシュが言う。
その後に花音はそう言って、花音はジャンプを見せつける。
オーヴァンは、それについてはあまり触れずに次の話に移行をする。
「…とにかく、リー…いや、輪を殺す…たしか今はセツナの所にいるそうだな」
「ああ、大聖堂にいるが…そこにあのソウイとアユラ、それと小娘が一人いるな」
「我々の狙いはあくまで輪一人だ。それ以外は対象ではない、無視をしろ」
「あいよ、先輩」
「では、作戦開始だ」
こうして、黒の組織の三人が同時に輪を狙って動いた。
―――大聖堂―――
「いっっ…こ…ここは…?」
そこは、外からの光を遮断された場所。
つまりは地下空間であった。
「どうやら、落ちたようだが・・・ここは、人工的に作られた場所か?」
「…あら、お客かしら?」
アユラの声と僕の声が聞こえたのか、ここの住人と思われし人物が姿を見せる。
その姿は、まさに羽ばたく白鳥のように綺麗だった。
「あ…貴方は…!」
「あら、またあったわねソウイくん」
そう、この人はあの時美術館であった美人女性。
どうも、偶然とも思えない…。
しかし、服装は見るからに変わっている。
表すのなら…そう、白い騎士。
しかしながら、その姿や形こそ騎士であろうが、剣を持ってはいない。
この人は、本当の騎士ではないようだ…。
「ソウイ…こいつと知り合い…なのか…?こんな奴と…」
アユラに返答はしなかった。
何せ、アユラの両眼はしっかりと彼女を睨んでいたからだ。
「あら、アユラちゃんじゃない、お久しぶりね」
「…黙れ…知っているんだ、お前が…佐野 セツナ、お前が爽さんを殺した事を知っているんだぁあああ!!!」
誰だ、その人は…アユラの両親とは先程あった。
ならば、違う。
…誰だ?爽さんとは…。
「ソウイくんの目の前でその人の名前は極力出さない方がいいんじゃない?」
「うるさい、黙れ!」
アユラは両手とも柄を掴むように握りしめる。
すると、突如として、そこに風が生まれ、その流れが剣を作り出す。
柄は緑。そして鍔は黄金の龍を象っている。
他は特に特徴のない剣をアユラは持っている。
「死ねぇぇえええ!!!」