第一話 sacrifice judgement
「では、判決…」
「ごくっ」
そこにいるのは、僕とリーさんと女性の三人だ。
さてと…今回は…
「裏です」
「…そうですか…;」
表、裏。
二つの運命をコインが決める。
裏とは、表の逆運のこと。
つまりは、悪いということである。
「ふぅ~…心地のいい空だな、アハハ」
「リーさん、煙草は体に毒ですよ」
僕らは、店の外にいた。
といっても、向かいの公園のベンチで、暇を持て余しているだけなのだが…。
「しっかたねぇ~だろ、滅多に客はこね~し、ギャラはすくねーし」
「貴方は誰に雇われてんですか、というか、社長、店長はあなただから、ギャラなんて言いませんよ」
「いいや、俺は雇われ者さ~」
僕の名前は、ソウイ。
苗字がないのは、僕が拾われたからで、幼いころから、このリーさんにお世話になり、言わば保護者という名目で、僕を預かっている…父親みたいな人だ。
普段、僕らはリーさんが開いている 心の裁判所 という迷える人の心を一つに決める店にいて、働いている。
まぁ、そんな怪しげな店に来るのは、月に一度あるかないか…といったところで、収入というと、一般のサラリーマンの4分の1にもみたない。
「そういえば、ソウイ~おめぇんとこの…」
「アユラ…ですか?」
「そうそう、アユラがな、俺のとこで働きたいんだと」
「…はい?」
「だーかーらー、俺の店で働きたいんだとさ!」
といって、僕の頭を鷲掴みして、荒々しく揺らす。
正直、顔よりも首が痛い。
しかし…アユラが…
「いいんじゃ…ないですっか?」
僕は揺らされながらも必死に返答する。
すると、彼は、揺らすのをやめた。
「そうかぁ?まあ、そういう事で…アユラー出てきていいぞー」
「るっせー!なんで人を小馬鹿にしたような…ぶっ殺すぞ!クソ親仁!」
「アーこわー」
「っ」
僕らの背後の木の後ろにいたようで、隠れていたように思える。
…準備OKというか…なんというか…。
「つーわけで、よろしくな?ソウイ~?」
「よ・・・よろしく」
正直、僕は彼女が苦手だ。
幼馴染である彼女は、何かあれば、僕をミッド代わりに暴行を加えてくる。
まったく…困ったものです…。
「さぁ~てと、うんじゃあ客も来たみたいだし、いくか?」
「…そうですね…」
恐ろしい事にならなければいいが…。
なんて心配する僕は、今年で、18歳となっていた…。
はい、はじまりました心の裁判所。
コメコイ4がもうじき終わるので、一日ペースでコメコイ4を書いていますよろしく!