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第二十三話 sad and judgement

遅くなりました!

赤い月に集中していると、こっちが疎かになってしまって…。

すみませんでした!

目の前にいる赤いマントの男…。

そう、あいつはうちの兄貴がグループの元幹部…。

いいや、幹部というよりも…副隊長と言うべきか…?


「フフフ、どうやら気づかれたようだ…君は連れていく…。後は任せたよ…芥川あくたがわ シノン。」


後ろにいた、もう一人の男…。

やっぱり…、あのイヴとアダムって奴らも…。

おそらく、覆面でも被っていたのだろう。


「どうやら、身内に狙われているみたいね…私たち。」


私の腕を強く握り、引っ張る。

反動で、体が目の前の男に近づくと彼はこう言った。



「今更気がついたか?残念だが、もう遅いのだよ」


その後、何が起こったのか…首に何かされ、私は気を失った。


一方、その頃…。


「アユラ…、問題発生だ。」


「どうした?」


「どうやら、待ち伏せさr…」


ザザザ...。

通信が切れた。

どうやら、待ち伏せに合ったらしい。

どうも…こちらの情報が相手側に漏れ過ぎている気がする。

まさか…

俺は、通信機を取り外し、中身をあさる。


「…、そういうことか…道理で…」


グル。

あの巫女たちも、あのアギトって奴も、みんなみんな…。

俺たちをハメるための…。

ただし、コンピュータ世界に閉じ込められているという情報だけはガセではないし、情報屋であるかどうかよりも、今は戦力がほしい。

だからこそ、救出が最優先だ…。

通信が切れた位置…。

なぜか盛んに人の声がしていた。

おそらくそこから考えられる場所は…繁華街。

あのデルタとか言うおっさんが嘆いていた橋の近くだ。

急がないと…。

俺一人じゃあ…。



気がつくと、そこは暗闇…。


「…どこだ、ここは…」


意識も、体の感覚もある。

どうやら、死んではいないようだ…。

…あの声…。

俺は、あの声を知っている…。

あの声は、昔のまま…だ。

瓦礫の山にいたはずだが、どうしてか港にいた。

港と言うよりも、ゴミの山。

俺は、そこに埋まっていたようだ…。

目の前に海があるだけだ…。

おそらく、気を失ったと同時に、仮死状態になったのだろう。

アイツの事だから、念入りに俺の脈を測ったに違いない。

そこから考えられる事は…俺は死んだと看做みなされた。

しかし、そこにいると事件が公の場に出る。

それを恐れて、こんなところへ捨てたのだろう…。


人家は全くと言っていいほどにない。

むしろ、怪しいくらいだ…。

そういえば、ソウイたちは大丈夫だろうか?

ちゃんと逃げ伸びることができただろうか…?

俺は、周りを見渡す。

すると、そこにはゴミの山に隠れて倒れている吉久の姿があった。


「おい、よし…」


…。

クソッ…。

クソッ、クソッ、クソッ!


「吉久…なあ、おい吉久!」


何度も体を揺する。

しかし、起きない。

いや…むしろこの行為の方がおかしいのだ。

なぜなら…大きな真っ直ぐに伸びたパイプが、吉久の心臓をグシャリと潰し、そして突き出ている…。

そこから少しはみ出ている…肉。

それが心臓なのだとハッキリと理解するには、そんなに時間が掛らなかった。

血は腐っている。

もう数時間が経ったことを物語る。

俺も…パイプが刺さっていれば、こうなったのだろう…。

彼は…少し瞳を開けたまま…光のない闇へと落ちたのだ…。


「返事を…して…く…う…く…うぁあああああ!!!!」


大の大人である俺が…人前ではないからと言って流していい涙の量ではなかった。

大量に頬を伝い、零れおちる温水。

それが、悲しみの冷たさと、怒りの暑さが引き起こした温度なのだと、俺は実感する。

いいや、実感せざる得なかった。


俺は、心の奥底で…必ずや復讐をと…審判ジャッジを下すと決意した。



「こりゃ…やばいかも…」


数人…いや数十人に取り囲まれた。

いくら僕でも、こんなに多くいたら、幻想崩しをされかけない…。

幻想崩しは、誰にでもできる。

他からみれば、そうでもないことをそう思わせるのだから、それを現実ではないと実感させれば…それがたとえ一人でもそう感じ取れば、檻は完成しない…。

ただの幻想で終わってしまうのだ。


「くっ、万事休す…か」


しかし、その時…意外な人物が姿を現す。


「え…」



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