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第十九話 巫女・帰郷

「ところで、なんで俺たちがこんな服装にならねばいけない!説明しろよそこの巫女!」


「それはですねぇ、私たち巫女に害をなさないと改めて実感されてもらうからでぇ~す」


緩い声いやむしろ甘い声と言うべきだろうか?目の前にいるこいつは、さっきのミツとか呼ばれていた奴とは別。

どうも、他にも巫女姿の女はいるという事か…。


「にっひひ、焦ってるねぇ焦ってるねぇ~いいよ~じゃんじゃんみせてちょーだい!その顔その顔~にっははは」


俺とは別の部屋で何か騒ぐ声が聞こえる…この部屋のすぐ横か?

声が漏れるということは、ここかなり薄いのか?

というか、この隣の部屋は…


「やっやめてくだひゃいぃいい!なっ何するんですかっ!僕は男ですよよ!なんで僕が巫女姿になりゃにゃいといけにゃいんですかっ!」


「細かいことは気にしないのが一番だにぇ~ささ、脱ぐんだ脱ぐんだぁ~にっひひ」


…どうやら、着替えさせられているらしい…。

俺は、ただただそれを聞くことしかできないが、深々とこの隣の部屋でなくて、その部屋の巫女が俺の担当でなくて、本当に良かったと思う。


「可哀想だが、これも運命だ…さらば過去のソウイ(男)、こんにちは現在のソウイ(巫女)」


「と~ころでぇ、貴方がたは、ここに何しにこられたんですかぁ~?」


御賽銭箱おさいせんばこのお金を盗みに来たと言えば?」


「アルバイトに来たんですねぇ~目は口ほどに物を言い、私たち巫女にそんな嘘は通じませんよぉ~?」


成程、これが巫女か…畳三畳の狭い空間から取り出した白い紙を何枚も何枚もつけた清めの札を渡しに来る…。


「ん、待てよぉ?君は…誰?」


「え…?」


スゥ…という音が鳴り、そして…


「私に気がつくとは…貴方、何者です?」


「クスクス…ただの巫女ですよ?何を驚いているんですか?」


「いつの間に…」


「いや、もともといましたよアユラ」


「ここは、神社ですからぁ、当り前なのではぁ?」


なめた口だ…。溶かしてやりたいぐらいだ…。

なんて、いつも思っていた…あの頃とは何か別の感情が生まれる…。

だって…ここに来るのは、久しぶりだから…。


「それにしても、何年ぶりかしらね~アユラ?いや…安楽あんらく 夕良ゆうら~?」


そこに来たのは、さっきの巫女。

ミツとかいう奴だ。

やっぱり、どこかで会ったことがあると思った。


「10,11年ぶりだ、恐らくな」


「口調も変わったものよね…幼き頃の方が可愛いものだったというのにねぇ」


「るっせぇばっかろぉ…、ソウイには言うんじゃねぇぜ」


「どっしよぉかねぇ?」


まったく、嫌な奴だ…昔っから…。

次回 第二十話 巫女・危機

巫女の姿になった三人は、アルバイトを開始する。

しかし、そこにリーたち四人の行方を知る アギト という人物が現れる

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