第十三話 battle of striker
ふと、思いつくことがある。
「あ、塾に筆箱を忘れた!勉強できないや!」
…と。
それは、ある日のこと。
「脱獄者だー!!!」
「くそっ!」
自身の無罪主張を無視され、有罪判決を受け、禁錮5年をある裁判長から命じられてここ…心の有罪監獄に、閉じ込められていたある人物がいた。
「あの…インチキ裁判長めぇ・・・一発ぶんなぐらねぇと気が済まねぇ!!!」
白い雪が、無数に降り周りを見渡しても、見えるのは監獄の姿のみ。
有罪、無罪など関係ない判決を出す者を憎み、ただ1年も監獄で嘆き、ある日は怒りを壁にぶつけ、ある日は目の前に渡された食事を投げ捨て、文句を見張りにぶつけ…。
彼は、限界に達していた。
そんなとき、彼はいつものぶつける様に壁を見ると、日課にぶつけていた壁にひびが入り、そして…外の様子が見えた。
囚人に与えられる食事の中には、スプーンを渡されることがある。
そのスプーンは、そこそこ硬いもので鉄製のスプーンと比べても、硬さは一目瞭然・・・と言ったもの。
なぜそんなものを使わせるのかは、不明であったが、囚人にとって、それはとてもありがたいものであったのだ。
ただし、それが配られるのは、水曜日のメニューがカレーの時のみ。
つまり、一週間に一度ずつ壁の穴を穿る事ができるが、それは今の囚人にとって、とても辛くいち早く逃げ出してやりたいところなのに、叶うのが、何か月かかることか・・・。
「おい!おい157番!返事しろ!いないのか!?」
「…157番というと、隣の部屋の奴だったな、なら・・・」
今日は、水曜日。
しかし、隣の部屋にいる囚人の様子がおかしいらしく、見張りがこない。
今がチャンスと、囚人ナンバー158番 拓斗は、壁を殴る、殴る、殴る…。
これは、日課で、見張りが見ても、同情はしないが、哀れな目で見てくるだけ。
干渉はせず、素通りだ。
まさか途中から目的が気晴らしではなく、脱獄目的だとは誰も気がつくとは思えない。
…既に、穴は5cm、6cmにも広がっていく。
これが10cmとなると、ついに腕が硬くなる。
そして、ようやく157番が脱獄したという事が明らかとなり、監視員は半数以上が出て行く。
それを見かねたタクトは、扉に体当たりを始め、次々とそれをまねしたほかの囚人は扉をこじ開けていく。
大脱出の始まりである。
(---アームストロング宮殿---)
大きな宮殿を前に、僕たちは大口を開ける。
あごが外れているかのような程度だ。
そして、その宮殿の扉をデルタさんとリーさんが開けると、そこには二人の男性と女性の姿があった。
「僕はイヴ」 「私はアダム」
「「ようこそ、我が宮殿へお客様方!!!」」
そこにいたのは、空色の長い髪と赤色の短いクルクル髪…。
どっちがイヴでどっちがアダムさんですか?と疑問を抱くほど、声もそっくりであった。
次回は3月9日・・・です!