第十一話 plus of lock
世界には、二種類の人間が居る…なんてのを前提として語り始めたのは、一体誰なのだろう…。と、呟いてみる。
誰からも返答がない。
まあ、どうでもいいことだ。返事がないのは、不思議ではない。
僕らは、マックから出て、リーさんたちの元へ駆けつけた後に心審議にて、裁判員として出席。
その後、判決は無罪で、特に何事もなく収まった。
ちなみに言うと、兄デルタさんは昔リーさんとつるんでいたらしいが、あまりそうとは思えない…。
まあ、これと言って、変な事もないのだが…どこか懐かしい人に思えて仕方なかった。
「それで、話…なんだがな輪」
「…その名で呼ばれるのは、久しいな…どうしたんだ釣瓶」
「…俺はデルタだ 妹が世話になったな、だが心配はないんだ…そろそろ俺も家に帰ってニコニ…じゃなく!晩御飯を…!!!」
「下心見え見えだな、釣瓶よ」
僕とアユラは、事務所…つまりは 心の裁判所にて、ガラス越しにリーさんたちを観察していた。
「リーさんたち、何を話してるのかな」
「…仕事の話なんでしょうけど…ねぇ…」
「兄貴は、中毒なのだ…妹として、かなり悲しい事であるぞ」
この見た目が三千院 Oギにそっくりな子が例の妹のポルカちゃん…。
飛び級で小学生から高校生へ上がっているらしいが、見た目が見た目で、やることもすべてどこかの業者の陰謀なのか、一緒である。
唯一お金持ちでないことを祈る。
「すまんが、それもバッチリだ」
「あの、心理読解能力でもあるんですか?」
心理読解能力とは…
相手の思考つまり思っていることを読み、理解する能力。
ちなみに読み方はテレパーシー。
「無論である、というかむしろそう思うのが遅すぎだとは思わんかったのか…一応はヒントを出してやってたんだぞ」
…つまり、彼女が言いたいのは…
「ドンくさいって事だよ」
ですよね…。
今わかったこと、ポルカちゃんは怖い。
言うのなら、アユラと互角。
いや、それ以上か
「高い評価だなぁ?おぉ?ソウイぃぃ?」
「ひぃぃ、すんまっせんアユラさん!」
「わかればよろしい」
本当に、素直でいい人ですねアユラさんとはあえて言わなかった。
「って、言ってますよアユラさん」
「おっし、三途の川に落としに行くか」
「さんせー!」
「やめれー!!!」
なんて、話していると事務所から話が終えたらしいリーさんたちが登場する。
…あれ?ていうか、リーさん服着替えてる?
見た目は、ほとんどが黒。
しかし、ちょこっと見える中身は赤色。
まあ…それ以外はすべて黒。
「おう、お前ら!でかけっぞ!」
テンションすらも変わっていた。
次回予告
いよいよ次回から、新章 -judgement of striker- です。
新キャラに加えて、ついにアユラ編も。
…というか、作者は僕なので、アユラ編もなんて、次で出せばいいじゃんと思いましたが、次回はヤヲ街という都会へ出かけるというお話です。