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第八話 judgement of judgement

今回、回想が長くて…。

…僕が彼の力を見たのは…ほんの何年か前だ。

カイドっていう人が仕切っているチンピラ隊…。

僕は、その人たちから襲われていた時のことだった。


「つぅ…」


「おい餓鬼ぃ金よこしなぁ?」


殴られ、蹴られ…不意を突かれた僕は、倒れ、裏路地で滅多打ちに合っていた。


「そういうの、弱い者いじめ…って言うんでしょ?」


その頃の僕は、反抗期というか…よくテレビに映るヒーローを目にしては、真似をしていた。

そのうちでも気に入っていた台詞が、それであった。

実際、僕は強くはない。

むしろ弱いのかもしれない。

でも、そんなの…関係なかった。

ただそこに、守りたいものが…あるとしか、認識がなかった。

僕自身の体…それが、このときの守りたいもの…傷つけられていても、決して屈しない限り守るべきものは砕けない…。これも、台詞の一つだ。


「面白いことを教えてあげるよ…お兄さん」


「ほう、答えてみろよ」


目の前にいるのは…僕を見下しあざ笑う悪党。

…なるほど、シュチュエーションは出来上がったわけだ。

これで…僕もヒーローの一員だね。やった!


「君は、今日白昼夢を見ては、泣き出すだろうこわ~いこわ~い夢。いや、悪夢を見てね」


「つぅ~おっもしれぇ!しかしよぉそれは、おまえのほうじゃねぇのかぁあああぁああ?」


「!?」


気付けなかった。

体を反転させるとすぐに、それがわかった。

でも…避けられなかった…。


「ゴハッ!ゴホゴホッ…うぁああぁあ・・・」


「つっははは!ばっかみてぇ!餓鬼がヒーローきどんなよぉ!実際のヒーローってのは、俺たちのような事を言うのさ!くはははぁ!おっもしろくて、腹が避けりゃあ!!!くはははは!!!」


「く…」


助けて…誰か…。

僕は…ヒーローにはなれない…。

…でも、ヒーローなら…助けてくれる…。

…僕の…ヒーローなら…。


「ククク...面白い事になってんな!ソウイ!お前の助け船になってやろうか?」


太陽の光を浴び、僕らに黒き姿を見せたその人物こそ…僕の…救い手。

それが…僕が初めてリーさんを尊敬するようになった理由。


「御前…誰だ?コイツの仲間かぁ?うんじゃあ金だしな!痛い目になりたくなかったらな!」


ビルとビルの隙間からゆっくりとこちらへ歩いてくる彼にそういうチンピラは、僕に先ほどぶつけてきたバッドで、2度トントンと僕の体を軽くたたく。


「ほう、うんじゃあ…先ほどのお前の言葉…そのままの判決を下そう…この…心審判にて!」


路地裏が…姿を変える。

僕らのすぐ近く両方にはビルが建て並んでいたのに、それよりも…数倍も大きく…そして、絶対に出口のない裁判所…。

リーさんが生み出す裁判所は、リーさんによって解放され、リーさんによって判決を下す。

人の心に住まう心の弱みを掴み、そして放つ。

…だから、この裁判所で…誰一人として、‘無罪‘ が出たことがない。

いや、有罪以外出さないのだ。

彼…リーさんは…。

絶対の判決にて、相手を追い込めば、もうリーさんのターン。

判決は…最初から決まっているのだ。


「つうわけで、お前の罪…償わせてやろう…三重・有罪・オオアリ地獄!」


そうリーさんが判決を下すと、すぐにチンピラたちの足元に黒き穴が開く。

しかし…それは、小さい…。

人間にしては…だけれど。


アリとしては、そんな大きさならば、軽々しく出入りができる。

しかし…このアリは…。


「う…うわぁああああああああぁぁああああ!!!!!なっなんだ、何なんだよぉぉぉぉおおおお!!!でっけぇえええぇえええ!!!」


「直径1,15m…まあ、それなりに小さめにしといたが…数が数だすぐに胃袋か、女王の新入り働きアリだな」


「やっ…やめてくれぇえええぇえええ!!!うわぁああああぁあああ!!!」


弁護側はなし。

アンフェア裁判所…経過時間…3分。

丁度、カップラーメンが出来上がるころである。

しかし、それは真実を追求しての判決であり、その場合においては、アンフェアではなく、確実にフェアであるのだ。


「帰るぞ、ソウイ」


「え、あ、はい!」


こうして…僕は、リーさんについていくようになっていた。


「んーで…?1700字後半まで使って説明する事か?それは…。」


「…御勝手に御想像してよ…」


ようやく下りきれたそこには、まだ二人が居た。


「間に合ったか?」


「…」


続く


次回 minus of lock

新章…というか、一段落ですね。

タイトルのjudgementがlockに変わっただけです。



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