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2 全ての始まり

「翔、お前カクレユメって知ってるか?」


「カクレユメ?聞いたことがないよ。」


僕に話しかけてきたのは小学校のころからの親友の龍矢だ。


「龍矢君、カクレユメって何?」


龍矢の話に興味を抱いたのだろう、幼馴染である真矢も話に加わってくる。


「いいか、カクレユメっていうのは、夢の中で友達と一緒に遊ぶことができる儀式なんだよ。」


その言葉を聞いた瞬間、瞬く間に真矢の表情から興味が消え失せてしまう。


「なんだ、そういうのは信じないんだよね、だってそんなことあるわけないじゃん。」


「いや、これは都市伝説みたいに嘘じゃなくて本当の話なんだよ。俺だけじゃなくて2組の奴らも実際にやったらしくて、本当に夢の中で遊ぶことができたんだよ。」


真矢の疑わしそうな表情に龍矢は自分以外にも他のクラスの人間が実際にカクレユメを行っていることを話す。しかしながら、真矢はその話を全く信じていなかった。


「ふん、そんなの絶対に嘘よ!龍矢君の嘘つき!嘘はいけないんだよ。」


「嘘じゃない!カクレユメは本当のことなんだ。」


二人の会話がヒートアップして喧嘩になってしまいそうになったところで僕は止めなければならないと思うがなかなか言い出せない。そんなときに、二人を止めてくれたのは委員長である由佳であった。


「ちょっと二人とも、喧嘩しないで!真矢ちゃんも嘘かどうかを確認しないで龍矢君のことを嘘つき呼ばわりしちゃダメでしょ。」


「由佳ちゃん・・・、だってそんなことあり得ないじゃない。本当にそんなことがあるんだったらテレビとかでも有名になっているよ。それなのに、聞いたことがないなんておかしいじゃない。」


真矢の言うことはもっともだと思う。夢の中でも遊ぶことができるのであればVRゲームなんかよりもよっぽど面白そうだ。そんなことが有名にならないわけがない。


「それにはちゃんと理由があるんだよ!カクレユメにはルールがあって15歳未満のやつは夢の世界に入ることができないんだよ。


だから、カクレユメは子供のうちしかできないんだ。テレビとかは大人たちが作っているんだから子供しか遊べないカクレユメは有名になるわけないよ。」


「まぁ、確かにそう言われれば有名にならないのは分かるけど、なんだか都合がよすぎない?」


「ねぇ、それなら確かめてみない?この四人でカクレユメをやってみるのよ、そうすれば本当のことなのか分かるでしょう。」


僕は由佳の提案にこころが弾んだ感じがした。最近ではVRゲームにはまっている僕だが所詮はゴーグルの中に映された映像、ゲームをプレイしていても結局は体を動かすことができず、物足りなさを感じていた。


だが、龍矢の話が本当であればVRゲームなんかよりもずっと面白い体験ができそうだ。僕は由佳の提案に賛成の意を唱える。


「僕は由佳の意見に賛成だよ、実際に確認をすれば龍矢の話が本当かどうか確認することもできるからね。」


「いいぜ、そこまで言うならカクレユメをやろうぜ、俺が嘘つきでないことを証明してやるよ。もちろん、真矢も参加するよな?」


龍矢も当然ながらカクレユメを行うことに賛成する。しかしながら、真矢はみんなの意見に反対であった。


「私は嫌よ、そんな怪しい儀式なんかしたくないわ!どうせ嘘に決まっているもん!」


「けっ、そうやって言ってるけど、どうせ怖いんだろ!どうせ夢の中から帰ってこれないとか思っているんじゃないのか?や~い、怖がり。」


龍矢は真矢がカクレユメに参加つもりがないと分かると、真矢のことをからかい始める。


「そんなわけないじゃない!私が怖がりですって、良いわよやってあげるわよ。カクレユメをやればいいんでしょ!その代わり、その話が嘘だったら承知しないんだから!」


僕たちは龍矢からカクレユメのやり方を聞き、その日の夜にカクレユメの儀式を行うことにしたのであった。


僕は夢の中で遊ぶことができることにワクワクしていたが、まさかあんなことになるなんて、今の僕たちには知る由もなかった。


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