転生system SEQUENCE (転生したら異世界Enjoy)
__??|転生の間
Diceを振る。幾つものDiceが振られ。役割が決まる。
Diceを落す。幾つものDiceが落され。行動が決まる。
世界は選択で満ちている。世界は選択で決まっていく。
世界は運命で出来ている。世界は運命で決まっていく。
ここは神々の集う場。世界のシュミレーションを目的とした場所。
「100回の開催全てに参加出来るとはな。思っていなかったぜ」
そう言うのはエナメルの様な光り方をする黒いスーツに身を包む人物。
「ん?おぉ、そこのお前。画面の映りは良いか?」
その男は全体的に黒い。黒い髪に黒い瞳に不釣り合いな真っ白い肌。
「ふむ、システムは取り敢えず異常は無いみたいだな。慣例的に1プレイヤーがKPの代わりにシステム確認ってどんなゲームだよ」
その男は黒いパソコンの様な物を弄りながら言う。
「今回の舞台は異世界転生物だ。まぁ、本人達にとっては異世界でも俺らにとっては同じ箱庭だがなぁ」
「フールさん!初めまして!コイン役の女神です!」
「お、お前さんが一番早かったぞ」
「いやいや、フールさん早すぎですよ。何時から居たんですか?」
「んーちょいと前だ。よし、そろそろ今回の舞台の箱庭にアクセス出来るぞ」
「あ、それがKPBOXですね」
「あぁ、もうすぐ設定が終わる」
KPBOX SESSION SEQUENCE
PROGRAM UPDATE ……
CLEAR NOWLOADING……
WORLDDATA……CLEAR
ACTIONDATA……CLEAR
ITEMDATA……CLEAR
STANDBY……3……2……1……QUE
……QUE ……QUE ……QUE
「おっと起動したみたいだ。よし、後は皆揃ってからだな」
一人、また一人と集まっていく最終的には26の神々が相対した。
「さてと、俺はフール。慣例通り一番の経験者の俺が音頭を取る。
ここに居るのは26名、勇者とその従者は4人。それぞれスートの名前で呼ぶことになる。
コイン、カップ、ワンド、ソードだな。この4人は生まれる職業は固定だ。
あとはメジャーアルカナである俺らは、ある程度自由に職業を複数個宛がわれる。
って言っても決めるのはこのKPBOXでDiceを振る事になる。
つまり、幾つの職業を選択出来るかはDiceによる、ここまでは良いか?」
一区切り説明し、止める。誰も何も言わないのを確認して次に……
「目的はどうしたら良いんですか?」
「ここまでの質問何だが。それはコレから説明する」
「あ、ごめんなさい」
「基本的に俺らには与えられた役割の通りに担当の子達を導く事が出来る。
しかーし、Diceによって伝えられる内容が変わるんだ。
ちなみに俺は無限の可能性の役割を持っているので担当の子が思いついていない選択肢を追加して教える事が出来る。
他の者達も色々と制限があるけど特色にあった事を伝える事が出来る。
だから、それを使って担当の子達を生存させるのが第一目標だ」
「第二目標は世界の構築だ。他の世界からの情報を仕入れ新しい概念を確定させるには転生者に発明させるのが一番だからな。そのシミュレーションを行いより良い世界を作るのが目標だ」
「そして、第三目標。今回はファンタジーなる世界なので人類共通の敵の魔物や強い獣等が沢山居る世界だ。なので人の暮らしを守る事が第三目標。まぁ、その目標は勇者PTの目標だがな」
「はいはい!俺つえーしたい人をお呼びすれば良いんでしょう?」
「勇者はそれじゃ駄目だ。人を助け守りたいと強く思った者が一番いいんじゃねぇか?」
「あぁ、なるほど!分かりました」
「そう言えば転生者候補はどうするんだ?」
「つい先日、電車の脱線事故で死んだ者達から引っ張る。魂DATAはまだ輪廻転生処理されてないからな。
よし、こんな所か?他に質問が無ければKPBOXを起動するぞ。後はDiceの指示に従え」
黒い男はKPBOXと呼ばれるパソコンらしきモノのエンターキーを押した。
……QUE ……QUE ……QUE
……3……2……1……CUE
SCENESTART
起動された世界でDiceが振られる。そして、出た目で世界が作られる。
起動された未来はDiceで決められ。そして、出た目で運命が作られた。