異世界うんこ~俺の身体に入ってきたうんこが殺意高すぎる~
3日ぶりの排便の時だった。俺は便秘気味で、まあ人よりはうんこが固い方だろう。ちょっと血がでたりもしたりする。かなり痛い。グとゲの中間あたりの嗚咽と共に、俺は肛門に力を込める。
肛門が三割くらい開いたところで俺はあることを思った。自分の尻からでてるのは本当にうんこなのだろうか?と、便秘の時は神に祈ったり今までの行いに懺悔する事が多いだろう。だがこの時だけは違った..
直感だ。直感が騒ぐ。冷や汗は急速に体温を奪う。息が少し乱れる。頭痛がしてくる。
『コレはうんこじゃない』冗談じゃない
肛門が7割開き、実が少しでてきた。この時点で直感は確信の輪郭を触れた。
『今出しているのは化物だ、お前は死ぬ』マジで冗談じゃない
仮に、うんこじゃないとしたら何がでてくるんだろうか?ケツからでてくる化物ってなんだ?思考が廻る。頭痛が限界値を超え遂には幻覚、幻聴まで聞こえてくる。
『遺書は残したか?』なんで死ぬこと前提なんだ
肛門は開ききった。実はおよそ4センチ近く顔を出した。もしRPGの世界だったらこの時点でHPが半分近く減っていることだろう。勇者がこの程度で死んでたまるかって感じだが、本当に死を覚悟しなければならないかもしれない。それに俺は勇者じゃないから、今死んでもおかしくない。
実が、7センチ。俺は違和感に駆られていた。もう一つのうんこを出している。というより今しているものがうんこじゃないと確信した。どうやら俺のケツはワームホールになっていてそこから化物が出ているらしい。そして俺のうんこはワームホールから出ていき、そして別の”何か”がケツから出ている。コレは憶測ではなく、確信だ。今、俺のうんこは異世界へ行った。そして代わりに別の何かが俺から出ようとしている。
実が、8.5センチ。行動の時が来た。俺はこの何かを無理やり引き出す事を決めた。
ティッシュペーパーを手に巻き、それを掴んだ。
叫ぶ鶏のおもちゃみたいな声を出しながら。全力で、引き抜く。
『正気じゃない』ケツが異世界に繋がってる時点で正気じゃない
思ったんだがこの声はうんこの声だ。生きていて、そして化物だ。
俺はこのうんこと戦わなければならない。いや、既に戦っている。
さあ、本番はここからだ。こいつとの戦いは始まったばかりだ。
なにこれ