0.第3章 新規紹介
◎長い夏季休暇が終わると、また忙しい日々が戻って来た。
課題にアルバイトと、自宅に学校、記憶堂を行ったり来たり。
そんなある日、またも原稿が煮詰まっていた藍子に連れ出され、ふらりとやって来たのはお洒落なカフェレ ストラン。触れたことのない空気に緊張する真は、しかしちょっと引っかかった藍子の行動に、ならば一矢 いてやろうと自分からゲームを持ち掛け――意外な結末に納得がいかない真。しかしそれすらも藍子の配慮だ と分かると、不思議と悪い気はしなかった。
そして帰り、何でもない会話をしながら歩く二人の前に、藍子を”藍”と呼ぶ男性が現れ――思いもしなかった 第2のアルバイトも始まって――!?
◎桐島修二
藍子の兄。
短めの髪、銀色の腕時計、同色の眼鏡が特徴。
藍子とはまた違う、無表情での堅苦しい敬語を使う。
折り目のしっかりとついたスーツを着こなすいかにもな堅物で、ある日の夜、真と藍子の前に現れる。
◎桐島大輔
藍子の父。
一見するとお堅い印象を受けるが、根は優しく誠実。
あることがきっかけで藍子とは疎遠になるが――?
”音が色で見える”という共感覚を持っていると同時に、文字が読めない難読症でもあるが、藍子はこのことを知らない。
◎桐島小夜子
藍子の母。
共感覚は持っていないが、並外れた美しい音色を奏でる元ピアニストの音大教師。
大輔とは違って、ふわふわと笑顔溢れる優しい印象。
清楚な見た目通りに丁寧な口調で話す一方で、大輔には強くでることも。