0.第1章 登場人物
◎神前真
本作の主人公。
大学入学を機に田舎から都会へ出て来た十八歳。
現在方言は話さないようにしているが、ふとした拍子に零れることがある。
偶然訪れた”記憶堂”で桐島藍子と出会い、彼女の元でアルバイトをすることに。
◎桐島藍子
本業は人気の売れっ子作家であり”桐島記憶堂”の現店主。
長身黒髪、眼鏡が特徴の、物腰柔らかい大人な女性。
基本は無邪気で裏表のない性格。
一種のサヴァン症候群のような状態にあり、一度見たものは忘れない記憶力とともに、共感覚により人の感情が色となって視えてしまう。
初めて視た”透明色”の真を気に入り、アルバイトとして雇う。
◎高宮葵
真がアルバイトを始めてから現れる、最初の依頼人。
場所の分からない祖父との思い出の地に行きたいと、記憶堂を訪れる。
口数少なく、クールな性格でボーイッシュな服装を好むが、中身はとても思いやりのある十八歳の高校三年生。
記憶堂での打ち合わせ前に、近所の公園で真と出会う。
さらりと流れるおさげが特徴。
◎高宮遥
依頼人葵の兄。
真と同じ大学に通う、天文部所属の二回生。
両親亡き今、親戚の仕送りに頼るだけで無く、葵の為にと塾講師のアルバイトをしている。
眼鏡をかけているが茶髪。口調も今風の若者だが、根は妹の葵と同じく真面目で優しい。
◎岸乙葉・琴葉
真と同じ大学に通う、双子の三回生。天文部所属。
片や黒髪ショート眼鏡にパッツン、片やウェーブがかった茶髪にメイクと風貌は正反対だが、恐ろしい程仲の良い姉妹。
基本は自由奔放で遥をよく揶揄う。
遥経由で葵のことを知り、依頼の手伝いをすることになる。
初対面から葵の色んな所を触っては喜んでいたことで、葵からは少し警戒されている。
◎堺
真のアパート近くにある喫茶店”星屋”のマスター。
白い髪に同色の髭、低い声という印象とは随分かけ離れた、フレンドリーなおじさま。
藍子とは昔からの知り合いで”藍子ちゃん”と呼ぶ仲。
◎岸誠二・沙織
乙羽、琴葉の父母。
物腰柔らかく、今となってもとても仲の良い夫婦。
双子姉妹同様、葵の依頼の手伝いを買って出る。